絵で見る創意くふう事典  》 第13章 顧客指向  》 Hお客様本位で考える
 
 TOP 編集のねらい 5S 安全 品質 作業 治工具 設備 省力 環境 コスト 事務 IT化 組織 顧客 地域 探訪記 解説 総目次 索引
 
顧客指向‐1309 Hお客様本位で考える BACKNEXT

もしも目の前のお客様のほかに、いくらでも無尽蔵にお客様がいるのなら、自社の商品にはっきりとした関心を示してくれるお客様にターゲットを絞って営業活動をした方が効率がよいということになります。買ってくれるかくれないかわからないお客様にいつまでも付き合うのは非効率です。しかし、お客様の数が限られていて、それを多くの競争者が奪い合う状況であれば、話は違ってきます。お客様を値踏みして、自分たちに都合の良いお客様だけをより分けようとすると、その意図は自然とお客様に伝わり、お客様はその店を敬遠するようになるでしょう。お客様が安心して行ける店は、いつでも自分を受け入れてくれ、お客様本位で対応し、要望に沿おうとしてくれる店です。そういう信頼を築くことに成功した店だけが、自店のファンを持つことができます。

 このページの掲載事例→             ●130901 「知りません」と言わない  
 ●130902 お客様の都合を優先させる
 ●130903 いつものお客様を大切にする  
 
【130901】 「知りません」と言わない  

装粧品卸売店の事例。

■商品の素材や特徴、メーカーについて、あるいは自社の仕入れ体制など、お客様から何かを尋ねられたとき「わかりません」「知りません」と答えてしまうと、お客様との関係はそこで切れてしまう。

■たとえ自分で答えられなくても、答えられる担当者に代わって対応してもらったり、あるいは、連絡先を聞いて、後で調べて連絡するなどの方法で、可能な限り関係をつながねばならない。

■そこで新入社員やパートまで含めて「知りませんとはいわないキャンペーン」を展開した。

 

   
 
【130902】 お客様の都合を優先させる   

磁石販売業というのは入手ルートが一般にはオープンになっておらず新規参入が難しいため「売ってやる」という殿様商売がまかり通っていた。

■ハウス営業から磁石専門商社のトップに転身した二六製作所の八田明彦社長は、そこにお客様1人ひとりを大切にする次のような営業スタイルを作り上げて、業績を伸ばした。

@自分たちの都合よりも、お客様の都合を優先させる。そのため、電話やメールによる顧客からの問い合わせにはすぐに返事する。調べるのに時間がかかる場合は、途中で進捗状況を伝える。

Aお客様から要望された商品がなかったら、可能な限り取り寄せ、次回からそれを品揃えに加える。

 

B夕方五時までに入った注文は、その日のうちに発送する。当初は翌日発送になること多かったが、受注管理と請求書の作成、梱包作業の合理化をすすめ、まず午後二時までの受注分を当日発送する体制をつくり、次いで、午後五時までに入ってきた注文は、すべて当日発送できるようにした。

C送料と代引手数料は二六製作所が負担する。いちばん安いものでは一個二十九円というフェライト磁石があるが、その場合でも送料と代引手数料を無料にした。当初は遠隔地については送料を負担してもらっていたが、すべてのお客様を公平に扱っているというイメージこそ大切だと考え、そのように改めた。

   
D磁石を発送するとき、プチプチ(気泡緩衝材)にくるみ、セロテープで止める。それを開梱するときテープの端が見つけにくく、剥がすのが大変だった。そこで“THANKYOU”と印刷されたテープを使い、その端を必ず折り返しておくことをルール化した。

参考記事→探訪記160 niroku.pdf へのリンク
   
 
【130903】 いつものお客様を大切にする  
■1998年、長野で冬季オリンピックが開催されたとき、スポーツとメディアの関係者が市内各所の競技会場を行き来するために、タクシーを割高料金で借上げ予約した。タクシー会社はオリンピック特需に沸いた。

■中央タクシーのタクシーも1カ月前には予約で完売したが、そのときある乗務員が言った。「でも、市民の足がなくなっちゃいますよね。ウチの車で病院に通っているおばあちゃん、どうするんでしょうか。私たちはやっぱりいつものおばあちゃんのところに行くべきじゃないでしょうか」

■それを聞いて当時の宇都宮恒久社長は、オリンピック特需をキャンセルし、市民の足に徹することを決めた。

■オリンピック後、他社の業績が急速に落ち込んだのに対して、同社はお客様を大切にする会社としての評判を高め、市内タクシー会社のトップに躍進した。


参考記事→探訪記126
chuotaxi.pdf へのリンク


   
 ▲ページトップへ