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ネット版 改善改革探訪記 77 BACK NEXT
社員の力を結集して確立した実装機フレーム鋳造技術
 古久根探訪記

プリント基板製造工程でロボットアームがチップをつかんで基板に植え込むとき、ロボットはものすごいスピードで動く。ロボットを支える鉄のフレームがしなり、それによって装着精度が悪くなる。それ避けるためにフレームを鋳物で一体成型するという方法が考えられ、愛知県碧南市の鋳物メーカー、古久根がこれに取り組んだ。

従来の鋳物製品とは桁違いの精度が必要だった。だが、それまでの工作機械の鋳物部品が次々中国製品にとって代わられる中、生き残るには中国に真似のできない鋳ものづくりをするしかないとあえて挑戦したという。

原料の組成や溶湯の温度の厳格な管理、型と中子の間隔を一定に保つなど、全工程のきめ細かな管理を可能にする創意工夫を全員が出し合い、それを完成させた。3K職場の代表と言われる多くの鋳物職場は高齢化が進み、不足する労働力を派遣や外国人で埋めてきた。だが、古久根は新卒採用にこだわり、社員のやる気を引き出し育てる努力を積み重ね、全員日本人、全員正社員、平均年齢31歳という稀有な人員構成を維持している。実装機フレームの鋳造技術はこの社員たちのやる気と創意工夫を集中することで初めて可能になった。

この技術は中小企業庁による地域産業資源活用計画の認定を受け、政府系金融機関の低利の融資を受けることができ、メインバンクに見放される寸前だった同社の危機を救った。「日本のものづくりはやはり勝ち続けていかねばなりません。我々は鋳物の分野で日本一をめざします」古久根靖社長の言葉である。


(「ポジティブ」2009年01月号で詳報)→kokune.pdf へのリンク
砂型に溶湯を注入する