仕事の事典 》 改善改革探訪記 》 132 | ||
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ネット版 改善改革探訪記 132 | ||
緩まないナットが世界から認められるまでの長い道のり | ||
ハードロック工業探訪記 | ||
■「ハードロックナット」というナットがある。2個のナットのうち、上側は下向きの凹型、下側は上向きの凸型になっていて、凹凸部にはいずれも傾斜がついている。そして、下側の凸型ナットは穴の中心をずらして偏心させてある。凸型ナットを締め、次いで凹型ナットを締めて、凸部と凹部がかみ合い始めると、穴の中心がずれているために2つのナットは互いに相手をボルト軸に押し付け合う。これにより緩みが出ない。 ■緩まないから点検したり締め直す手間がいらない。そのことによる省力効果が認められ、現在は国内外の新幹線、明石海峡大橋、東京スカイツリーなどで使われている。 ■このナットを発明したハーロック工業(東大阪市)の若林克彦社長は、当初「Uナット」という緩まないナットを発明し、その製造販売で事業を軌道に乗せた。しかし、衝撃の激しい建築機械に使われた時、緩まないはずの「Uナット」に緩みが出て、事故の賠償を求められ、改めてアイデアを練り直して「ハードロックナット」を完成させた。 ■しかし、なかなか軌道に乗らなかった。玉子焼き器やトイレットペーパーホルダーなどの製造販売の副業で経営を支えながら、分割民営化したJRの新幹線で採用されるまでに「ハードロックナット」開発から13年、「Uナット」の開発から26年を経ている。
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ハードロックナットの構造。画像クリックで本文表示。 |
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「仕事の事典」の関連事例 ●工場に入ってナットを置いてくる→http://www.souisha.com/jirei13/1302b.html#02 ●緩まないナットを開発する→http://www.souisha.com/jirei13/1311b.html#05 |