■高品位ナットメーカーの西精工(徳島市)の朝礼は日本一といわれる。毎朝たっぷり1時間をかけ、経営理念をさらに深めるために自分たちは何をなすべきかについてみんなで意見交換しているからだ。
■16年前、この会社はばらばらだった。それをひとつに結束させるために、社長室長となった西泰宏現社長は、率先して朝早く出社し会社の前を掃除し、出社してくる社員に挨拶することから始めた。
■挨拶と早朝清掃に参加する社員が次第に増えていく中で「ものづくりを通じて人々の豊かな生活と幸福、社会の発展に貢献する」「人づくりを通じてナンバーワン企業をめざす」という経営理念を策定。この経営理念について、西さんは自分の思いをメールで全社員に発信し、社員から感想や反論を求め、それに対して返信した。そのやりとりを全員に見える中で展開し、そのなかから「西精工として大切にしたいこと」を200のフィロソフィーとしてまとめた。
■現在の朝礼はこの200のフィロソフィーを自分たちの職場に当てはめたとき、何が問題か、どのように改善すべきかについて話し合っている。人々の力を結束させる上で理念の共有の大切さを分からせてくれる事例である。
●本文 → nishiseiko.pdf
●西精工の URL → http://www.nishi-seiko.co.jp
●掲載先 → リーダーシップ 2014年4月号
(発行元・日本監督士協会のURL:http://www.kantokushi.or.jp/)
■この記事へのコメント:
継続的に企業が存続できる秘訣は、明確な経営理念の確立が必要だということがよくわかります。個人も「職場でどう働くべきか、家族に対する思いは…」と振り返り、「従業員理念」をしっかり明確化すると、経営者の気持ちを理解でき、働く意義と倍増して職場が楽しくなるでしょうね。単なる経営者の成功理念記事ととらえるだけでなく、自分の従業員理念をこの際明確化するための指導書としてご覧になると、2倍の記事魅力になります。(創知研究所・中野勝征)
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