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中国人従業員の中に信頼の和をつくる

 大阪ウェルディング工業探訪記

「日本の常識では計り知れないことが中国では起こります」と大阪ウェルディング工業(大阪府茨木市)の魚谷禮保会長はいう。上海郊外の現地工場では、250枚の手袋が3日で無くなったし、パソコンも工具も鋼材もいつの間にか無くなった。
工具を盗んだ従業員は、仕事のできる、信頼していた人物だった。問いただしてみると、共稼ぎしていた奥さんのお腹が大きくなり、仕事ができなくなって、マンションのローンが払えなくなったからだという。
工具を盗んだことには目をつむり、魚谷さんは彼に計画残業させて、彼が必要とするだけの賃金を稼げるようにした。彼は必死になって働いた。そうした処置に感じ入った他の従業員も同じように懸命に働くようになり、生産は大いに伸びた。
彼らには仕送りを待っている家族がいる。1億人の日本人と13億人の中国人の生存競争のスケールの違いに思いを馳せれば、理解し合うことができ、信頼し合える。それを基礎に、現地法人の業績は当初中国のGDPの2倍の割合で伸び、今も伸び続けている。
2年前の反日暴動以来、日中関係はギクシャクしている。この状態が続くことは、双方のためにも世界のためにもならない。反目が溶ける日を祈る思いで待っていると魚谷さんは言う。

日本監督士協会編「リーダーシップ」2014年10月号で詳報)  → osakawelding.pdf へのリンク

■この記事へのコメント:
今回の記事は人を育てるコツを教えてくれます。現在、中国から東南アジアに工場を移転させる企業が多くなっている中で、苦労しながら中国人を使いこなして、頑張っている経営者の取り組みは、参考になります。日本においても中小企業には、若者の人材が集まりにくく、しかも、就職してもすぐに退職する人が多いそうです。この記事は中小企業経営者の人材育成のヒントを教えてくれます。(創知研究所・中野勝征)



求人ポスターを持ち
上海市街を歩く魚谷さん