絵で見る創意くふう事典 》 第13章 お客様 》 J新製品・新事業を開発する | |||||
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お客様‐1311 J新製品・新事業を開発する | |||||
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このページの掲載事例→ | ●131101 | ||||
●131102 自転車をパンクから守るエアハブ | |||||
●131103 緩まないナットを開発する | |||||
●131104 遠隔地コミュニケーションシステムの開発 | |||||
●131105 無浸漬豆乳プラントを開発する | |||||
●131106 組紐の用途を広げる | |||||
●131107 農業に加工と流通と非日常を取り込む | |||||
●131108 オリジナル商品で知名度と収益力を高める | |||||
●131109 高齢者のための滑らない・転ばない靴をつくる | |||||
●131110 クレープ紙の新たな用途を開発する | |||||
●131111 シリコン樹脂で足底板と人工乳房を開発する | |||||
●131112 ミラーの用途を広げる | |||||
●131113 食の安全安心を追求する | |||||
●131114 地中熱をハウス農業や住宅暖房に利用する | |||||
【131101】 | |||||
【131102】 自転車をパンクから守るエアハブ | |||||
■自転車の車体と2つの車輪を結びつける回転軸部分をハブという。中野鉄工所(大阪府堺市)は、このハブにエアポンプを組み込んで、自転車が走るとタイヤチューブにエアを供給しタイヤチューブの気圧を一定レベルまで高める「エアハブ」という装置を開発した。 ■気圧が一定レベルを越えると調整バルブが働いてエアは外に逃げるようになっており、タイヤはいつもパンと張っている。自転車のパンクの多くは空気圧の低下が原因で、エアハブによって一定の空気圧を保つことで自転車のパンクは大幅に減る。 ■2005年「ものづくり日本大賞・経済産業大臣特別賞」を受賞。このエアハブ搭載の自転車は、中国からの安価な輸入品自転車が増える中、高機能自転車の新しい可能性を広げている。 取材先 中野鉄工所 |
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【131103】 緩まないナットを開発する | |||||
■これを発明した若林克彦さんは、若い頃、コイルバネがボルトのネジ山を押し付けて緩みにくくした緩まないナットの試供品を大阪国際見本市でみつけ、コイルバネを板バネに変えた「Uナット」を開発。さらに神社の鳥居にくさびが撃ち込まれているのを見て、1974年ハードロックナットを開発した。 ■緩まない、外れない、従って点検不要のナットは、最初は阪神電鉄で、次いで、新幹線で、最近では明石海峡大橋、東京スカイツリーのほか、世界中で使われている。 取材先 ハードロック工業 |
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【131104】 遠隔地コミュニケーションシステムの開発 | |||||
■SOBAプロジェクトの乾和志社長は大手制御機器メーカー、オムロンで「UNIXワークステーション」というコンピュータの開発を手掛けていた。しかし、マイクロソフト社のウィンドウズNTの登場で市場環境が大きく変化。オムロンはワークステーション事業から手を引くことになり、乾さんは映像・音声・文字情報などを双方向でやり取りするネットワークアプリケーションの開発に取り組むことになった。 ■このプロジェクトには国内の複数の有名大学とNTTコムウェアが参加。そこから、テレビ会議システム、遠隔教育システム、遠隔医療システムなどのベースとなるアプリケーションソフト「SOBAフレームワーク」が誕生した。SOBAはSession Oriented Broadband Applicationsの頭文字。複数の人々が映像・音声・文字情報を双方向でやり取りする技術を指す。 ■オムロンはこの技術を知的所有権として保有するだけにとどめる意向だったが、乾さんは事業化を強く進言。技術本部長を説得し、技術本部長から社長を説得して貰って、2006年オムロンの子会社として「SOBAプロジェクト」が設立された。同社はその後、会議システム「ソーバ・ミエルカ」、通信教育システム、遠隔医療システムなどを世に送り出し、それまでになかった遠隔地コミュニケーションの新しい可能性を開いている。
取材先 SOBAプロジェクト |
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セッションの画像(左)とSOBAスクールの画像 |
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【131105】 無浸漬豆乳プラントを開発する | |||||
■食品加工機械メーカー、潟純Cエスピーが開発した「無浸漬豆乳プラント・エコスター」は、自動的に大豆の皮を除去し、水を加えながら粉砕、加熱しすることで、わずか20分で豆乳を作る。水の使用量が激減、排水処理も軽減され、工場スペースがコンパクトになり、豆腐製造コストを大幅に削減するほか、豆乳の品質が安定し、味もが向上する。 ■2013年「ものづくり日本大賞・内閣総理大臣賞」を受賞。各地から引き合いが殺到するようになったという。 取材先 ワイエスピー |
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無浸漬豆乳プラント・エコスター |
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【131106】組紐の用途を広げる | |||||
■ティビーアール鰍フ福井宏海社長は、先代が開発した組紐ロープ製造機によって、組紐の特徴を生かした漁網を開発して需要先を広げ、さらに環境分野の需要までとりこんで、組紐の可能性を広げた。 ■水産関係の組紐製品として次のようなものがある。 ■1994年から沿岸200海里が排他的経済水域となって日本の遠洋漁業が後退してからは水産分野以外の用途開発に力を入れている。 取材先 ティビーアール |
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貝を吊るしたループコード(左)とネッティングロープ |
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【131107】 農業に加工と流通と非日常を取り込む | |||||
取材先 伊賀の里モクモク手づくりファーム |
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農業体験(左)と園内レストラン |
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【131108】オリジナル商品で知名度と収益力を高める | |||||
■たとえば… ■受託製作装置は納入したらそれで終わりだが、これらは、商品の良さをわかって貰えれば、多くの人に繰り返し買ってもらえる。そういうオリジナル商品を次々開発していけば、会社はもう1段高いステージに上がれる…鈴木豊社長はそう考えた。 ■東京ビッグサイトの国際展示場に潤滑剤「ベルハンマー」を出展。レバーを引けば回転体にブレーキがかかる極圧性能試験器を製作し、通常の潤滑剤を付けてレバーを引くとかなりの力を加えてようやく回転がとまるが、「ベルハンマー」だと1人がどれほど力を込めても回転を止めることができないことを実証実験したところ、黒山の人だかりができ、それがテレビに取り上げられ、爆発的に売れ、以来今日に至るまでとだえることのない注文が続いている。 取材先 スズキ機工 |
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ベルハンマー(左)とベルシザー |
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【131109】高齢者のための滑らない・転ばない靴をつくる |
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■そんなとき、高齢者施設から、高齢者のための、滑らない靴、転ばない靴を作ってほしいという依頼があり、十河孝男社長と副社長のヒロ子夫人はいくつかの高齢者施設を回って、歩行事情、履物事情を調査し、500人に試着してもらいながら介護シューズを作り上げ、自らメーカーとしてこれを販売した。 ■「あゆみシリーズ」と名付けられた介護シューズは、つま先部分に反り返りをつくって、小さな段差に躓いて転ばないようにしている。足の側面から大きなマジックベルトで甲を覆い、足を包み込むようにして固定する。また、施設用・外出用・室内用などの用途に合わせて、材質・色・デザインのバリエーションがあり、それぞれに足長・足幅・靴底の高さ・ベルトの長さ・利き手に合わせたベルトの開閉方向を選ぶことができる。また、業界ではじめて左右別々のサイズの注文にも応じられるようにしている。 取材先 徳武産業 |
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←介護シューズ・あゆみ | |||||
【131110】クレープ紙の新たな用途を開発する | |||||
■タオルメーカーが南高梅の種を焼いて作った炭の粉末を糸に混入し、その糸で消臭効果のあるタオルを開発したことがヒントとなって、原料の古紙に食品廃棄物をリサイクルした炭を加えることで、消臭効果のあるクレープ紙を開発。靴の消臭材シートなど、ノベルティ商品を企業団体向けに販売を始めた。 ■並行して、使用済みのコピー用紙を小ロットで再生する新事業も生まれた。事業所から出る使用済みのコピー用紙を回収し、それをリサイクルし、封筒・名刺・便箋・メモ用紙などに加工して送り返すもの。封筒やメモ用紙には「100%再生紙、環境にやさしい無漂白、弊社は不要コピー用紙をリサイクルしています」と小さく印刷されていて、申込企業の環境への貢献をアピールでき、企業団体の環境意識の高まりとともに注文が増えている。 |
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「SUMIDECO」(左)と「PELP!」 |
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【131111】シリコン樹脂で足底板と人工乳房を開発する | |||||
■1年間の研究と試行錯誤の末、シリコーン樹脂の独自の成型方法を開発。日米英独仏など9カ国の特許を取得し、シリコーン製足底板の製造販売をはじめた。 ■シリコーンで人口乳房を製作した。乳がんの治療で乳房を切除した女性の残った乳房から型を取り、それを左右反転させた形をシリコーンで作って中にスポンジを入れる。当初は淡色のベージュだったが、患者たちが色も形もリアルな乳房の再現を望んでいることがわかり、残った乳房と同じ色になるようにした。 ■しかし、シリコーンの上から色を塗れば衣服でこすれてはげ落ちる。そこで、半透明のシリコーンの裏側から筆で着色した。同じ方法で、事故や病気で手指、鼻、耳を失った人のための「スキルナー」も作られるようになった。 取材先 中村ブレイス |
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シリコーン製足底板(左)と人口乳房 |
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【131112】ミラーの用途を広げる | |||||
■その「回転ミラックス」をまとめて30個買っていった人がいた。それらがどんな風に使われているのか、当初見当がつかなかったが、調べてみると、スーパーマーケットで万引き防止に使われていることが分かった。 ■以来、コミーは看板屋からミラーメーカーに転身。ミラーの用途開発に力を注ぎ、エレベーターに乗っている人と外で待っている人が互いの様子を確認するためのミラー、航空機の手荷物棚に手荷物が残っていないかを確認するためのミラー、学校で子供たちの衝突防止用のミラーなどを開発した。 取材先 コミー |
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回転看板(左)と回転ミラックス |
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【131113】食の安心安全を追求する | |||||
■同生協は、この活動を通じて組合員の意見を汲み上げ、安全安心の食品づくりに力を注いできた。たとえば、次のような例がある。 取材先 コープこうべ |
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←家庭会の料理講習会 | |||||
【131114】地中熱をハウス農業や住宅暖房に利用する | |||||
■福宮さんの地中熱利用事業構想は「埼玉県いちおし起業プラン大賞特別賞」を受賞。それを機に胡蝶蘭農場でこれを応用する機会を得て大きなエネルギ―コスト削減実績をあげた。 ■その後、地中熱を利用して戸建て住宅、老人ホーム、保育園、病院、大学などの冷暖房や床暖房のシステムを作るなど、実績を積み、サービス内容も年々高度化している。 取材先 アグリクラスター |
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y←地中熱を利用した胡蝶蘭ハウス農園 | |||||
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