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ネット版 改善改革探訪記 58 BACK NEXT
東大阪の技術を結集し世界トップレベルの装置を作る
 ユタカ探訪記

コンピュータや携帯電話のCPUのプリント基板にチップを半田付けするために使われる半田ボールは、直径100ミクロン微細な球体で、溶けた金属にエアを吹き付けて作る。従来は±20ミクロンのバラツキがあったが、東大阪のユタカという会社は、これを±0.2ミクロンの高精度で選別できる装置を開発し、世界中の半導体工場に納めている。

もともと伸線機や小型ネジ製造装置を作っていた。経営者が急逝し息子の安田憲司さんが社長となった。技術は父よりも自分が上だと思っていた。だが従業員はそうは思ってくれず、11人の従業員が3人にまで激減。困り果てて同業の知り合いを頼って外注することにした。それがきっかけで同社は設計開発に特化し加工を外注するようになった。

あるときある台湾人がネジ製造装置を買っていき、やがて全く同じ装置が台湾から発売されたことを知った。同じ作り方をしていてはコスト的にかなうはずはない。とうてい真似られないところまで技術レベルを上げるしかないと気がつき、研究開発に全力を注いで冒頭の球体選別装置を作り上げた。いまだに真似られていないのは東大阪の技術の粋を集めているからである。

安田さんの要求は厳しい。「そんな難しいのはウチではできん」と多くの業者が断るが、「そんならウチでやろか?」と言うところが必ず現われる。持てる力のすべてを設計開発に集中し、すべての加工工程を数十社に外注して東大阪の技術を結集することで、同社は東大阪でしか作れない装置を組み上げて世界中の半導体工場に供給している。


(「ポジティブ」2008年02月号で詳報)→yutaka.pdf へのリンク
球体選別装置の組立風景