■島根県の物流コストは年々上昇している。山間部の人口が減り、廃業する小売店が跡を絶たず、商品の配送効率が悪くなっているからだ。
■食糧品卸問屋、吉寅商店(島根県浜田市)の吉田稔社長は、物流の効率化を呼びかける県主催の勉強会に問屋仲間とともに参加し、その後政府の補助金を得てディシィディという有限会社を作って共同配送を始めた。
■牛乳、豆腐、青果、精肉など、参加企業の商品を1箇所に集め、一緒にトラックで運ぶ。輸送コストは小売店への卸値に対する一定割合を運送料として各社が分担することとし、参加企業が集まって仕向地、大きさ、品目ごとにその料率を決めた。卸値の20%を占めた物流コストは共同配送後3〜4%にまで減った。
■物流効率化法によるこうした共同配送グループは、全国各地でつくられたが、いま残っているのはディシィディだけ。他のグループは補助金の廃止とともに辞めてしまった。なぜディシィディだけが残ったのか?
■「補助金をばらまくだけで問題が解決するわけではないのです。私たちは補助金が目的ではなかった。物流が止まれば中山間地の生活が成り立たなくなる。それを何とかしたかった。問題を本気で受け止め、本気で解決しようとして、みんなで力を合わせた。成功の理由はそれだと思います」と吉田社長は語る。
●本文 → dcd.pdf
●吉寅商店のURL → https://yoshitora.com
●掲載先 → リーダーシップ 2012年11月号
(発行元・日本監督士協会のURL:http://www.kantokushi.or.jp/)
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ディシィディ配送センター。写真クリックで本文表示。 |