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ネット版 改善改革探訪記 №259
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フィロソフィに基づいて経営した京セラとKDDI の創業者ut

 稲盛和夫翁事績探訪記


稲盛和夫翁(1932-2022)は鹿児島の出身。少年時代はガキ大将で、何度か受験に失敗。就職もままならず、何をやってもうまくいかない…と思い悩んだという。あるとき、人生の価値は「考え方×熱意×能力」で決まる。能力が人並でも前を向いて熱意をこめて仕事をすれば、それなりの成果を生み出せるはず、と考えるようになってから、勉強にも仕事にも寝食を忘れて持てる力のすべてを注ぐようになった。

最初の就職先、松風工業で磁器の原料となるフォルステライトを合成。それを応用してセラミック製絶縁部品を開発した。27歳のとき、松風工業の上司、部下、その他の支援者とともに京都セラミッック(後の京セラ)を創業。京セラは当時世界最大のコンピュータメーカーIBM から集積回路用基板を受注してから大きく業績を伸ばした。1985年の電気通信事業の民営化に際して第二電々(DDI)を創業。これが現在のKDDI(ブランド名au)に繋がっている。

稲盛の考え方の根底には、鹿児島での少年時代に体得した郷中教育と隠れ念仏の信仰があり、西郷隆盛の「敬天愛人」「動機善なりや、私信なかりしか」「利他の心」など、人としてあるべき道の教えがあった。これに基づいて「素直な心を持つ」「真面目に、一生懸命に仕事に打ち込む」「渦の中心になれ」などのフィロソフィを社員に説き、さらに、組織を製品別・工程別の小集団(アメーバ)に分けてそれぞれにリーダーを置いて独立採算で運営させた。

これらの稲盛の経営手法を学ぼうとする人々によって「盛和塾」が結成され、塾生は1万5000人を数えた。また、経営に行き詰まった会社から支援を求められて、ヤシカを吸収合併。三田工業を支援して京セラミタを発足させ、2010年には、当時の民主党政権の要請で、多額の負債を抱えて倒産したJALの再生に力を尽くし、1年で営業利益をV字回復させている。
 
●本文 → 
inamori-kazuo.pdf へのリンク
●取材先  京セラ・稲盛ライブラリー
●掲載先 → リーダーシップ 2023年7月号
(発行元・日本監督士協会のURL:http://www.kantokushi.or.jp/


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