改善の事典  》 第13章 お客様  》 クレームに対応する
 
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お客様‐1308b クレームに対応する BACKNEXT


多くのお客様から長く支持を得ようとすれば、お客様からの要望・苦情にきちんと対応し、お客様の納得性を高めていくことが必要です。そのための工夫を集めました。

 このページの掲載事例→      ●1308b01 クレームがあればすぐかけつける  
 ●1308b02 クリーニング店のクレームをゼロにする
 ●1308b03 クレーム報告システムをつくる 
 ●1308b04 「もっと安くして」という声に対応する
 ●1308b05 クレームをヒントに2番手商法を展開する
 
【1308b01】 クレームがあればすぐかけつける  

■クレームを放置すればお客様の信頼を失うが、適切に対応すればそれを機にお客様の信頼を獲得することができる。武蔵野のクリーンサービス事業では、お客様からクレームに次のように対応することをルール化している。
@30分以内にお客様のもとへ2人以上で駆けつける。
Aお客様の要望をよく聞いてクレーム解決する。
Bクレーム発生の責任を社員に追求することはない。しかし、報告連絡を怠れば、責任を追及し、賞与をカットする。


取材先 武蔵野
取材 2002/09/13
掲載 燃えよリーダー2002/11
探訪記 
http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki001.html
 
 
【1308b02】 クリーニング店のクレームをゼロにする  


■クリーニング業、クリーンサワが引き受ける洗濯物の数は年間30万点を越えているが、次のような方法で、クレームゼロを続けている。

■お客様が洗濯物を持ってこられると、窓口担当者はきちんと点検して
「このボタンは洗濯できませんので外させてください」
「シミはとれますが、色落ちする恐れがあります」
「多少ホツレがありますので毛羽立ちするかもしれません」
「高価なお品ですので、保険をかけさせてください」
など、できることとできないことをお客様に事前に説明している。

■シミ、ホツレ、ボタンの糸のゆるみなどの注意点はお客様の目の前で確認し、それをタグに書いて品物にとりつけている。

■すべての品物にバーコードタグをつけ、各工程を終えるごとにそれをスキャンして、どの品物がいつどの工程を通ったかを記録に残す。社員カードにもバーコードがついていて、出勤時、退勤時、外出時にそれをスキャンすることで、不具合が発生いたときの担当者がわかるようになっている。

取材先 クリーンサワ
取材 2006/06/15
掲載 ポジティブ2006/0
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki012.html

 
 
【1308b03】 クレーム報告システムをつくる  


ビルメンテナンス業、四国管財では、掃除に伺った先で家具をキズつけたり、欠員を補充できず約束の人数が入らなかったり…、などの事態が発生すれば、すぐお客様係に連絡することにしており、お客様係はいつでもそれを受け、直ちに必要な処置を行なう。

■社員が問題に気づいて電話をかけるまでの時間は5分以内、お客様係が必要な処置や手続きを開始するのは電話を受けてから3分以内。

■ミスを犯した社員を咎めることはないが、ミスを隠さないこと、迅速に処置することを徹底している。

■クレーム報告システムができる前のクレーム件数は年間5件程度だったが、システム完成後は年250件に跳ね上がった。ほとんどは社員からの指摘で、お客様からのクレームに至るまでにその芽を摘み取ることに成功している。

取材先 四国管財
取材 2007/04/16
掲載 ポジティブ2007/07
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki040.html  

 
 
【1308b04】 「もっと安くして」という声に対応する  

■ネッツトヨタ南国のサービスエンジニアは、あるとき、お客様から「もっと安くして」と言われたことがあり、そんなときどう対応すべきかを社内で話し合った。

■「安くして」と言われたのは、提供したサービスの価格にお客様が納得できてないということだろうということになった。

■納得していただくためには、価格にふさわしい仕事をしなければならない。そして、それをお客様に理解していただかねばならないのではないか…ということになった。

■そこで、エンジニアたちは次のようにルール化した。
@毎回の整備の途中に、もしくは作業後に、ショールームでお待ちのお客様の所へ足を運び、作業内容を報告することにした。
Aお客様の車がどういう状態にあったのか、どういう修理をしたのかを報告する。
B整備をここでお任せいただくことのメリットを提案する。
Cこれらの対応をスムーズにするために、毎朝ロールプレイングを行った。

■この結果、お客様アンケートでは、サービスの価格を安く感じるというお客様が増加した。
  
取材先 ネッツトヨタ南国
取材 2005/11/08

掲載 ポジティブ2006/01
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki004.html

 
 
【1308b05】 クレームをヒントに2番手商法を展開する  


■未来工業の創業者、山田昭男氏は、既存製品の不具合箇所を改良してより便利な製品を生み出す「2番手商法」に徹している。

■先頭を走る1番手はクレームがついたときに小回りが利かない。初期投資に莫大な資金を投入しているから、問題を過少に見て先送りしがちである。そこで、そのクレームをヒントにして改良した商品をつくり一番手に追いつき追い越していくのが同社の2番手商法である。以下は、そのようにして生み出された同社製品の一部である。

■スイッチボックス
@従来2箇所だったビス穴を4か所に、その後7カ所に増やした。
A壁に取り付けやすいよう、ビスの長さを20ミリから30ミリに伸ばした。
Bスイッチボックスの輪郭部分にアルミ箔を貼った。これより、上から壁紙を貼っても、金属探知機で位置を検出でき、スイッチを取り付けやすくなった。

■鞘式電工ナイフ
 従来の折りたたみ式を、そのまま出し入れできる鞘式にし、取っ手底部に電線の割り線機構、刃の根元に電線の皮むき機構をとりつけた。

■合成樹脂製フレキシブル管
 ビルの天井・壁・床などに電線を貼るとき、従来は鉄管や塩ビ管をいれていたが、これを合成樹脂製フレキシブル管に変えた。これにより電設工事がやりやすくなった。

取材先 未来工業
取材 2006/01/12
掲載 ポジティブ2006/03
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki007.html

 


上からスイッチボックス、電工ナイフ、
フレキシブル管
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