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ネット版 改善改革探訪記 141
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流れに身を任せる農業からビジネスとしての農業へ

 トップリバー探訪記


農家から野菜を買い取って市場に売り出すという仕事は、市場の手数料を差し引くとほとんど儲けにならなかった。そこでトップリバー(長野県北佐久郡御代田町)社長の嶋崎秀樹さんは、市場を通さずに外食産業や中食産業に直接販売しようとした。

そのためには、農家から決まった量の野菜を、決まった価格で、決まった時期に納入してもらわねばならない。だが、野菜の収穫は天候に左右されるし、価格はその時々の収穫量に応じて相場で決まる。そんな約束ができるはずがないと農家はその申し出に応じなかった。

「それならと自分でやってみよう」と嶋崎さんはトップリバーを立ち上げて野菜作りを始めた。ノウハウを積み上げ、契約販売にまわす割合を少しずつ増やしていった。販売価格は、品薄で高騰した時に比べると安いが、安定供給というメリットを提供するのだから平均的な相場価格よりも高く設定できる。農業はこのとき相場任せで流れに身を任せる農業からビジネスへと変貌した。

農業ははじめてという若者を研修生として自社圃場に集め、そこで野菜づくりを学ぶとともに3〜6年後に自立させるという仕組みをつくり、現在は卒業生たちが千葉から鹿児島までの各地で新しい農業を展開している。規制と補償に守られて脆弱になった日本の農業をビジネスに生まれ変わらせる方法として、トップリバーが確立した手法は注目を集めており、それに倣って農業生産に進出する企業、団体が増えている。

(「リーダーシップ」2013年2月号で詳報) →  topriver.pdf へのリンク



■この記事へのコメント
TPP問題が叫ばれる今日、刺激情報です。挑戦、行動、これがすべてですね。(創知研究所・中野勝征)

全世界的視点で考えたとき、日本のように資源のない国は、外貨獲得力が衰えてしまったら、食物の輸入にも支障を来すでしょう。そうでなくても、アジア圏の発達とともに爆発的に人口は増え、今後は、食物獲得競争が厳しくなります。そのとき、現状のような食物自給率では危機的であり、国内の農業については、国を挙げて支援し、高度化しなくてはなりません。このような事例が、より全国的に広がり、若者が夢を託せて、国全体にも寄与する農業に育てていく必要があると思います。(園田裕彦)

レタスの収穫作業