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ネット版 改善改革探訪記 №267
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森永製菓の創業者、森永太一郎翁の事績を訪ねて

  森永太一郎翁事績探訪記

森永製菓の創業者、森永太一郎翁(1869-1965)は、佐賀県伊万里市の陶器商の家に生まれた。幼くして父と死別。再婚した母とも別れ、親戚の間を転々としながら育てられた。叔父の手ほどきで天秤棒を担いで陶器を行商し、アメリカで陶器を販売するために、19歳でアメリカに渡った。
しかし、陶器はアメリカでは全く売れなかった。
あるとき、サンフランシスコの公園で「プリーズ」といって老婦人から差し出されたキャンディの旨さと甘さがいつまでも記憶に残った。
太一郎はやがて、キリスト教と出会い、洗礼を受け、神の教えを伝えることこそ自分の使命だと確信して帰国。布教をめざした。しかし、誰からも相手にされず、自分の役割は洋菓子職人になることだと考え直して、再び渡米。洋菓子づくりの技術を身に着けて帰国し、1899(明治32)年、東京赤坂溜池の小さな工房で洋菓子をつくり始めた。

太一郎は自分のつくったマシマロ―やキャラメルを載せた箱車を牽いて、キリストの教えを説きながら、それらを売り歩いた。これが評判となって、各所から注文が入るようになり、内国博覧会で入賞。以来、多忙を極めた。

その後、松崎半三郎と出会い、懇願して営業を担当してもらい、自分は製造に専念しすることで、国内最初の洋菓子メーカーとして大きく発展した。

●本文 →  morinaga taichiro へのリンク
●参考文献:若山三郎著「菓商」(徳間文庫、1997)、森永製菓ホームページ https://www.morinaga.co.jp
●掲載先 → 日本監督士協会編 リーダーシップ 2025年2月号


伊万里駅前の森永太一郎像。画像クリックで本文表示



「改善の事典」の関連事例

●キャンディの甘さに感動して菓子職人をめざす→ http://www.souisha.com/jirei14/1401c18

●キャンディとマシマローを箱車に載せて売り歩く→
http://www.souisha.com/jirei13/1302b12

●松崎半三郎と出会い、事業を組織化する

http://www.souisha.com/jirei12/121415