改善の事典 》 第13章 お客様 》 お客様と商品の接点をつくる | ||||||
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お客様‐1302b お客様と商品の接点をつくる | ||||||
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このページの掲載事例→ | ●1302b01 手を叩いてバラを売る | |||||
●1302b02 工場に入ってナットを置いてくる | ||||||
●1302b03 タクシーの個人契約を増やす | ||||||
●1302b04 海外の旅行会社に直接営業活動をする | ||||||
●1302b05 一流の会社を得意先にする | ||||||
●1302b06 キャッシュディスペンサ- の利用をすすめる | ||||||
●1302b07 ボトルキープをすすめる | ||||||
●1302b08 お客様の案内ミスをなくす | ||||||
●1302b09 デザートだけのメニューをつくる | ||||||
●1302b10 ランチドリンクの出数を増やす | ||||||
●1302b11 電話帳の最初に名前を載せる | ||||||
【1302b01】 手を叩いてバラを売る | ||||||
■しかし、それまで青果店で丁稚奉公をしていた松村さんは、リンゴやバナナやイチゴを売るのと同じやり方で、手を叩きながら「はい、いらっしゃい、いらっしゃい、今日はバラが安いよ!」と通りがかりの奥さんたちに声をかけた。 ■「本当に安いの?」と奥さんたちが近寄ってきて、周囲人たちもつられて花売場に視線を注いだ。売場に一気に活気が生まれた。 ■松村さんが担当した花売場はそのようにして人々の関心を集め、他店の何倍も売り上げた。それが松村さんがその後自分の店を持つきっかけになったという。
取材先 ジャパンフラワーコーポレーション |
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【1302b02】 工場に入ってナットを置いてくる | ||||||
■ハードロックナットの前身「Uナット」を開発した若林克彦さんは、それを売り込むために省力機器メーカーを訪ね歩いた。1960年代のことである。当時の工場は誰でも簡単に入れた。 ■数百個入りの箱を持って勝手に現場に入って、作業者に「このナットは絶対に緩みません。使うてみてください」と声をかけて置いて帰った。 ■2週間ほどたって行ってみると「あれは便利や。全部使うてしもた。ところで、上の許可を得てるんやろうな」と作業者が聞いた。「いや、実は許可は得ていません」そう答えると、相手は慌てた。しかし、Uナットを取り付けたローラーコンベアは既に大手電機メーカーに出荷されていた。 ■それが最初の販売実績になった。半ば強引に実績をつくり、その実績をアピールして回ることで、他の省力機器メーカーにも入り込むことができたという。 取材先 ハードロック工業 |
各種ハードロックナット |
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【1302b03】 タクシーの個人契約を増やす | ||||||
■タクシーのお客様には、駅のタクシー乗り場で乗る人、街で手を挙げて乗る人、電話で配車を依頼してくる人の3通りがある。タクシー会社にとっては、電話をかけてきて貰うのが、お客様を待つ時間のロスが最も少ない。しかし、中央タクシーが創業した当初、電話をかけてくるお客様はほとんどなく、宇都宮恒久社長は繁華街のクラブ、キャバレーに営業に歩いた。 ■「ウチは別の会社と契約しているから…」とほとんどの店から断られたが、そこで働く女性の中に個人で契約してくれる人があった。さらに、中央タクシーには「乗せてやるよ」というスタンスがまるでなかったために、契約してくれる個人客は少しずつ増えた。 ■たとえば、アパートの住人から予約が入った時、他社のタクシーはアパートの下でクラクションを鳴らしたが、中央タクシーの乗務員は車を降り、玄関口でチャイムを鳴らし、「お迎えに参りました」と声をかけた。一方通行で車を停められないところでは、「今から一方通行の道にゆっくり入ります。目の前まで来たら合図して止めてください」と連絡を入れた。出会えなかったらぐるっと回って出会えるまでそれを繰り返した。 ■かなりの距離を走らせて迎えに行き、お客様が指定する行き先がすぐ近くだったとき、他社の乗務員は「ちぇっ」と舌打ちしたが、宇都宮さんは乗務員に「お客様が先、利益は後」と教えた。目の前の仕事の損得にいちいち喜んだり腹を立てたりするのではなく、まずはお客様に満足を提供せよというのである。そのようにして会社の評判が高まり、中央タクシーの本社の電話が鳴るようになった。現在では電話によるお客様が9割を超えている。 取材先 中央タクシー |
中央タクシーの車両と配送センター |
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【1302b04】 海外の旅行会社に直接営業活動をする | ||||||
■そこで、道頓堀ホテルの責任者、橋本民元専務は、中国・台湾・香港・韓国などの海外の旅行代店に毎月直接営業活動に回り、その会社のパンフレットやホームページに道頓堀ホテルを入れてもらい、掲載順位を少しでも上の方に上げてもらうよう頼んで回っている。 ■これによって、宿泊室稼働率は90%を超え、「この日、空いていますか?」ではなく「空いている日、ありますか?」という問い合わせが増えているという。 取材先 王宮・道頓堀ホテル |
道頓堀ホテル正面 |
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【1302b05】 一流の会社を得意先にする | ||||||
■太陽パーツ社長の城岡暘志さんは、何軒かの家庭用日用品のメーカーのために金属部品を作ってきたが、そのうちの1軒から取込詐欺に合い、1年分の代金1億円を回収できなくなった。1年半に及ぶ裁判の末、回収できたのは6割に過ぎなかった。 ■三流の会社と取引するからこんなことになる。一流になりたかったら一流の会社と取引するしかないと城岡さんは考えた。そこで、伝手を頼って大手電機メーカーM社に、月10万円でいいから仕事をさせてほしいと頼み込んだ。最初は相手にしてもらえなかったが、何度も足を運ぶうちに先方もその熱心さに根負けして、ついにテレビ部品の小さなピンを作る仕事をやらせてもらえるようになった。 ■城岡さんは会社を法人化し、会社案内カタログを作り、取引先として大手電機メーカーM社の名前を書き入れ、それを持って上場企業1軒1軒を回って営業した。「取引先がM社?…ウソやろ?」と行く先々で言われたが、「いや、本当です。調べてもらって結構です」と言い張り、「案外本当かもしれない、この男はすごい実力の持ち主かもしれない」と思ってくれた何社かの上場企業から、部品加工を見積もらせてもらうことができた。その見積額がどこよりも安く、加工も間違いないものだったから、注文は次第に伸びていった。 取材先 太陽パーツ |
パナソニックと共同開発したシステムキッチン |
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【1302b06】 キャッシュディスペンサーの利用をすすめる | ||||||
■相互銀行支店の小集団活動事例。預金口座の伸び率に比べてCD(キャッシュディスペンサー、現金自動支払機)の利用伸び率が少なかった。そこで、次の方法で、CD利用率の向上を図った。 @CD利用を呼びかけるポスターを作り、壁やライティングテーブルに貼った。 ACDコーナーにノベルティのティッシュを備え、待っている人のために椅子を設置し、灰皿を置いた。 B窓口担当者が当番でお客様をCDやATM(現金自動入出金機)へ誘導し、使い方を説明した。 Cお客様の立場に立ったセールストークをするために、窓口で「たまには窓口にもいらしてくださいね」と一言添えるようにした。 D外交員が預かった通帳に中にCD未セットのものがあれば「CD未セットです。よろしく」と書いたメモとCD申込書をはさんで、外交員に返すようにした。 取材先 呉相互銀行 取材 1987 掲載先 THINK Up 1987-03 |
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【1302b07】 ボトルキープをすすめる | ||||||
ホテル直営割烹店の小集団活動事例。飲料売上が低下してきた。そこで、次のような方法で「ボトルキープおすすめ作戦」を展開した。 @飲み物のオーダーを受けるとき、ボトルキープをお勧めする。 Aグループのお客様にはボトルの方が安くなることを説明する。 Bボトルが空いたら必ずニューボトルをセールスする。 C期限切れは事前に手紙でお知らせする。 Dキープのお客様には忙しくても作って差し上げ、コミュニケーションを図る。 取材先 神戸ワシントンホテル 取材 1987/09/01 掲載先 Think Up 1987-1 |
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【1302b08】 お客様の案内ミスをなくす | ||||||
■和食チェーン店のQCサークル活動事例。お客様が店先に来られているのに、ホール担当が気づかず、入店を見逃す案内ミスがしばしば発生していた。 ■そこで、次のようにルール化した。 @ホール担当者は入店しようとしているお客様に常に気を配り「いらっしゃいませ。こちらへご案内します」と声をかける Aホール担当者が他の仕事に手をとられているときは厨房担当者が声をかける。 B1〜2名のお客様にはカウンター席を、3人以上のグループのお客様にはテーブルを優先的にご案内する。 C料理の注文を聞くときは、どんな料理か、量はどれくらいかを説明する。 D空いているジョッキやグラスを下げるときは「お代りはよろしいですか?」と一声かける。 取材先 グルメ杵屋 取材 1999/10/05 掲載先 燃えよリーダー1999/11 |
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【1302b09】 デザートだけのメニューをつくる | ||||||
[改善前] お客様が席に着かれた時にメニューをお持ちし、食後にデザートが欲しいと言われるお客様にはもう一度メニューを持って行っていた。 [改善後] デザートだけのちいさなメニューをつくり、真ん中を開いてテーブルに立てておくことにした。食後にデザートを注文していただきやすくなった。 取材先 サト守口寺方店 取材 1989/07/03 掲載先 改善アイデア開発ポイント集 |
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【1302b10】 ランチドリンクの出数を増やす | ||||||
■ランチを注文されたお客様に通常300円のドリンク(コーヒー、紅茶、ジュース)を100円で提供していたが、食後にドリンクを注文されるお客様は半数以下だった。そこで、次のような改善を行ない、食後にドリンクを注文するお客様を3分の2まで増やした。 @オーダー時に「ランチをご注文のお客様にはドリンクが100円になっていますが、いかがですか?」と必ずセールスすることにした。 A「後で考える」と言われたお客様には伝票に赤ペンでチェックの印をつけ、食事が終わるころを見計らって「ドリンクはどうなさいますか?」と伺うことにした。 B食後にゆっくりとドリンクを楽しんでいただけるよう、料理の提供を早くし、そのために料理の出来上がりと同時に、トレイ、食器、漬物、サラダ、スープ等を揃えて出せるよう、事前の段取り(同時同卓)を徹底した。 Cドリンクの置き場所に困らないよう食べ終わった食器はすぐに引くようにした。 D最も良いタイミングで、ドリンクを出すために… ・アフタードリンク担当者を決めて、すぐに出せるようにソーサー、カップ、スプーンを準備しておくことにした。 ・団体のお客様にホットコーヒーをお出しする場合は2人で連携プレイすることにした。 取材先 シャロンインターナショナル 取材 1999/10/10 掲載 燃えよリーダー 1999-11 |
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【1302b11】 電話帳の最初に名前を載せる | ||||||
■もっとお客様を増やすにはどうしたらよいか。2人で考えているうちに思い浮かんだのが、「アート引越センター」という名前だった。これなら50音順に並んでいる電話帳の真っ先に乗せてもらえる。 ■さらに、創業の地、大阪で「0123」という覚えやすい電話番号を手に入れた。それがきっかけとなって周辺地域に支店を出したときは「0123」の番号を権利者から譲ってもらい、それをPRした。これによって、お客様からの注文の電話がどんどん入ってくるようになった。 取材 アート引越センター 2023/04/05 |
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