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ネット版 改善改革探訪記 85 BACK NEXT
よくみつけましたね提案制度
 セーレン探訪記

絹の精練加工専業メーカーだったセーレン(福井市)は問屋・アパレルメーカー・小売業の下流工程を取り込み、さらに事業領域を合成繊維や非繊維部門にまで広げて、繊維という不況業種で生き残ってきた。近年は複雑な生産工程にITを活用したジャストインタイム生産方式を導入。最も無駄のない生産計画をコンピュータではじき出し、その実現をはばむ問題を徹底的につぶす活動を行ってきた。

たとえば他社から生地を預かって染色加工する事業がある。加工に失敗すると生地を買い取らねばならない。これが損金になる。欠陥が見つかって再加工した場合のコストアップも損金計上される。ジャストインタイムを実現するということはこの損金をゼロにするということだった。

それまで問題発見、対策実施に責任を負っていたのは係長クラスだったが、彼らだけで損金ゼロは実現できないことがわかってきた。そこで「よく見つけましたね提案制度」が導入された。従来の改善提案は自分の仕事の問題を自分で改善し結果を報告するものだったが、この制度では他部門や他人の仕事の無駄を見つけて提案することが奨励される。採否の判定と改善実施は担当部門が行うから、提案者はアイデアだけ提案すればよい。パート・派遣など非正規社員にも積極参加を呼び掛け、その提案実績は正社員登用の条件とされた。

これにより改善の目は現場の隅々に行きり、損金はどこまでもゼロに近づき、生産工程は滞りなく流れるようになった。改善活動のこれからのひとつのあり方を示唆する進め方といってよい。

「労政時報」(編集:労務行政研究所、発行:労務行政)第3753号・2009年7月10日刊、で詳報 → seiren.pdf へのリンク
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