絵で見る創意くふう事典  》 第12章 組織  》 A目標を決める
 
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組織‐1202 A目標を決める BACKNEXT

賃金を支払う以上は、雇い入れた人に精一杯仕事をしてもらわねばなりません。そのためには、仕事の量と質に責任を持ってもらうこと。そのためには仕事の成果が見えるようにし、ここまでの仕事を完成させるという目標を明確にすることが必要です。

 このページの掲載事例→             ●120201 仕事を見える化し責任を持たせる  
 ●120202 個人目標を設定する  
 ●120203 上位方針を個人目標に展開する
 ●120204 挑戦目標を胸札に表示する  
 ●120205 目標を決めて多能工化をすすめる  
 ●120206 社員のスキル管理表  
 ●120207 提案成績をレースで競う
 ●120208 改善に値段をつけて売り上げを競う 
 ●120209 目標を押し付けず自分たちで決めさせる 
 ●120210 方針展開・目標設定・結果のチェック・ふりかえり
 ●120211 「ビジョン経営」を展開する
 
【120201】 仕事を見える化し、責任を持たせる  

■金属プレス加工業では浜野製作所(東京都墨田区)では、浜野恵一社長が、気心の知れた数人で仕事をしていた頃は、根性で、寝る時間を削ってでも仕事をしていた。

■しかし、注文が増え、もっと多くの人数が必要になり、新らたに社員を採用した。彼らにそれまでの自分たちと同じような徹夜の働きを求めるわけにはいかない。そこで、次のようなシステム的対応を工夫した。

■オフィスルームにモニターを設置。そこには工場のレイアウト図が映し出され、プレス機やレーザーカッターなどの装置の絵が並んでいて、電源が入ると色が変わり、稼動するとアニメーションで動く。これにより、オフィスでは全工程の稼働状況がわかる。

■全職場に稼動解析システムのネットワークが張り巡らせている。注文を受けると事務担当者がそれに基づいて作業指図書を作成。それに設計図面・作業手順書・バーコードがついていて、指図書は作業手順に沿って必要な工程に渡される。各工程を担当する作業者は作業に入るときと終了するときに自分の名札についたバーコードをバーコードリーダーでなぞる。それによりその工程を何時から何時まで誰が担当していたかという記録が残る。そして次々送られてくる注文品の加工を始めるときと加工を終了したときに指図書のバーコードをなぞる。これにより、すべての注文品について、誰がいつどの加工を担当したか、段取りにどれだけ時間がかかり、実際に機械が稼動したのは何時何分から何時何分までかの記録が残る。

■お客様から問い合わせの電話が入ったとき、以前なら営業担当が現場に下りて指図書がどこにあるのか探して進捗状況を答えていたが、現在はパソコンの画面を開いて進捗状況を確認でき「今日中には上がります」「明日にはお届けできると思います」と答えることができる。

■システムの活用ですべての仕事がオープンになり、見られていることの緊張感と責任感が生まれる。さらに不具合が見つけやすくなり、問題が起こればみんなでそこに改善を集中することができるようになる。

取材先 浜野製作所(tanbouki 028
取材 2006/12/15
掲載 ポジティブ2007/02
本文 hamano.pdf へのリンク  

 
工場内部と事務所内のモニター
 
【120202】 個人目標を設定する   

「品質不良ゼロ」をめざしている椿本チエイン京田辺工場の事例。組織目標への全員の積極的な参画を求めるために、1人ひとりに個人目標を設定させ、それを写真入りで職場の中に掲示している。

取材先 椿本チエイン(tanbouki 029
取材 2006/12/18
取材 ポジティブ2007/02
本文 tsubakimoto.pdf へのリンク

   
 
 【120203】 上位方針を個人目標に展開する  

ニチレイの事例。会社方針を個人目標に展開するために、部署ごとに「まるごとコミュニケーション」というファミリー研修を開いている。その席で上位方針と目標を説明し、それを達成するために自分たちが何をすべきかを、みんなで話し合って決める。
いつもとは違うリラックスした場所を選び、部署長は聞き役に回って部下たちに司会進行を任せ、全員に本音で発言させる。
それによってみんなの現状認識を一致させ、解決すべき課題を明らかにし、その後に各人の目標を立てさせる。


取材先 ニチレイ
取材 1999/06/16
取材 燃えよリーダー2000/05
   
 
 【120204】 挑戦目標を胸札に表示する  
 
小集団活動リーダーは全員自分たちの活動テーマを胸札に表示することにした。これにより、リーダーの自覚が高まり、周りからテーマに関連した意見や提案が集まってくるようになった

参考文献:「神戸製鋼所・事務ルール事例集」1986
  
   
 
 【120205】 目標を決めて多能工化をすすめる  

機械加工、研磨ロボットの操作、研磨作業が1人でできる多能工化事を育成するために、オペレーター1人ひとりについて多能工化の目標を決め、実績がどこまで進んでいるかを図のようなグラフにして競い合っている。

取材先 TOTO小倉第二工場
取材 2002/03/18
取材 燃えよリーダー2002/05
 
 
【120206】 社員のスキル管理表  

改善技法や改善用語をどれだけ知っているか…など、社員の改善スキルのレベルを計画し、目標値を決め、ギャップの大きな項目から順にトレーニングを行う。

取材先 P&G明石工場
取材 2002/12/12
取材 燃えよリーダー2003/02
 
 
【120207】 提案成績をレースで競う   
電機メーカーの事例。提案成績をレースの形にして食堂の壁面に掲げている。レースの形式やルールは毎年変わるが、提案成績に応じて各職場のコマを進め、みんなはこれを見て多職場に負けるものかと改善くふうに一生懸命になる。年度末にはレース結果に基づいて表彰が行われる 

取材先 竜野松下電工
取材 1980
取材 改善提案ハンドブック
 
 
【120208】 改善に値段を付けて売り上げを競う  

■ダイキン工業の現場では、改善、資格取得、管理指標の目標達成など、改善活動の1件1件に値段を付け、それを会社に見立てた自主保全グループの売上とみなして売上を競い合っている。

■自主保全グループは最初に事務局から融資を受けその利子を払わねばならないから、売上を上げないと倒産する。そうならないようにみんなで改善に精を出すという仕組みである。実際にお金をやり取りするのではなく、数字上のゲームだが、この仕掛けによって改善活動は大いに盛り上がっている。 

取材先 ダイキン工業滋賀製作所
取材 1998/11/03
取材 TPMによる利益を生み出す体質づくり
 
 
【120209】 目標を押し付けず自分たちで決めさせる   

■パート・アルバイトの採用代行業、ツナグ・ソリューションズでは、社員はルーチンワークを持ちながら同時に組織を越えて様々なプロジェクトに参加している。そこでは積極的な提案が奨励されており、それが認められれば、自ら実施責任者となってそれを完成させる。

■社員1人ひとりは売上目標、利益目標、新規顧客の獲得目標を上から一方的に押し付けられることはなく、公開された会社業績に基づいて、会社として解決すべき目標をみんなで確認し、各人が半年ごとに「それでは、私は半年間でこれだけのことをやります」と約束する。そして、半年後にみんなの前でその結果を5段階で自己評価し、それがそのまま報酬に反映される。聞いている人は。なぜそういう自己評価になったのかを自由に質問できるから、おのずと自分も周囲も納得する評価結果に落ち着く。

■経営に責任を負う立場からすると、1人ひとりに目標を与え、その達成状況を絶えずチェックした方が、目標達成は確実だし、その方が安心できる。しかし、それでは本人には達成感がなく、やらされ感だけが残る。人を管理の檻の中に閉じ込めて置きながら、最大限の能力発揮を期待するのは矛盾する。それが期待できるのは、自分が受け入れられ、組織のビジョンに共鳴し、自らやる気になった時だけである。要は、管理者や経営者が、社員1人ひとりの可能性を信じて、そこまで見守れるかどうか、そこまで腹を決められるかどうかの問題だと、米田光宏社長は言う。 

取材先 ツナグ・ソリューションズ
取材  2011/04/21
掲載  リーダーシップ2011/07
本文  
tsunagu.pdf へのリンク 

←ツナグソリューションズの執務室  
 
【120210】 方針展開・目標設定・結果のチェック・ふりかえり   


■焼肉レストラン、ワンダイニング(従業員数4745人、店舗数92)の各店舗では、正社員がマネジメントと肉のカットを担当、アルバイトは接客応対を担当する。アルバイトに求められる仕事は274項目に及び、その修得度合いよって時給と職位が決まる。正社員は新入社員から店長まで8階層に分かれ、肉のカット技術を学ぶとともに階層ごとに集合教育を通じて、コミュニケーションスキル、コンプライアンス、計数の知識、リーダーシップなどを学ぶ。

■経営トップは、半年ごとに経営方針を発表。さらに「社長メール」としてその方向性や日々の雑感を発信している。また、月1回店長会議を開催するほか、毎年1回各店舗を訪問。店長と面談する。

■各店舗では方針の展開、目標の設定、振り返りのために、アルバイトを含む全員を集めて月に1回店舗ミーティングを開く。このとき、80%の出席率があること、店長の発言は10%以下に抑えることがルール化されている。

■料理・サービス・店舗施設のQ(Quality)、S(Service)、C(Cleanness)のチェックのために3つのチェック体制を敷いている。
@毎月1回の現場スタッフ自身のセルフチェック
A外部専門機関による覆面調査(電話予約時の対応、店舗での接客応対、料理の品質や盛り付け)。毎月1回チェックし結果を点数化。順位が発表される。
B外部衛生検査機関によるチェック

取材先 ワン・ダイニング
取材 2014/03/19
掲載 リーダーシップ2014/05
本文 
onedining.pdf へのリンク 
 
↑ワンダイニングの店舗とアルバイトミーティング
 
【120211】 「Iビジョン経営」を展開する   


■清川メッキ工業(福井市)では個人目標をカードに書いて会社方針や部門目標と一緒に「Iビジョンボード」と呼ばれる掲示板に貼って、みんなに見えるようにしている。

■「Iビジョン」の“I”は自分自身の“I”、Industry(企業、産業)の“I”、Imagination(想像)の“I”、Ideaの“I”、あるいはEye(目で見える)などの意味を込めている。要するに「会社や産業、社会のために自分自身が何を目指すかを周りに見えるようにしていく」というねらいである。

■例えば、ある技術の開発が部門目標に掲げられていたとすると、その達成のために「こういったデータを集めます」「○○の資格取得をめざします」といった個人目標が全員に公表される。

■これによって全体の中で1人ひとりの立ち位置が明確になり、職場のリーダーも、部門長も、経営層も現場を訪れ、「Iビジョンボード」の前で1人ひとりの立ち位置を確認しながら、ビジョンを語り、1人ひとりの目標達成のためにアドバイスし、必要な支援を行う。

取材先 清川メッキ工業
取材 2014/12/22
掲載 リーダーシップ2015/02
本文 
kiyokawa.pdf へのリンク 

Iビジョンボード 
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