絵で見る創意くふう事典  》 改善改革探訪記  》  086 
 
 TOP 編集のねらい 5S 安全 品質 作業 治工具 設備 省力 環境 コスト 事務 IT化 組織 顧客 地域 探訪記 解説 総目次 索引
 
ネット版 改善改革探訪記 86 BACK NEXT
植物工場によるレタス栽培の提案
 日亜物産探訪記

日亜物産(尼崎市)が作ったレタスが今年の「メイドイン尼崎コンペ」でグランプリを獲得した。日亜鋼業という鉄鋼メーカーの子会社で、工場の有休スペースに人工照明と水耕栽培の植物工場を作り、レタスはそこで栽培されたものである。工場に有休スペースが生まれたとき、34歳の佐藤博文さんは、それを活用した新規事業の企画立案を命じられた。それまで針金の表面処理の技術開発を担当していた人である。

片っ端からインターネットで情報収集し、異業種の展示会やセミナーに参加した。その中で「アグリビジネス(農業関連ビジネス)」に引かれ、農薬も土も使わない完全密閉型の植物工場ならそれまでの工業的手法が活かせるだろうと考えた。すでに工場があり、電気も水もすぐ使える。そして阪神間にはまだ競争相手はいない。ここでレタスを栽培すれば朝収穫したものが昼には店頭に並び、夕食の食卓に出してもらえる。十分な採算性が見込めると提案し、採択された。

露地物レタスが種撒きから収穫までに3〜4カ月かかるのに対して、人工的に最も生育の早い条件を作り出して栽培する植物工場では1.5ヶ月で収穫できる。それを6段積みラックで空間を立体利用するから、面積当たりの生産性は15倍。収穫量は季節や天候に影響されることがない。

価格は1個200円と少し高めだが、農薬も虫も土もついておらず、洗わずそのまま食べられる野菜として評判を確立しつつある。本業の鉄鋼製品が世界不況の影響を受ける中、植物工場の引き合いは増えており、工場増設が検討されているという。


(「ポジティブ」2009年06月号で詳報)→nichiabussan.pdf へのリンク
植物工場の内部