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ネット版 改善改革探訪記 56 BACK NEXT
儲かる儲からないを言うより先にまず作る
 カツロン探訪記

プラスチックの異形押出成型のトップメーカー、カツロン(大阪府東大阪市)の石川宏社長は、40年前どうしても大手の仕事が欲しいと思っていた。大手メーカーに製品を納入すれば信用がつくし、同じものを大量生産すれば経営が安定すると思った。だが、大手から念願の注文をもらったときの喜びは長く続かなかった。

ある日突然先方の購買担当者から「来月からもういいよ」と言われたのだ。大手はカツロンの作った製品と図面を持っていき、そのまま協力会社に作らせることを決めていた。「大手と付き合うには対等にものが言えるだけの独自技術を持たなければならない」ということが頭の中にしっかりと刻み込まれるまでに同じような苦渋を三度舐め、以後大手の仕事はしない。これからはニッチに特化していこうと心に決めた。

どんな新製品も最初は小ロットから出発する。量のない世界こそいろんな可能性を秘めていると言えるし、それに挑戦してものにすることで独自技術が身につく。その後はどんなに小ロットでも試作品でも快く引き受けることにした。「儲かる儲からないを言うより先にまず作れ」と社員に命じ、いつでも無理難題を引き受けてくれる会社との評判を手に入れた。

漁船の防舷材、お茶の葉に撚りをかける機械の内壁に貼り付けるプラスチック、眼鏡とレンズの間に挟まっているパッキン、電車やバスのドアと窓のパッキン、道路の点字ブロック…など、同社製品のユニークさは、どんなものでも引き受け、ものにする中で磨きあげた技術の結果といえる。


(「ポジティブ」2007年12月号で詳報)→katsuron.pdf へのリンク

各種異形押出成型製品の断面