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ネット版 改善改革探訪記 71 BACK NEXT
生産方式は時代とともに変遷する
 キヤノン電子探訪記

キヤノン電子(埼玉県秩父市)は最近9年間に工場スペースを6割減らし、電気代、CO2排出量を半減。売上高経常利益率を1.5%から13%まで、8.6倍に向上させた。

背景にコンベア生産からセル生産への変換がある。長大なコンベアを小さな屋台に変え、その周辺に部品を置いたことで、人や物の移動の無駄をなくし、生産リードタイムを短縮。仕掛品在庫、スペース、電気代、CO2排出量を大幅に減らしたのである。

セル生産のもう一つのねらいは作業者の自由度を大きくすることで、作業者の技能とやる気を向上させ、生産性の向上につなげたことだった。

製造から始まった改革のムーブメントを上流と下流に広げ、開発部門では開発期間の短縮に努め、販売部門では営業マンが修理マンと経営コンサルタントを兼ねて多能化して成約率を高めた。大幅な利益率向上はそれらの結果である。

だが、「セル生産は終わりに近づきつつあります」と酒巻久社長は言う。年数を経るとともに、導入時の緊張や活発な改善を維持することが次第に困難になっており、一部は完全自動化ラインに置き換えられている。

生産方式は時代とともに移り変わる。セル生産も終わりが来ることは分かっていて、自動化技術の研究も同時並行で進めてきた。ただ、セル生産の効率をぎりぎりまで高めてから自動化に置き換えているから、今は非常に効率のよい自動化になっているという。

●本文 →  canondenshi.pdf

●キヤノン電子のURL → https://www.canon-elec.co.jp

●掲載先 → ポジティブ 2008年10月号

セル生産の現場。写真クリックで本文表示。


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●セル生産に移行し生産性を向上させる
http://www.souisha.com/jirei09/0906.html#02