仕事の事典  》 改善改革探訪記  》  205 
 
TOP 編集のねらい 5S 安全 品質 作業 治工具 設備 省力 環境 コスト 事務 IT化 組織 お客様 社会 地域 探訪記 総目次 索引
 
ネット版 改善改革探訪記 bQ06 BACK  

海外製品しのぐ低コストで浴衣帯市場を制した会社

 小杉織物探訪記


小杉織物(福井県坂井市)は浴衣帯の9割のシェアを持つ会社である。日本人の生活から着物が消えていき、帯の機屋の仕事が減っていく中で、小杉秀則社長は20歳で会社を引き継いだ。

アメリカにファッションベルトを輸出して業績をV字回復。そのとき蓄積した和洋折衷のデザインで、1990年代の大正ロマンブームによる浴衣商戦を有利に展開した。

浴衣帯の多くは、やがて中国で織られるようになったが、それでは仕事のほとんどを中国に譲り渡してしまうことになると、小杉さんは国内生産にこだわり続けた。

英会話の特訓を受けて台湾に渡り、製糸メーカーと折衝し、仕入れロットを100倍近く引き上げ、糸のコストを大幅に引き下げ。さらに台湾の機械メーカーと共同で帯専用高速織機の開発をめざし、当初予定の5倍の開発費を投入。その織機を24時間365日無人稼動させ、中国製品に引けをとらない低コストの浴衣帯生産を実現した。さらに国内衣料品販売最大手が浴衣販売進出を決めたとき、どこにも負けない浴衣帯生産体制を背景に、他社に決まりかけていた浴衣帯の受注を自社に導いた。

「綿密に計画を立て、リスクを最小限に抑えて前に進むのが常道でしょう。しかし、それだけでは今日はなかった。時には自分の力で無理にでもチャンスを押し広げてきた。当社の今日あるのは、そのお蔭です」小杉さんのことばである。

●本文 →  kosugiorimono-2.pdf
●小杉織物のURL → https://kosugi-orimono.co.jp/
●掲載先 → リーダーシップ 2018年8月号
発行元・日本監督士協会のURL: http://www.kantokushi.or.jp/ )


ショールームの浴衣帯 写真クリックで本文表示 。


「仕事の事典」の関連記事

●1本の帯を売ろうとして商売の厳しさを知る→
http://www.souisha.com/jirei14/1402c.html#01


●浴衣帯のコストダウンを図るhttp://www.souisha.com/jirei09/0906.html#06

●チャンスをこじあける→http://www.souisha.com/jirei13/1301b.html#12