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ネット版 改善改革探訪記 51 BACK NEXT
従業員満足向上により成功した起死回生の社内改革
 トヨタ輸送探訪記

自動車業界への外資参入によるリストラを契機として、自動車物流の業界には価格破壊の嵐が吹き荒れ、市場価格は3割近く下がった。トヨタ輸送もトヨタ自動車から相応のコストダウンを求められた。「そんな大幅なコストダウン、とてもムリ」そんな声も出たが、トヨタ車だけが高額な物流コストを負担するわけにはいかない。

小川徳男社長は大規模な社内改革に着手した。新車は工場から名古屋港まで陸送し、船で各地の港に運びそこから販売店まで陸送する。帰りは空(から)。お客様はトヨタ自動車だけでないと中古車や引越しの車にまで広げ、また他社との共同輸送によって実車率を引き上げ、さらに800台積みの船の一部を2000台積みに変えて輸送効率を高める計画を建てた。

計画が現実のものとなったのは従業員の協力があったからである。小川氏は従業員に理解と協力を求め、実力あるプロパー社員を幹部に取り立て、排ガス規制で苦しんでいた下請輸送会社にはトラック買い替えの低利融資制度を設け、トヨタ物流システムをマスターした高齢ドライバーに指導員への道を開く…などによってやる気を高めた。従業員はこれに呼応して、燃費向上、安全向上、お客様第一主義に徹し、この結果、同社は再び業界トップの価格競争力を回復した。

従業員を巻き込んだ社内改革が評価され、2005年、日本経営品質賞を受賞。小川氏は相談役に退いたが、若手幹部たちは、改革はまだ道半ばだとして、今回のA評価を上回るAA評価を目指して、3年後に再び日本経営品質賞に挑戦するという。


(「ポジティブ」2007年11月号で詳報)→toyotayuso.pdf へのリンク