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ネット版 改善改革探訪記 №232
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人びとの生活向上をめざし、流通革命を推進した企業家ut

 中内功記念館探訪記


スーパーマーケット、ダイエーの創業者、中内功(1922-2005)は、出征して、フィリピンでの米軍との戦闘で瀕死の重傷を負い、その痛みと飢えにさいなまれながら逃避行を続けた。そのときの体験から、食べ物への執念と悲惨な戦争を遂行させた精神主義への反発が骨の髄までしみ込み、日々の生活必需品が安心して買える社会をつくることを戦死した人々に誓ったという。

戦後になって、家業の薬局で、医療機関から放出された薬、うがい薬、洗顔液、ビタミン剤などを販売した。「お菓子や食料品があったら、毎日でも買い物にくる」というお客さんの声がきっかけとなって、化粧品、食料品、さらには日用品や電気製品まで売るようになった。果物は産地まで足を運んで仕入れ、牛肉は生きた牛を屠場まで連れて行って枝肉に加工したという。

アメリカのスーパーマーケット25周年記念式典(1962)に参加してから、さらに意識的に流通革命を推進。商品センターを通じて一括仕入れし、チェーン店に配送する形を確立。店舗業務の標準化を図り、各地にチェーン店を出店して安売り体制をつくりあげ、1972年には三越百貨店を抜いて小売業第1位となった。

松下電機のテレビや花王の衣料用洗剤を大幅値引きして販売し、両社から製品の出荷停止に会ったが、他メーカーと提携して格安のプライベートブランド製品を販売。長くメーカーが握っていた価格決定権を流通事業者が握るきっかけをつくった。また、経団連の広報委員長や副会長を務めるなど、メーカー中心だった財界での流通事業者の発言権も高めた。

戦後の流通革命を推進した中内の事績を、流通科学大学の中内功記念館担当・辻田勝治さんから伺った。

●本文 → nakauchi.pdf
●中内功記念館のURL → https://hall.nakauchi.com/
●掲載先 → リーダーシップ2020年10月号
 (発行元・日本監督士協会のURL  http://www.kantokushi.or.jp/


主婦の店ダイエー千林1号店の看板。写真クリックで本文表示


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