■農業人口が減り、食料自給率が下がり、耕作放棄地が増え続けている。この日本の農業を何とかしなければ…と、及川智正さんは考え続けてきた。勤めていた会社を辞め、和歌山でキュウリ農業を始め、次いで八百屋を開業し、農業の生産現場と販売現場の両方の立場を体験した及川さんは、その後、2つの立場をコーディネートする農業総合研究所という会社を起こした。
■都会のスーパーに「農家の直売所」を設置。生産者から委託された農産物をそこで販売するための仲介業を始めた。同社はいま全国7000の農家によって1000を超すスーパーに「農家の直売所」を展開している。
■契約農家は農産物を農業総合研究所の集荷場に持ち込み、自分で農産物の価格を決め、セールスポイントを書き込み、どの地域のどのスーパーの「農家の直売所」に出荷するかを決めます。その後は農業総合研究所が指定されたスーパーまで運び、スーパーが農家の指定した条件で販売してくれるという仕組み。
■JA・市場・仲卸を経由した農産物は店頭に並ぶまでに4〜5日かかるのに対して、この方式だと、出荷してから1日以内に新鮮な野菜を店頭に並べることができる。しかも、何を、いくらで、どんな風に売るかを農家自身が決めることができる。
■従来はJAの指導に従って農産物を作るだけで、農家にはお客様が見えていなかった。しかし、「農家の直売所」方式では、農家は工夫次第でどんどん売り上げを増やすことができ、売上1億円を超える農家も登場しています。「農家の直売所」は農業をビジネスに変えつつある。
●本文 → : nousouken.pdf
●農業総合研究所のURL → http://www.nousouken.co.jp/
●掲載先 → リーダーシップ 2017年12月号
(発行元・日本監督士協会のURL http://www.kantokushi.or.jp/ )
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