■浜野製作所(東京都墨田区)は半導体製造装置部品、医療器械部品の試作品の金属加工に特化した事業を展開している。発注ロットが少なく、難しいものが多く、しかも短納期というのが試作品の特徴である。世の中の新製品開発サイクルが短くなるにつれてその傾向は強まっている。
■最初は他社が２週間で引き受ける仕事を、寝ないで頑張って1週間で仕上げて信用をつけた。注文が増え人を増やすにつれて、社内にＩＴインフラを整備し、加工の進捗と機械の稼働状況が誰にも見えるようにした。仕事に緊張感と責任感が生まれ、問題が起こるとみんなで改善する習慣が生まれた。
■試作品は、はじめての仕事ばかりで、そのつど最も効果的な加工方法を工夫しなければならないから技術が上がる。経営をガラス張りにしていることもあって、社員の士気は高い。
■「みんなの会社だから、もっと頑張って盛り上げていきましょう」社員の1人が社内ブログでそう書いたことをきっかけに浜野慶一社長は家族が持っていた会社の株を幹部社員に買ってもらうことを決め、「今までは浜野家がオーナーだった。これからはみんなの会社にしていきたい」と宣言した。浜野社長は社員の心をしっかりとつかんでいる。
●本文 → hamano.pdf
●浜野製作所のURL → https://hamano-products.co.jp/
●掲載先 → ポジティブ 2007/02
試作品の金属加工。写真クリックで本文表示。
「仕事の事典」の関連事例
●仕事を見える化し責任を持たせる
→http://www.souisha.com/jirei11/1106.html#10
●学生の提案を受け入れみんなの会社をめざす
→http://www.souisha.com/jirei12/1207.html#08