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ネット版 改善改革探訪記 83 BACK NEXT
暗黒イメージの町からアーティストの町へ
 曽我部研究室探訪記

横浜に黄金町(こがねちょう)というところがある。長く非合法風俗店が密集し麻薬の密売も行われ、黒沢映画「天国と地獄」のアヘン窟のモデルとなったところだ。「もうこんなところには住んでいられない」と一部の住民が言い出したのをきっかけに、地域住民が立ち上がり警察と一緒になって違法店舗排除の運動を展開。横浜市もバックアップして、2005年にようやく非合法風俗店が一掃された。

建築家の曽我部昌史(そがべまさし)さんは、横浜市役所からの依頼で、地域住民の意見を聞きながら、京浜急行の高架下に「黄金スタジオ」と呼ぶアーティストたちの拠点を作り上げた。大きな窓のある開放的な施設で、5つの個室はアーティストたちの創作活動の場に供される。個室をつなぐ広い土間は、誰もがそこに入ってアーティストたちの仕事ぶりに触れることができ、スタジオの中央は喫茶兼レストランになっていて、音楽を聴きながらくつろげる。

スタジオは2008年8月に完成。その後、この町が新しく生まれ変わったことをアピールする「黄金町バザール」というイベントが開催され、各地から集まったアーティストたちが、ここで創作活動を展開した。地域の店の店主のポートレートを油絵で描き、スタジオで展覧会を開いた女流画家、スタジオ内に窯を設置して茶碗を焼き、それで茶会を開いた陶芸家…など。

バザールが終わったいま、スタジオには新しいアーティストたちが入居を始めており、暗黒のイメージで覆われていた町は、新たなアーティストの町として情報発信を始めている。


(「ポジティブ」2009年04月号で詳報)→sogabekenkyuusitu.pdf へのリンク
黄金町スタジオの外観