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ネット版 改善改革探訪記 №246 BACK  

織機の発明に生涯をかけたトヨタグループの創始者ut

 豊田佐吉翁事績探訪記


豊田佐吉(1867-1930)は、18歳で発明を志し、母の機織りを見てその改良を生涯のテーマとした。父が勧める大工修業もそこそこに、自室にこもって研究を続け、23歳で「豊田式木製人力織機」を発明した。

この織機で布を織りながら、動力織機の開発をめざしたが、開発には膨大な時間とお金が必要で、結婚した新妻がその生活に耐えられず、長男、喜一郎を産み落とすとすぐに実家に戻ってしまったほどだった。

29歳の時、動力(蒸気機関)で織る「豊田式汽力織機」を開発。これにより1人で同時に4台が動かせるようになった。その後佐吉は、三井物産の支援で新たに会社を興し、その会社に技師として雇われながら、織機の改良をめざした。

しかし、不景気で織機が売れなくなって退職。その後に発明した「38年式織機」が好評だったために、再び三井物産から織機製造会社の設立を提案され、佐吉は再びそれを受け入れて豊田式織機(株)が設立された。しかし、発明を第一と考える佐吉と、営利を第一と考える会社トップが再び対立。辞職を勧告され、佐吉はすべての施設も特許の権利もこの会社に譲り渡したまま辞任し、何もかもを失った。

失意の佐吉は、そのまま向こうで過ごすつもりで米国に渡たった。向こうでは街を縦横に走る自動車に驚き、日本にもやがて自動車の時代が来ることを確信した。しかし、肝心の織機については、自分の頭の中で思い描いているものの方がレベルが上だと確信。米国永住を思いなおして帰国し、協力者から資金を募って紡績と織布の会社、豊田紡織(株)を立ち上げた。

豊田紡織の収益を発明に注ぎ込んで1924年に完成させたのが「G型自動織機」である。1人で同時に3050台を動かせる究極の織機で、世界的繊維機械メーカーであるプラット社との間で、ヨーロッパ、カナダ、インドでの特許権を100万円で譲渡する契約を締結。この100万円が佐吉の子、喜一郎がトヨタ自動車を立ち上げるための資金になったといわれる。

●本文 → toyoda-sakichi.pdf

●トヨタ産業技術記念館のURL → http://www.tcmit.org

●掲載先 → リーダーシップ 2022年1月号
(発行元・日本監督士協会のURL:
http://www.kantokushi.or.jp/


G型自動織機。写真クリックで本文表示


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