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ネット版 改善改革探訪記 87 BACK NEXT
文化としての農業の復活にかける
 みずほの村市場探訪記

茨城県つくば市に「みずほの村市場」という農産物直売所がある。自然力を生かし丹精こめて育てられた農産物が多くの支持を集めている直売所だ。

代表の長谷川久夫さんは、日本の農業に危機感を感じてきた人である。米価は長く統制され、どんな米も国の決めた価格で供出する時代が続いたため、農業者のプライドも品質意識も育たなかった。近年の農産物価格は流通業者が一方的に決める。100円の野菜の農家の取り分は30円でしかなく、その結果農家の農業収入は高卒初任給程度にしかならず、後継者が減り、日本の農業は存亡の危機に立っている。

長谷川さんはそれを変えようとして、農産物直売所を始め、契約農家から農産物を預かり、農家が決めた価格で販売。売上の15%を販売手数料を「みずほ」に納める仕組みを作った。本物にこだわる野菜作りの名人に契約農家になってもらった。値段は高いが色つやも香も味もしっかり自己主張する野菜が評判となり、契約農家の平均年収は800万円を超えた。

人々はかつて自分で耕し自然の恵みを感じながら物を食べていた。それを他人からお金で買うようになったとき、自然への感謝を忘れ、食べ物は外見をよくし収量を上げるために、農薬や品種改良や遺伝子組換技術を活用し、アレルギーやアトピーをまん延させた。農業は経済活動の対象である以前に文化であり、文化としての農業を復活させることを長谷川さんは使命だと思っている。そのことを気づいてもらうために「みずほ」は農業者と消費者の交流の場をつくり、農業体験を奨励している。


(「ポジティブ」2009年07月号で詳報)→mizuho.pdf へのリンク
みずほの村市場の内部