絵で見る創意くふう事典  》 第15章 地域  》 高齢者支援
 
TOP 編集のねらい 5S 安全 品質 作業 治工具 設備 省力 環境 コスト 事務 IT化 組織 お客様 社会 地域 探訪記 総目次 索引
地域‐1502 困っている人の力になる…@高齢者支援 BACKNEXT


 このページの掲載事例→                          ●150201 家事援助サービス事業のはじまり  
 ●150202 福祉家事援助サービス事業を開始
 ●150203 ライフサポート事業を開始
 ●150204 いきいきデイサービスサロン
 ●150205 ホームヘルプサービスから訪問介護サービスへ
 ●150206 訪問介護サービス事業への参入
 ●150207 介護保険事業に参入する
 ●150208 デイサービスセンターまで送迎する
 ●150209 高齢者の困りごとを引き受ける
 ●150210 シルバーデイサービスセンターを開設する
 ●150211 シルバー孫の手安心サポート事業
 ●150212 シルバーレンジャー隊を展開する
 ●150213 シルバーサポート事業と生涯学習支援事業を展開する
 ●150214 高齢者の話を傾聴する
 ●150215 親孝行代行サービスを呼びかける
 ●150216 脳トレサロンを開催する
 ●150217 笑いと健康のお届け隊
 
【150201】 家事援助サービス事業のはじまり  


198212月、広島市シルバー人材センターに高齢の男性から1本の電話がかかってきた。「パーキンソン病でねたきりの妻を看護しているが、自分が風邪を引いて看病できなくなった。助けてもらえないか」というものだった。事務局員の栗栖須美子さんは深く同情し「そちらにお伺いできる会員を探してみます」と約束した。

■「他人さんの家に入って仕事をするなんて、とてもできません」当時の97人の女性会員のうち90人からそう言われた。「次の人がダメだったら、明日自分が仕事を休んで行ってあげよう」そう思って91人目の女会員に電話すると「それはお困りでしょう。私が行きましょう」という返事だった。「長い看病の末に主人を亡くし、その間いろんな人にお世話になりました。その恩返しのつもりでシルバーに入りましたから…」と彼女は言ったという。

■核家族化が進み高齢者だけの世帯が増える中、困ったことが起きたら誰かが助けなければならない。それに最もふさわしいのは家事のプロであるシルバーの女性会員である…、栗栖さんはそう確信し、以後、自分自身が発注者と会員の間を橋渡しするコーディネーターとなり、仕事の受け方、進め方、フォローの仕方、会員に対する教育研修の仕方方法を確立。それをビデオ教材にまとめて全国のシルバーに紹介した。これが全国のシルバーにとっての家事援助サービス事業のはじまりとなった。

取材先 広島市シルバー人材センター
取材 1992/05/18
、2008/10/22
掲載 月刊シルバー人材センター1992/08
2009/01

←広島市シルバー人材センターの料理教室
 
【150202】福祉家事援助サービス事業を開始  

小林市シルバー人材センター(宮崎県)は、19981999年の奉仕活動として1人暮らしの高齢者宅の清掃や家屋の補修を行った。このとき大いに喜ばれたことがきっかけとなり、女性会員による福祉家事援助サービス事業に進出することを決めた。40人の女性会員がヘルパー資格を取得。事務局員1人をコーディネーターに選任。1999年から福祉家事援助サービス事業に取り組んでいる。

取材先 
小林市シルバー人材センター
取材 1999/11/01

掲載 月刊シルバー人材センター2000/02
【150203】ライフサポート事業を開始   


熊本市シルバー人材センターは、1999年から「ライフサポート事業」をはじめた。65歳以上の高齢者世帯を対象に、会員が家事や家庭内の小修理を手伝うもの。男女2〜3人のチームが簡単な掃除や家具の移動などの仕事を車でさっと行ってさっと片付けてくる。料金は1時間程度の仕事で1000円から。

取材先 
熊本市シルバー人材センター
取材 2001/05/14

掲載 月刊シルバー人材センター2001/08

 
【150204】いきいきデイサービスサロン  

府中町シルバー人材センター(広島県)は、町内8カ所の集会所や公共施設で、週1回サテライト型デイサービス「いきいきデイサービスシルバーサロン」を展開している。要介護認定非該当で比較的元気だが日常生活に不安のある高齢者が対象。看護士資格を持つ3人の会員とホームヘルパー資格を持つ2人の会員がローテーション就業しており、日常生活の動作訓練、趣味活動、食事サービスなどを提供する。1人ひとり血圧を測って健康状態をチェックした後、みんなで一緒に健康体操(輪投げ、風船バレー、ゲーゴルゲームなど)や趣味活動(折紙、手芸、陶芸、茶道など)を楽しみ、合間に食事やおやつの時間が組まれている。

取材先 
府中町シルバー人材センター
取材 2002/05/17

掲載 月刊シルバー人材センター2002/08
 
↑左:アオーデオンの歌唱指導でみんなで歌う、右:廃品を利用した趣味の手芸
 
【150205】 ホームヘルプサービスから訪問介護サービスへ  


相生上郡広域シルバー人材センター(兵庫県)は、1992年以来相生市からホームヘルプサービス事業を受託。支援を必要とする高齢者のお宅を、会員が2人1組で訪問し、ホームヘルプサービスを行っていた。2000年からの介護保険制度開始に伴い、このサービスは介護保険に移行。センターも訪問介護指定業者の認可を受け、それまでのホームヘルプサービス利用者で要介護・要支援認定を受けた人たちの訪問介護サービスを行っている。
シルバーにケアマネジャー資格を持つ人がいないため、コーディネーターが社協のケアマネジャーらと緊密に連絡し、ケアマネジャーによるケアプランで割り当てられた利用者宅への訪問介護を行なっている。

取材先 相生上郡広域シルバー人材センター
取材 2002/06/13

掲載 月刊シルバー人材センター2002/09

 
↑左月1回のヘルパー連絡会:、右:介護実習
 
【150206】訪問介護事業への参入  


四日市市シルバー人材センター(三重県)は、1995年から福祉家事援助サービス事業を開始。その利用者を対象に2000年からの介護保険事業に参入した。
コーディネーターが市内の支援事業者のケアマネジャーたち連絡をとり、ケアプランで割り当てられた利用者宅を訪問介護する。全市から集った会員が市内のどの地域からの依頼にも対応できること、福祉家事援助サービスとの併用が可能という便利さも加わって、訪問介護の依頼は増えている。

取材先 四日市市シルバー人材センター
取材 2004/03/18
掲載 月刊シルバー人材センター2004/06

 
↑左:ホームヘルパー勉強会のケアプラン作成実習、右:介護実習
 
【150207】介護保険事業に参入する  


福井市シルバー人材センターは、2000年の介護保険制度スタートと同時に介護保険事業に参入した。会員75人がヘルパー資格を、朝倉由美子事務局長がケアマネジャーの資格を取得。長年の福祉家事援助サービス事業実績をバックに、訪問介護、居宅介護支援を開始した。
2003年からは「ひだまりの家」をオープンさせて通所介護にも参入。送迎バスで利用者を集め、健康チェック、入浴、趣味・個人活動、昼食、昼寝、遊び、リハビリなどを行っている。さらに、無許可託児事業「シルバーママサービス」や障害者ケアもここで行っている。

取材先 福井市シルバー人材センター
取材 2005/07/08
掲載 2006全シ協資料

 
↑左:ひだまりの家外観、右:テレビを楽しむ利用者たち
 
【150208】デイサービスセンターまで送迎する   


大野市SC(福井県)の就業先のひとつに高齢者福祉施設がある。ここでは調理手伝い、食事の介助、洗濯、洗濯した衣類を畳む作業、施設の清掃などのほか、デイサービスセンターへの利用者の送迎をシルバー会員が引き受けている。
取材先 大野市シルバー人材センター
取材 2008/09/03
掲載 月刊シルバー人材センター2008/11

  
  ←デイサービスセンターへの送迎  
 
【150209】高齢者の困りごとを引き受ける   


■八代市シルバー人材センター(熊本県)では八代市の支援を得て「ワンコインながいきサポート事業」を展開している。
■高齢者家庭のちょっとした困りごとを100円または500円で引き受けることを通して、高齢者宅を訪問し、安否確認するというもの。
■たとえば、電球の取り換え、ゴミ出し、植木の水やり、食器洗い、洗濯物の取りこみまたは干すだけ…など10分程度でできるちょっとした困りごとを100円、1時間以内でできる買い物、資源ゴミ出し、洗車…などを500円で引き受けている。

取材先 八代市シルバー人材センター
取材 2010/06/18

掲載 月刊シルバー人材センター2010/09
  

←電球を取り換える
 
【150210】シルバーデイサービスセンターを開設する  

■伊丹市SC(兵庫県)では2005年から民家を改装して「シルバーデイサービスセンター」を開設している。看護師資格を持った会員がリーダーとなり、ヘルパー資格を持った会員12人、調理担当の会員5人、送迎担当の会員3人が就業。収容人員は7〜8人。食事を提供し、入浴サービスを行い、みんなで一緒に楽しんでもらう。

取材先 伊丹市シルバー人材センター
取材 2012/09/18
掲載 
月刊シルバー人材センター201212
  


↑左;シルバーデイサービスセンターの外観、右:利用者によるお雛様づくり
 
【150211】シルバー孫の手安心サポート事業  

■長浜市シルバー人材センター(滋賀県)は、2012年からの企画提案方式事業として「シルバー孫の手安心サポート事業」を実施している。電球の取替え、洗濯物干し、ゴミ出し、銀行振り込み、回覧板回し、花の水やり、突発的な買い物など30分以内のちょっとした仕事を6回分3300円で引き受ける。 

取材先 長浜市シルバー人材センター
取材 2012/09/24
掲載 
月刊シルバー人材センター201212

 
 【150212】シルバーレンジャー隊を展開  


■倉敷市シルバー人材センター(岡山県)は、「シルバーレンジャー隊」として高齢者や1人暮らし世帯を対象に次のような1時間程度で完了する仕事を引き受けている。
@子育てママへの育児支援サービス
A寝たきりや外出困難者のための出張理容サービス
B老人施設、養護施設などで利用者を対象に開催する出前手芸講座

取材先 倉敷市シルバー人材センター
取材 2013/06/24
掲載 
月刊シルバー人材センター201309

  ←出張理容サービス
 
 【150213】シルバーサポート事業と生涯学習支援事業を展開する  
 

■甲賀市シルバー人材センター(滋賀県)は、2012年度からの企画提案方式事業として、「シルバーサポート事業」と「生涯現役・生涯学習・いきいき生活支援事業」を行なっている。

■シルバーサポート事業は、高齢者世帯と障害者世帯を対象に掃除洗濯買物電球の交換など短時間できる仕事を引き受けるもので、利用料金の半額を市が助成している。

■生涯現役・生涯学習・いきいき生活支援事業は、市の生涯学習推進の方針に沿って、指編み体験講座、太極拳体験基礎講座、手作り布草履制作講座、コーヒー淹れ方講座、障子張替講座、襖張替講座の6講座を開講している。 

取材先 甲賀市シルバー人材センター
取材 2013/06/18
掲載 
月刊シルバー人材センター201309

  
↑太極拳体験基礎講座と手作り草履制作講座
 
【150214】高齢者の話を傾聴する  

■高齢者やその家族の話を「傾聴」し、心のケアをすることは、高齢者の老化や認知症を予防につながる。芦屋市シルバー人材センター(兵庫県)では心理カウンセラーや「いのちの電話」の相談員の経験のある会員が仲間を募り、「傾聴」の技術や進め方を研究して、それを事業化している。

■「傾聴」は一般的にはボランティア活動として行われるが、それでは事業の継続が難しいとして、有償事業化をめざし、高齢者の心を聴き分けられるプロとして、メンバーの傾聴技術のレベルアップに力を注いでいる。

■具体的には、基礎研修の後、聴き手と話し手に分かれた40時間のロールプレイと、特別養護老人ホームでの20回以上の傾聴実習を終了したメンバーに対して独自の認定試験を行い、その合格者だけが有償の傾聴サービスを行う。

■これと並行して同グループは「傾聴」の大切さの啓蒙にも力を注ぎ、市民を対象に「やさしい傾聴講座」を開講。市議会からも依頼され、議員研修として「これからの高齢者福祉と傾聴」の講演を行なっている。


取材先 芦屋市シルバー人材センター
取材 2014/06/27
掲載 月刊シルバー人材センター201409

 
 
 【150215】親孝行代行サービスを呼びかける  

■剪定、除草、家事援助サービスなどの仕事は全国のほとんどのシルバーセンターで実施しており、高齢化が進むとともに自分たちでできなくなった世帯からそれらの依頼がシルバーに寄せられる。それらをシルバーに頼みたいと思っているのは、親を案じた子供世代であることも多い。そして現代は、子供世代が親世代と離れた他都市で暮らしていることが多い。

■そこで、北九州市シルバー人材センター(福岡県)では「親孝行をお手伝いします」というパンフレットを作成し。北九州市内の大学の同窓会支部に送ったり、北九州市のふるさと納税返礼品のひとつとして「親孝行代行サービス」を加えてもらっている。さらに全国のシルバーセンターに連携を呼びかけて、離れた地域に住んでいる子供世代からの依頼に各地のシルバーセンターが応じる体制にあることを伝えようと訴えている。

取材先 北九州市シルバー人材センター
取材 2016/07/21
掲載 
月刊シルバー人材センター201610

 
【150216】脳トレサロンを開催する   


■八幡市シルバー人材センター(京都府)では、女性会員が指導員となり、地域の自治会や老人会からの依頼に応じて「脳トレサロン」を開いている。

■たとえば、20人ほどの集まりで、いくつかのグループに分かれ、グループごとに1人ずつ順番に自己紹介する。その後、グループの全員が別室で少し変装してから元の部屋に戻り、さっきとどこが変ったかを他のグループが当てるというゲームをする。「スカーフをつけた」「上着の袖をまくり上げている」「靴をスリッパに履き替えた」など。観察力と記憶力を競いつつ、みんなでわいわい言い合いながら、頭を使って認知症予防をめざす。

■毎回ほぼ同じメンバーが参加するので、1時間半のメニューはその都度少しずつ変えている。そのために指導員たちは、月1回会議を開き、前回の反省を踏まえて次回もっと参加者を惹きつけるために工夫をこらすという。

取材先 八幡市
シルバー人材センター
取材 2015/10/27
掲載 月刊シルバー人材センター2016/01

  ←脳トレサロン
 
【150217】笑いと健康のお届け隊   

兵庫県養父市では公民館や集会所で市内の高齢者を対象に「毎日元気にクラス」を開催している。運動を習慣づけ、食生活を改善し、人との交流を図る活動で、11時間の20回コース。「笑いと健康お届け隊」と呼ばれる養父市シルバー人材センターの女性会員がこの指導員を務めている。元気な高齢者が、その元気を市内154行政区の高齢者に広げることで、認知症を予防、医療費拡大の抑制をめざす。

取材先 養父市シルバー人材センター
取材 2016/11/28
掲載 
月刊シルバー人材センター201702 
 
 ▲ページトップへ