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旧式旋盤でものづくりの基本を学ぶ
 エプソンものづくり塾探訪記

製造工程の海外移転と3次元CADの普及で、技術者や設計者は自分の手で実際にものを作らなくなり、工作機械の加工精度の誤差に対する感度が鈍っていくことが心配されている。それを防止するために「エプソンものづくり塾」では開発設計部門の新入社員に何十年も前の古いタイプの旋盤でものづくりに取り組ませている。

最近の機械は、数値を入力すればあとは機械任せでものができ上がるが、古い機械は人が材料をセットし、位置決めし、何度も調整しなければならない。そういう機械を使いこなすことで加工プロセスが理解でき、加工機の特性を読み込んだ製品設計が可能になるという。治具や刃工具をうまく調整すれば100分の1ミリの精度の機械で1000分の1ミリの精度を出すことも可能になる。

「私が新入社員だった頃、先輩たちはなかなかその方法を教えてくれなかった」とものづくり塾の中村好宏部長が言った。先輩がタバコを吸いに出た隙に先輩の治具や刃工具の工夫を盗み見て、先輩のすごさを知ったという。

「どうしたらうまくいくかの答はひとつではない。たくさんの答を見つけるには愚直に継続することが大切なのです」とも中村さんは言った。新入社員たちは一年間ここでものづくりの基本を学び、2年目はそれぞれの開発テーマに即した課題を与えられてさらにものづくりを続ける。


(「ポジティブ」2007年08月号で詳報)→seikoepson.pdf へのリンク
エプソンものづくり塾