■プレス加工業岐阜精器工業（東京都大田区）は、得意先企業が相次いで組立工場を中国に移転させたのに伴って、2002年に岐阜の工場を閉鎖。中国広東省に工場を移し、苦楽をともにした従業員たちと別れ、新たに５人の若い中国人を雇い入れた。
■中国人に技術を教えたら、彼らはその技術を持ってもっと給料の高い会社に移ってしまうと聞かされていたが、教えなければ仕事にならない。波多野都喜男社長は惜しみなく教えた。
■プレス加工技術は、機械を動かすだけではなく、言葉で表現できない無数のノウハウが必要になる。東京の営業担当は次々新しい仕事をとってくるから、ずっと同じものを作り続けるだけではない。日本人も中国人も一緒になってそれに挑戦する。苦しみながら答えを探し続け、やっとの思いでお客の要求と納期に応える。それをひとつ達成するごとに自分たちの技術が高まっていっていることを中国人たちは感じてくれている。
■現在の従業員数は160人。中国に行けばもっと楽な仕事ができると思っていたが、実際には日本にいた頃よりも変化のスピードが激しく、中国人たちの若さと意欲がそれに応えている。波多野さんは、その中で次々と新しい需要を開拓し、それに応えて行く先頭に立ち続けてきた。いまの日本人１人１人に求められているものは、それに尽きるのかもしれない。
●本文 → gifuseiki.pdf
●岐阜精機工業のURL → http://gifu-seiki.flips.jp/
●掲載先 → リーダーシップ 2011年９月号
（発行元・日本監督士協会のＵＲＬ：http://www.kantokushi.or.jp/
中国工場の内部。写真クリックで本文表示。
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