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ネット版 改善改革探訪記 103 BACK
状況がリーダーシップを促し、イノヴェーションを起こす
万協製薬探訪記

外用医薬品メーカーの万協製薬はもともと神戸にあった会社である。阪神大震災で被災し、工場が倒壊した。茫然自失状態の父に代わって会社を再建しようとした現社長の松浦信男さんに、そのとき従業員は誰もついてきてくれなかったという。

筆舌に尽くしがたい苦労を経験されたようだ。瓦礫に埋まった製造設備がわずかな修理で再び使えたこと、販売会社が残った1年分の在庫を買ってくれたこと、万協製品を自社の名前で製造させてくれた会社との出会いがあったこと…などに助けられ、松浦さんは三重県多気郡で工場を再開した。何人かの元従業員も戻ってきてくれた。

その後、それまで1社だけだった販売先を拡大。薬事法改正で医薬品製造のアウトソーシングが認められるようになったこともあって、他社の製造工程の一部または全部を引き受けることを始めた。その中で他社の様々なノウハウに触れ、それに自社なりの工夫を付け加えて逆提案する機会が増えて開発力が向上。1997年の三重県での工場再開から今日までに売上げが50倍に拡大するという奇跡的な成長を遂げている。

「人間、やればやれるものです」と松浦さんは言う。「役職がリーダーシップを生むのではない。リーダーシップを発揮せざるを得ない状況が人にリーダーシップを促し、それが多くの人を巻き込んでイノヴェーションを生むのです」身をもって体験した人だけが語れる自信にあふれた言葉だった。

日本監督士協会刊「リーダーシップ」2010年10月号で詳報) →bankyo.pdf へのリンク
万協製薬の製造工程