仕事の事典 》 提案の心と創造の心 序章 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
TOP 編集のねらい 5S 安全 品質 作業 治工具 設備 省力 環境 コスト 事務 IT化 組織 お客様 社会 地域 探訪記 総目次 索引 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
i … | 揖斐昇 著 提案の心と創造の心 ―トヨタ創意くふう活動と私の15年― 書籍版:1987年8月25日 創意社刊 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
序章 私と創意くふうの出会い | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第1章 トヨタ創意くふう制度の誕生 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第2章 現場の英雄たちとの出会い | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第3章 量的指向から質的指向への道のり | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第4章 創意くふうを生み出す風土 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第5章 燃えた男たちは同志をつくる | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第6章 創意くふうをどう育てるか | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第7章 創造の心を伝える人々 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第8章 21世紀の創意くふう活動を展望する | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
序章 私と創意くふうの出会い | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
このページの掲載項目 | 1.意外な配転命令 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2.提案が好きになれない | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1. 意外な配転命令 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■1972年というと、ちょうど高度成長から低 ■「創意くふう」というのはトヨタでは改善提案のことを一般にそう呼んでいます。社長から委嘱された役員を委員長とし全工場長、部門長で構成する「創意くふう委員会」という組織があって、その委員会を中心に従業員の創意くふうを奨励し、積極的に評価し経営の中に生かしていこうというのが創意くふう制度ですが、私はその事務局として創意くふう制度運営の実務を担当することを仰せつかったのです。 ■提案事務局は一般に人事、教育、技術といった部門に置かれることが多いのですが、トヨタ自動車の創意くふう事務局は伝統的に製造部門に関連性の高い生産技術部門に置かれていました。 ■これは、トヨタの提案が単なる労務管理の手段としてよりもタイムリーに改善を押し進め安くて良いものをつくるという、より実質的なものにウエイトを置いてきたことの表われだと思います。 ■そういうわけで、私の前任者もその前の人も生産技術部門に籍を置いていました。しかし、私の場合だけちょっと違ってたのは、当時の創意くふう委員長であった豊田章一郎専務(後に1982-1992社長、1992-1999会長)が技術部門を担当されており、そのために事務局は技術部門に属する特許管理部に籍を置くことになったことです。それまでの私は、事務のスタッフとして生産管理部門で資材購入や在庫管理に携わり、ちょうど社内で完成された「かんばん方式」を協力企業に指導し、導入定着させるという業務に携わっていました。たまたまローテーションの対象者が2人あって、そのうち、もし配転があるとしたらきっと営業畑だと思っていた私が提案に、もう1人のおよそ営業向きでない非常に個性の強い方が営業部門に配転を命じられたのです |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2.提案が好きになれない | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■事務職ではありましたが、納入メーカーや現場の人たちとの緊密な人間関係の中で仕事してきた私には、特許や提案という仕事になかなか興味が持てず、自分はこの仕事に適性がないという思いがずっと胸の中にいすわり続けていました。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■どんな仕事でもそうですが実力がないと肩身の狭い思いをします。現場で3年も5年も体験を積んだ若い工場事務局から突き上げられる事もしばしばでした。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
次ページへ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
▲このページトップへ |