絵で見る創意くふう事典  》 第15章 地域  》 農産物生産販売
 
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地域‐1505 地域密着型事業を起こす…@農産物生産販売 BACKNEXT


 このページの掲載事例→                            ●150501 しめ縄、野菜、はな、干支の置物、木工品  
 ●150502 堆肥づくりと花づくり
 ●150503 山芋の栽培と販売
 ●150504 剪定屑のチップ化と堆肥づくり
 ●150505 ブドウの栽培と販売
 ●150506 水口かんぴょうを復活させる
 ●150507 守口大根を復活させる
 ●150508 独自ブランド米の生産と販売
 ●150509 市民農園貸出事業
 ●150510 野菜の計画栽培と販売
 ●150511 花はうすと農産物生産販売
 
【150501】 しめ縄、野菜、花、干支の置物、木工品  

三田市シルバー人材センター(兵庫県)では、1988年、地元の農家出身でわら工芸で県のふるさと名人の称号を持つ脇田政美さんが数人の会員に呼びかけてしめ縄づくりを始めた。会員から提供を受けた休耕田5反に青刈りの稲を植え、8月、まだ青い穂のついたままの稲を刈りとり、イグサ用の乾燥機で短時間で乾燥させたものを材料としてしめ縄を作っている。 

■しめ縄は全量予約制。新聞・テレビでも紹介されるため、市外からも注文が入る。神社や飾り物業者からは特殊な形のしめ縄の注文が入る。常時8〜15人が就業。多忙な時は30人程度が出て作業に当たっている。 

■休耕田5反を利用して季節の野菜を栽培。JR新三田駅前の週1回の朝市で販売している。後に、県の農業改良普及員のすすめで小菊も栽培。「花と緑と水のまち」という市のキャッチフレーズの下で花いっぱい運動を展開するために市が花を購入してくれることになり、花づくりの規模が拡大した。 

■野菜づくり・花づくりの傍らで干支の置きものを製作している。信楽から購入した石膏型に粘土を流し込んで形をつくり、市営陶芸館の窯を借りて焼成したものを予約をとって販売している。粘土が固まるまで23時間の待ち時間があるが、この作業を野菜づくり・花づくりと組み合わせると効率が良く、この3つがセット作業と位置付けられている。主要就業会員は数人。作業内容によって増員する。 

■野菜と小菊はJR新三田駅前の朝市やイベント時の出店で販売。小菊の切り花はこのほか、市内の研修所兼野外活動センター「伊丹山荘」の売店、病院売店、駅前広場で委託販売。フラワーポットは春花・夏花を各1万本、冬花(葉牡丹)3000本を市の環境課から委託を受けて栽培している。干支置きものはイベント出店時に販売するほか、市広報誌で予約募集し販売。 

1992年に木工グループが誕生。元プロの大工、木彫りではよく知られたセミプロの腕を持つ会員を含む78人が中心で、駐輪場管理業務と兼任。その勤務がないときに作業場に来て製作している。作業場には、帯ノコ、電気カンナ、ロクロ、ボール盤、ホゾ穴加工機などが揃っている。作品は折りたたみ椅子、竹籠、木彫品など。イベント時にセンターのブースで販売。 

取材先 三田市シルバー人材センター
取材 1996/05/16
掲載 
月刊シルバー人材センター1996/08

 
【150502】堆肥づくりと花づくり  

■須崎中土佐シルバー人材センター(高知県)は、1999年、就業機会開発プロジェクト事業補助金を利用して、残滓処理のためのチッパーを購入し144uのビニールハウスの作業場を建設した。残滓チップから堆肥を作るとともに、花卉生産の専門家から手ほどきを受けた会員が堆肥を利用して花づくりを始め、イベントや公園の花壇のための花の需要に応えている。

取材先 須崎中土佐シルバー人材センター
取材 2001/09/20
掲載 
月刊シルバー人材センター200112

【150503】山芋の栽培と販売   

■高富町シルバー人材センター(岐阜県)は会員数30人の小規模シルバー人材センターである。会員の休耕田を借り上げ、会員10人で「山芋クラブ」というシルバー農園事業を始めた。山芋を栽培し、採れた山芋はシルバーの事務所と作業所がある中央公民館前で販売する。さらに農家の会員が自家農園で作った野菜を持ち込んで一緒に販売しており、売上の20%を事務局に支払い、80%は出品者のものになる。売れ残った野菜はカレーやシチューにしてみんなで食べる。

取材先 高富町シルバー人材センター
取材 2001/12/07
掲載 
月刊シルバー人材センター200203

 
【150504】剪定屑のチップ化と堆肥づくり  


■総社市シルバー人材センター(岡山県)は、2003年から保全型社会参加促進事業補助金を利用して、剪定クズを使ったチップリサイクル事業を開始した。堆肥づくりに通じた会員が中心となり、会員所有の休耕田を借り受けて造成した作業場で、剪定枝葉をチッパーシュレッダーで粉砕。自然の力だけで十分に時間をかけて作られた高品質の堆肥は「シルバーグリーン」と名付けられ、2007年の岡山国体を前にした花いっぱい運動のプランターで使われたのをはじめ、多方面で活用されている。

取材先 総社市シルバー人材センター
取材 2006/06/22
掲載 
月刊シルバー人材センター200609

 
↑剪定クズチップリサイクル作業場
 
【150505】 ブドウの栽培と販売  


■高齢化してブドウ園を続けられなくなった農家からブドウ棚の解体を依頼されたことがきっかけで、柏原市シルバー人材センター(大阪府)は、2003年に、ブドウ栽培の独自事業を立ち上げた。男性会員9人と女性会員4人の計13人が大阪府主催の「ブドウ栽培担い手塾」を1年間受講。ブドウ棚解体を依頼した農家のブドウ栽培を支援する「援農」の形を取り、さらに別のブドウ農家から借地して、4カ所のぶどう園、計600坪でブドウ栽培を行なっている。

■通常夫婦2人で栽培できる面積は200300坪。それを13人が手分けし、施肥、除草、芽欠き、防鳥ネット張り、つる配り、ジベレリン処理(ブドウを種無しにするための薬剤処理)、笠掛けなどの作業を行う。さらにブドウ収穫後の閑散期にはブドウ園の片隅で、えんどう豆、ジャガイモ、サツマイモ、タマネギなどを栽培している。

■1年目はインフラ整備に追われて収穫ゼロ。2年目も消毒の失敗から薬害が発生して十分な収穫を得られず、3年目の2005年に800箱分を収穫した。地元業者を圧迫しないために市内では一般販売を見送り、柏原市シルバー人材センター会員と大阪府内の他のシルバー人材センターに向けて販売している。

■さらに一層の拡販をめざして、市内ワインメーカーが所有するワイン貯蔵庫とワイン製造工房(国の登録有形文化財)の見学を組み合わせたブドウ狩りのイベントを企画している。

取材先 柏原市シルバー人材センター
取材 2006/07/18
掲載 
月刊シルバー人材センター200610

 
↑ブドウ園(左)と地元ワインメーカーが所有する西日本最古のワイン貯蔵庫
 
【150506】水口かんぴょうを復活させる  


■甲賀市シルバー人材センター(滋賀県)は、地元特産品のかんぴょうを栽培する農家が少なくなったが、シルバーの手でそれを復活させた。シルバー農園に夕顔を植え、おしべとめしべを交配させ、大玉を収穫。機械で実を回転させながら長く紐状に剥き、それを干してかんぴょうにする。かんぴょうは袋詰めしたり、「夕顔茶」というペット飲料として販売している。


取材先 甲賀市シルバー人材センター
取材 2007/10/02
掲載 
月刊シルバー人材センター200712

←夕顔の収獲
 
【150507】守口大根を復活させる  

■守口大根は牛蒡のように細長い大根で、酒粕に漬けて漬物にする。かつて大阪の守口で作られていたが、町の都市化に従って姿を消していたが、大阪府がそれを伝統野菜と認定。守口市がその復活に力を入れている。

■守口市シルバー人材センター(大阪府)は市内の幼稚園と保育園に育苗箱を置き、生育の様子を園児たちに観察してもらいながら会員の手で栽培している。

取材先 守口市シルバー人材センター
取材 2008/09/18
掲載 
月刊シルバー人材センター200812
 ←幼稚園で行われた守口大根の種蒔き祭
 
【150508】独自ブランド米の生産と販売   


■養父市シルバー人材センター(兵庫県)は、荒廃した市有地の棚田を再生させ、都会の人たちに足を運んでもらう計画を市に提案。それが認められ、市の補助金を得てその事業化に取り組んだ。

■棚田を整備し日常管理する一方で、チラシやインターネットを使い、あるいは都会地のシルバーにも呼び掛け、「養父ウォーキングイベント」を開催して「棚田のオーナーになりませんか」とPRした。

■棚田は蛇紋岩地層になっていて、ここを流れる水は鉄・マグネシウム・カリウムを含み、甘みと粘り気のある上質の米が栽培できる。JAたじまはこの米を「蛇紋岩米」の商標で販売しているが、シルバーとしてはその名前で販売できないため、独自に「温石米」というブランドを商標登録し、全国のシルバーのネットワークを通じて販売している。

取材先 養父市シルバー人材センター
取材 2012/07/26
掲載 月刊シルバー人材センター201210


↑シルバー農園の棚田と温石米
 
【150509】市民農園貸出事業   

■加古川市とJAは耕作放棄地を借り上げて市民農園として貸し出す事業を行っている。加古川市シルバー人材センター(兵庫県)は一部の土地を借り上げて除草等の維持管理を行ないつつ、その一部を市民に貸し出している。有機減農薬栽培やEM菌を利用した無農薬栽培ノウハウ提供などの農業指導も行う。さらに有機減農薬で野菜を栽培し、地元のスーパーで販売。夏季には毎週2回、シルバーの事務所前で朝とれ野菜を販売している。2011年からの企画提案方式事業。

取材取材先 加古川市シルバー人材センター

取材 2012/08/20
掲載 月刊シルバー人材センター201211

←貸農園講習会
 
【150510】野菜の計画栽培と販売  


■名張市シルバー人材センター(三重県)は休耕地を利用して野菜を栽培し販売している。年間の耕作計画と販売計画を作成。それに基づいて、ジャガイモ、キャベツ、ほうれん草…などを計画栽培し、自家農園を持つ会員にも協力してもらって、月2回、市内の武道交流館の駐車場でシルバー朝市を開催。とれたて名張交流館や市のイベント…などにも出店している。

取材先 名張市シルバー人材センター
取材 2015/09/28
掲載 
月刊シルバー人材センター201512

 ←名張市SCのシルバー農園
 
【150511】花はうすと農産物生産販売   


■豊田市シルバー人材センター(愛知県)では、1997年から山室町のビニールハウスと屋外育苗場で季節の花を栽培し、各自治区の団体および交流館(公民館)など市施設の花壇や花植えポットに花を供給するほか、各種イベントに出店し販売。また公的施設の花壇の管理や水遣りなども行う。このほか、自主事業として、次の農産物を栽培している。

■きのこ(本所): 市有地の山林のビニールハウスで原木に菌を植え付けてきのこを栽培。本所の「ふれあいの家」の前で販売するほか、毎月20日に開催する「感謝祭」などのイベントで販売する。

■野菜即売の会(小原支所):  小原支所の会員が自宅の畑で栽培した野菜や餅・漬物などの加工品を持ち寄ってイベント時に販売している。

■たかきび(稲武支所): たかきびは赤色をした古代米の一種(雑穀)で、会員が自家農園で栽培。それを団子に加工し、各種イベントで販売している。

■こんにゃく(下山支所): 地元産のこんにゃく芋を仕入れてこんにゃくに加工し、おでん用、刺身用としてイベントで販売する。

取材先 豊田市シルバー人材センター
取材 2017/07/20
掲載 
月刊シルバー人材センター201710 

  
↑花はうす
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