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平準化の追求が生んだ新しいサービスのかたち

 喜久屋探訪記


東京・埼玉・千葉に130店のクリーニングチェーンを展開する喜久屋は、2003年、「イークローゼット」という新しいクリーニングサービスをスタートさせた。

お客がネット経由で注文すると、集荷キットが送られてきて、その中の説明書の通りに洗濯物を宅配便で送る。そのとき最長6カ月後までの返却希望日を申告する。喜久屋ではその日までにクリーニングし、その後、防虫、防カビ、遮光された保管庫で衣類を維持管理して、指定日に宅急便で返却する。

クリーニング業は春秋の衣替えシーズンが最も多忙で、1週間では土日に集中する。受付の翌日夕方にはお返しするのが基本で、このために春秋の土日に仕事が集中し、残業に次ぐ残業となるのに対して、夏冬の平日は仕事が半分に減り、設備の半分が止まり、昼過ぎにはパートさんたちを帰さねばならなくなる。そこで、納期にゆとりを持たせ、クリーニングスケジュールを組み替えて、仕事の平準化を狙ったものである。

これにより大幅なコストダウンとパートさんたちの安定雇用が可能になった。一方で、このサービスは狭いマンションで収納場所がなくて困っていた都会のお客様にとっては、季節外れの衣類を預かってもらえるという新しい便利さの提案だった。今では対象品目は洋服のほか、和服、布団、ブーツ、スキー、スノーボードなどに広がり、サービスの利用者は47都道府県のすべての地域に広がっている。

●本文 →  kikuya.pdf

喜久屋のURL → https://www.kikuya-cl.co.jp

掲載先 → リーダーシップ 2013年7月号
(発行元・日本監督士協会のURL:http://www.kantokushi.or.jp/



■この記事へのコメント
クリーニング業界のアイデアに感心。この方式で利益を生み出すのにびっくりしました。信念がないとここまでの投資ができないですね。インターネット時代は発想さえあれば、ニュービジネス創出になる好例です。(創知研究所。中野勝征)

衣装の保管場。写真クリックで本文表示。


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