絵で見る創意くふう事典  》 第13章 顧客指向  》 G既存のお客様との関係を強化する
 
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顧客指向‐1308 G既存のお客様との関係を強化する  BACK 
 このページの掲載事例→                   ●130801 お礼状ハガキを書く  
 ●130802 手紙を交換する  
 ●130803 お客様の名前を覚える  
 ●130804 お客様情報を登録、お客様を名前で呼ぶ  
 ●130805 イベントにお客様を招待する  
 ●130806 ショールームにお勧めの本を置く
 ●130807 遠隔地ゴルフ場のリピートのお客様を増やす
 ●130808 バッグの品質を永久保証する
 ●130809 お客様を工場見学会に招待する
 ●130810 自分よりも相手のために徹する
 
【130801】 お礼状ハガキを書く  

■クリーンサービス事業者の兜髄野では、次の場合にお礼状ハガキを書いて送ることをルール化している。
・お客様を訪問した時「お時間をとっていただき、ありがとうございました」
・契約が終了した時「ご利用いただき、ありがとうございました」
・契約終了から3カ月、6カ月、1年を経過したとき「また、機会がありましたらお声をかけてください」

■これを徹底するために、出したお礼状の枚数を評価要素に加えている。また、お客様からお礼の手紙をいただいたときは、優秀社員表彰の審査において1件について10ポイントの評価を与えることにしている。

取材先 武蔵野(
tanbouki 0-1
取材 2002/09/13
掲載 燃えよリーダー2002/11
本文 musashino.pdf へのリンク
  
 
 
【130802】 手紙を交換する   

■婦人用バッグ製造販売業、吉田オリジナルのバッグのお手入れ会や工場見学会を通じてお客様との間で交流の機会をつくっているが、それを契機にして、折に触れて手紙をくださるお客様が少なくない。応接室の書棚にはそうしたお客様からの手紙がきちんとファイルして保管されている。その中に、1人でファイル14冊分の手紙を下さった人がいる。ご主人を亡くされ、子どもを亡くされ、自分は病に冒されながら、元気だったころ、バッグを購入した時の喜びが書きつづられている。バッグを通じて知り合った吉田茂社長との手紙の交流が、晩年の生き甲斐だったようだ。

■吉田茂社長をはじめ、会社からお客様に出す手紙は90万通。革の買い付けのために、毎年2回ヨーロッパに出かけるときは2万人分の絵葉書を持参し、現地で切手を貼って投函するという。

取材先 吉田オリジナル(anbouki 0-2
取材 200/09/21
掲載 燃えよリーダー2002/11
本文 yoshida-original.pdf へのリンク
 

 
 
【130803】 お客様の名前を覚える  

■寿司と和食のチェーン店、音羽の行動指針「お客様の喜びを自らの喜びとする」を実践するために、池田総本店では「お客様の名前を覚える」というテーマで次の様なQCサークル活動を行った。

@予約台帳、伝票、カード支払い時のサイン、領収書、アンケート、ポイントカード、ボトルキープ時のカードなどから、お客様の名前を知った。
A全員がハンディカードを持って、年代、体型、ヘアスタイル、芸能人に例えるなら…、等の特徴を書きこんで覚えた。
 
B生簀の魚を子どもさんに網ですくってもらい、競りにかけるというイベントを開催した。競り落としたお客さまにはその場で調理してお出しし、売上は福祉施設に寄付することにした。このとき撮影した写真をアルバムに貼って全員で顔と名前を覚えた。お客さまには次回ご来店時にお渡しした。
 
Cその後、お客様に声をかけるときは意識的にお名前で呼ぶようにした。
D商品説明はしっかり行い、お客さまと言葉を交わす時間が多くなるようにした。
E客席を色分けして担当を決め、1人が最後まで責任をもって担当するようにした。
F会計時レジ係はポイントカードでお客様の名前を確認し、名前で呼んでお礼を伝えるようにした。
G接客係は毎月1回覚えているお客様の名前を書き出し、確認するようにしている。
■これにより、店長以下12人が覚えているお客様の名前は3カ月で183人から471人にまで向上した。

取材先 音羽
茶屋池田総本店
取材 1999/09/23
掲載 燃えよリーダー1999/11 
 
【130804】 お客様情報を登録、お客様を名前で呼ぶ  

■自動車ディーラー、ネッツトヨタ南国の事例。営業マンが担当するお客様を名前で呼ぶのは当たり前だが、それを一歩進めて、お客様に接する全員が名前で呼べるようにする工夫を考えた。

■会社に来られるお客様の車のナンバーをすべてコンピューターに登録しておき、お客様の車が見えるとすぐに端末から検索して、名前とその他必要な情報を関係者にトランシーバーで知らせる。

■これにより、ショールーム内の担当者が営業担当と同じレベルで「○○様、ようこそお越しくださいました」「タバコは吸われませんでしたね」と禁煙コーナーに案内したり、「いつものブラックコーヒーでよろしいですか」などと応対することができ、他所とは違うというサプライズを演出できるようになった。

取材先 ネッツトヨタ南国(tanbouki 001
取材 2005/11/08
掲載 ポジティブ2006/01
本文 netznangoku.pdf へのリンク 
 

 
 
【130805】 イベントにお客様を招待する  

■ネッツトヨタ南国の事例。お客様との関係を深めるために、年に数回カーオリエンテーリングを企画し、お客様を招待している。

■車で郊外に出かけ、1日自然の中で楽しむという内容で、例えば150人のお客様と田舎の廃校になった小学校に行き、工作教室を開いて竹トンボを作ったり、川でアメゴを釣り、田舎の食材を集めて料理を作ったり、クイズ大会を開いたりして楽しんだ。

■お客様には数千円の参加費を負担していただくが、毎回企画を発表したその日のうちに定員に達してしまうほどの人気である。

■企画運営は営業担当のほか、サービス担当、支援担当などのスタッフも参画する。お客様をもてなすことでより親しくなり、会社とお客様との結び付きを強めている。

取材先 ネッツトヨタ南国(tanbouki 001
取材 2005/11/08
掲載 ポジティブ2006/01
本文 netznangoku.pdf へのリンク

 
 
【130806】 ショールームにお勧めの本を置く  


■ネッツトヨタ南国の事例。ショールームでお待ちのお客様のために図書や雑誌を置いている。その中に「マンガを置いてほしい」という要望があり、要望された通りマンガを置くべきか、お客様に感じてもらいたいショールームの雰囲気はどういうものか…を、ショールームスタッフが議論した。その結果、お客様にとって面白そうな、楽しそうな本を選んで、お勧めしようということになった。

■いまショールームスタッフはお勧めの本を並べ、そのコメントを紙に書いて壁に貼っており、時には、お待ちになっているお客様のもとまで持っていって「ご覧になりませんか」とお勧めしている。

取材先 ネッツトヨタ南国(tanbouki 001
取材 2005/11/08
掲載 ポジティブ2006/01
本文 netznangoku.pdf へのリンク  

 
 
【130807】 遠隔地ゴルフ場のリピートのお客様を増やす  


千葉夷隅ゴルフクラブ(千葉県夷隅郡大多喜町)は都心から車で90分の遠隔地にある。そこで、立地条件のハンディをカバーするために、一度来られたお客様に2度、3度くりかえし足を運んでもらうための戦略を立てた。

@機能的サービスの明確化と徹底。お客様のご予約、ご来場〜お帰りになるまでの24の場面について誰が何をするかをマニュアル化し、全員に徹底した。

A機能的サービスの上に心のサービスを付け加えるために、どうしたらお客様に喜んでいただけるかを小集団活動を通じてみんなで考えた。例えば、二日酔いのお客様に胃薬をお出しする…などマニュアルにはない、その場その場の心遣いをくふうした。

Bアンケートや従業員が見聞きしたお客様情報をコンピュータに蓄積。例えば、氏名、ゴルフ歴、プレイするときの癖やこだわりなど、いつでもどこでもコンピュータ画面で確認できるようにし、個々のお客様に応じた心配りができるようにした。
 
取材先 ネッツトヨタ南国(tanbouki 001
取材 2005/11/08
掲載 ポジティブ2006/01
本文 netznangoku.pdf へのリンク

 
 
【130808】バッグの品質を永久保証する    

婦人用バッグ製造販売業、吉田オリジナルの事例。革のバッグの品質は購入時が70%で、その後使えば使うほど風合いが増して100%に近づく。そこで、同社は、バーゲンは行わず、永久に修理を保証している。
■販売した商品のアフターケアのために、全国で「お手入れ会」を開催。そこでは革にワックスを塗り、すりきれた部分を補修する。そのほか、有償で手紐や裏地の交換を行っている。
■この会を通じて自社の商品をどこまでも大切にする同社の姿勢に、多くのお客様が共感し、次々とファンが増えている。

取材先 吉田オリジナル(anbouki 0-2
取材 200/09/21
掲載 燃えよリーダー2002/11
本文 yoshida-original.pdf へのリンク
 
 
【130809】お客様を工場見学会に招待する  


■婦人用バッグ製造販売業、吉田オリジナルでは、ハンドバッグがどのようにつくられるのか、そのことをお客様に目で確かめていただき、理解を深め、長くバッグを使っていただくために、年30回の工場見学会を開催している。
@この日は全社を挙げてお客様をおもてなしする。社員にとってはお客様の生の声に触れるよい機会であり、お客様には繰り返し参加することで、ますますファンになっていただく。
A工場見学の午後の部では、社員がモデルになって新作バッグのモードショーを開催する。

取材先 吉田オリジナル(anbouki 0-2
取材 200/09/21
掲載 燃えよリーダー2002/11
本文 yoshida-original.pdf へのリンク


 
 
【130810】自分よりも相手のために徹する  


■歯科技工士に代わって歯科医院への営業活動を引き受けている叶ャ田デンタルの石川典男社長は、歯科医療機械の営業マンの出身で、先輩営業マンとともに会社を起こした。当初は先輩が社長だったが、事業がうまく回らず、高利貸から多額の借金をして姿をくらませた。石川さんは社長職を引き受け、何年もかけて借金を返済し、会社を軌道に乗せた。

■借金返済の目途が立たず、途方にくれていたとき、救いの手を差し伸べてくれた大手歯科技工所があった。「この会社は一旦つぶした方がいい。あなたが新しい会社をつくるのなら、応援する」と言ってくれたが、石川さんは何度も考え直してこう答えたという。「2人で会社を立ち上げたのだから、責任の半分は私にあります。会社をつぶして新たに立ち上げるというのは、その責任から逃げることです。ここで逃げれば、同じような困難にぶつかったとき、私はまた逃げてしまうと思うのです」

■結局、この大手歯科技工所が成田デンタルの株を半分引き受けてくれることになり、石川さんらが営業して受注した仕事の多くを同技工所が引き受けてくれた。さらに技工物の仕入れ代金の支払いを猶予してくれたことで、同社は4年間ですべての借金を返済。それまで滞りがちだった他の技工士たちへの支払も期日通りにできるようになった。

その間、石川社長は、先代社長がなぜ自滅したのかを考え続け、「自分よりも相手のため」という気持ちが不足していたと気づいたという。創業当初、2人は会社を大きくしたい一心だった。大きくして沢山の給料を取って、地位も名誉も手に入れたかった。自分のためだけに働いている人の周りから、人は離れていくと言うことに気付かなかった。「自分よりも相手のため」を貫いてこそ、相手はこちらを信用する。先輩についていき、目の前でその先輩がつまづいて倒れるのを見て初めて、そのことに気づいたと石川さんはいう。

■現在、会社の株は大手歯科技工所が50%、15%を石川さんが、残りを従業員持ち株会が持っている。「自分はオーナーではない」と石川さんはいう。だから、いつ辞めさせられても構わないという覚悟があり、それが石川さんの仕事の緊張感と将来への洞察力を生んでいる。

■会社は従業員のものであり、従業員の生活を良くすることが会社の第一の存在意義だと石川さんは考えている。従業員の生活を良くするためにはお客様によくなって貰わねばならず、それが、業界と社会全体を良くすることにつながる。従業員の生活を安定させないで社会貢献を言っても始まらない、と石川さんはいう。

取材先 成田デンタル(tanbouki 060
取材 2008/01/21
掲載 ポジティブ08/03 
本文 naritadental.pdf へのリンク

 
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