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ネット版 改善改革探訪記 84 BACK NEXT
廃線の危機から復活した和歌山電鉄貴志川線
 和歌山電鉄探訪記
5年前、南海電鉄はJR和歌山駅と旧貴志川町(現在は紀の川市)の貴志駅まで14.3キロを結ぶ貴志川線の廃線方針を発表した。電車が無くなれば、通勤通学に支障が生まれ、高齢者は病院にも買物にも行けなくなる。住民たちは行政の力で存続させることを求め、行政は岡山の両備グループにアドバイスを求めた。

両備グループの小嶋光信代表は土地と設備は行政が取得し、運営のみ民間企業にゆだねる「公設民営化」を提案。両備グループが和歌山電鐡という会社を設立し、この会社が運行を引き受けることになった。

通常の鉄道会社では、運転士は運転だけ、駅長は駅務だけをするが、ぎりぎりの人員で最大の成果を生み出ために、29人の社員は全員なんでもこなす。終点の貴志駅も無人化し、猫の「たま」を駅長として置いたことがマスコミで話題になり、貴志川線は全国的に有名になった。

忘れてならないのは地域住民が絶大なサポートを与えていることである。1人1000円の会費を払って「貴志川線の未来をつくる会」の会員となった人は6000人。「つくる会」と和歌山電鉄が一体となって沿線の観光ポイントを掘り起こしたり、イベントを企画し、周辺を清掃して観光客の誘致に努めている。加えて「いちご電車」「おもちゃ電車」「たま電車」など、話題性のある車両を導入。それが功を奏し貴志川線は全国の再生鉄道の中でめざましい改善効果をあげている。「鉄道事業というのは単なる足ではありません。鉄道が地域をつくり、地域が鉄道をつくるのです」との小嶋さんの言葉が印象的だった。


(「ポジティブ」2009年05月号で詳報)→wakayamadentetsu.pdf へのリンク
おもちゃ電車