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子どもたちにおいしさと楽しさを提供し続けた江崎グリコの創業者ut

 江崎利一翁事績探訪記


江崎利一翁(1882-1980)は、父の後を継いで自分で漢方薬を作り、それを行商して歩いていた。子供の頃から勉強熱心で、商いの傍ら、薬業や販売、宣伝、広告、お客の心理に関する本もたくさん読んでいたという。

あるとき有明海に近い河原で漁師たちが牡蠣を茹でているのを見て、その煮汁には栄養素、グリコーゲンが含まれているという新聞の記事を思い出した。煮汁を分けてもらって大学の研究室で分析してもらうと、案の定、多量のグリコーゲンが含まれている。このとき、育ち盛りの子供たちのために、グリコーゲンの入ったキャラメル「グリコ」をつくろうというアイデアが閃いたという。

「グリコ」という商品名も、製造方法も、パッケージデザインも、広告宣伝の方法まですべて自分で工夫した。しかし、キャラメルと言えば、森永、明治と決まっていて、グリコは当初まるで売れなかった。大阪の三越に頼み込んで置いてもらい、少しは売れるようになったが、返品が相次ぎ、苦しい時代が続いた。

そこで、販売促進に工夫を凝らした。水飴、ミルク、チョコなど新しい味のグリコを開発/風味袋という試供品を作って婦人会で無料配布/子供の好きな絵をグリコの箱に入れる/割引券付きチラシを駅のターミナルで配布/5銭入れてグリコを1つとってもらう無人の「公徳販売機」を浜寺海水浴場に設置…。

オマケの絵カードはその後、小さな玩具のオマケに変えた。「子供には2つの天職がある。食べることと遊ぶことの2つだ」と利一が言った通り、人形、車、船、ブローチ、指輪…などの小さなおもちゃはやがて子どもたちの心を捉え、グリコはやがて菓子メーカーとして不動の地位を築いた。

●本文 → ezaki-riichi.pdf へのリンク

●取材先:江崎グリコ・江崎記念館

●掲載先 → リーダーシップ 2022年8月号
(発行元・日本監督士協会のURL:http://www.kantokushi.or.jp/


グリコのオマケ。写真クリックで本文表示


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