絵で見る創意くふう事典  》 第13章 お客様  》 E個別のニーズに対応する
 
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お客様‐1306 E個別のニーズに対応する BACKNEXT


 このページの掲載事例→                ●130601 袋菓子をバラ売りする  
 ●130602 コーヒー豆を量り売りする  
 ●130603 通常パックと少量パックを並べて陳列する  
 ●130604 通常品とこだわり品を並べて陳列する  
 ●130605 好みのつき加減で精米できるようにする  
 ●130606 要望に応じて魚を調理する
 ●130607 電子レンジと氷の提供サービスを行なう  
 ●130608 その人だけのスポーツ用品をつくる  
 ●130609 気軽に声をかけてくださいと呼びかける  
 ●130610 お客様1人ひとりにピッタリの対応をする  
 ●130611 プーリーを多品種微量生産する
 ●130612 バネを多品種微量生産する
 ●130613 貸付先の事業運営状況を正確に把握する
 ●130614 お客様と一緒に家を作る
 
【130601】 袋菓子をばら売りする  

■スーパーマーケット、ハローデイの加冶敬通社長が店長だったとき、売上を伸ばすために、品揃えを工夫したり、ディスプレイを工夫したり、あらゆることを試みた。最後にお客様に直接意見を聞いてみることにした。

■「何か不便なことはありませんか」とひとりひとりに尋ねて回った時、あるおばあさんが言った「私はチョコパイが好きなの。でもあれは六個入りで,私一人じゃ一度に食べ切れない。何とかならない?」

■そこで、加冶さんは、翌日チョコパイとそれ以外のいくつかの袋菓子をバラして取り混ぜ,一山いくらで販売することにした。お婆さんは喜んで買っていってくれ,他のお客様も興味を示して買ってくれた。

■「この店はお客の声を聴いてくれる」という評判がその後の業績につながったという。


取材先 ハローデイ
取材 2013/11/19
掲載 リーダーシップ2014/01

探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki152.html
   
 
【130602】 コーヒー豆を量り売りする   

スーパーのライフコーポレーションでは、好みの種類のコーヒー豆を好みの量だけ変えるように、コーヒー豆の量り売り機を備えている。客は好みの豆のレバーを引いて豆を引いて袋に入れ、右の計量機に載せ、計量記録シールを貼ってレジに持っていく。














取材先 ライフコーポレーション
取材 2000/01/07
掲載 燃えよリーダー2000/02
   
 
【130603】 通常パックと少量パックを並べて陳列する  
 
独居高齢者や未婚の単身者など、一人住まいの人が増えた。そこで、惣菜を通常パックと高齢者・単身者用の少量パックを上下の棚に並べて陳列した。



取材先 ライフコーポレーション
取材 2000/01/07
掲載 燃えよリーダー2000/02
   
 
【130604】 通常品とこだわり品を並べて陳列する  

生鮮食品では通常品と有機・減農薬栽培の自然派食品、豆腐や漬物などの加工食品では普及品と老舗のこだわり品を並べて陳列し、比べ安く、選びやすくした。





取材先 ライフコーポレーション
取材 2000/01/07
掲載 燃えよリーダー2000/02
   
 
【130605】 好みのつき加減で精米できるようにする   

米穀売り場に精米機を設置。お客様が自由に玄米を選んで精米機に入れ、好みのつき加減(ぶつき、普通、上白の3段階)で精米できるようにした。









取材先 ライフコーポレーション
取材 2000/01/07
掲載 燃えよリーダー2000/02
   
 
 【130606】 要望に応じて魚を調理する  

鮮魚売り場では陳列台に面してガラス越しに調理場を設置。産地直送の「丸まま」の魚を、お客様の要望に応じて、ウロコやワタをとったり、3枚におろすなどの調理サービスをしてもらえる。






取材先 ライフコーポレーション
取材 2000/01/07
掲載 燃えよリーダー2000/02
 
     
 
【130607】 電子レンジと氷の提供サービスを行なう  

弁当を購入したお客様がすぐに温められるようにレジの先に電子レンジを設置している。また、冷凍食品が家に帰るまで溶けないように氷を用意し、自由に利用できるようにした。











取材先 ライフコーポレーション
取材 2000/01/07
掲載 燃えよリーダー2000/02
   
 
【130608】 その人だけのスポーツ用品をつくる   

スポーツ用品店で、自分なりのスポーツを追求する人のために、1人ひとりのクセや身体的特徴に合わせて、グラブやシューズなどを微妙に調整するサービスを行っている。


取材先 美津濃淀屋橋店
取材 1999/12/17
掲載 燃えよリーダー2000/02
   
 
【130609】 気軽に声をかけてくださいと呼びかける  

スポーツ用品は使ってみてはじめて効果を発揮する。販売員がお客様のニーズを把握して、それに合った商品をお勧めすることが大切だ。そこでアドバイスのきっかけをつかむために、お客様から気軽に声をかけてもらえるよう「修理を承ります」「ラッピングサービスいたします」等々、店内には様々な呼びかけが張ってある。「絶対ミズノ宣言」は「製品の優秀さを知っていただくため、私たちは十分な知識を身につけ、お客様に役立つ情報、サービスを提供します」と宣言するもので、お客様の目に触れるところに掲示して自分たちの襟を正し、お客様に「安心して声をかけてください」と呼びかけている。


取材先 美津濃淀屋橋店
取材 1999/12/17
掲載 燃えよリーダー2000/02
 
 
【130610】 お客様1人ひとりにぴったりの対応をする  

千葉夷隅ゴルフクラブでは、アンケートやお客様情報カードによる情報を、お客様1人ひとりについてデータベース化している。そこには氏名、年齢、住所、勤務先、趣味、来場歴、利用コース、ゴルフのハンディキャップ、クセ、料理の好み、社員が見聞きした情報などが集積されており、ゴルフ場内のどの端末からでも、図のような画面で確認することができる。

■受付、キャディ、レストランのウエイトレスたちは、これによって、お客様1人ひとりを名前で呼び、ぴったりの話題をもちかけ、好みに合った料理を出すなど。ぴったりの対応を心がけている。

取材先 千葉夷隅ゴルフクラブ
取材 2002/09/22
掲載 燃えよリーダー2002/11

探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki003.html
 
 
 【130611】 プーリーを多品種微量生産する  


■エンジンやモーターの回転をベルトを介して伝達する滑車「プーリー」の需要の大半は自動車・家電向けだが、発注量の多い仕事は規格や価格が発注者主導で決まり、プーリーメーカーとしては主体的な事業運営が困難になる。そこで、鍋谷バイテックは、自動車・家電から撤退し、送風機・発電機・コンプレッサー・産業機械・建設用機械など、受注ロットの小さい注文にきめ細かく対応している。

■そのために「寿司バーコンセプト」と呼ばれる生産方式を採用。「アワビ」「ハマチ」「トロ」…という目の前の客の注文に「はいよ!」と応えて、すぐに握って1品ずつ出す、という意味である。

■「寿司バーコンセプト」によって、毎日出荷した分だけ製造するが、既製品の工作機械は殆どが大量生産向けにできており、高性能すぎ、高速すぎ、高価すぎる。そこで、同社は12個単位のプーリーの生産に適した加工機を内作している。

■加工機の内作のためのスタッフは現在13人。全員が製造オペレーターとして採用された人たちで、選抜されてここに配属され、システムメーカーの講習会に参加して知識を広げ、後はOJTで先輩から教わりながら機械をつくる。1台の機械を作り上げるのに数週間から半年程度。何年かここで加工機づくりに携わった後は、製造部門の管理監督者として再び現場に戻っていくという。

取材先 鍋屋バイテック
取材 2007/07/05
掲載 ポジティブ2007/09
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki044.html

 
↑プーリー(左)と内作加工機
 
 【130612】 バネを多品種微量生産する  


1934年創業の東海バネ工業は、バネメーカーとしては後発で、創業当時量産市場はすでに先進メーカーによって押さえられていた。そこで、1個〜数個の小ロットで手間がかかり高い精度が要求される特殊バネの注文を引き受けてきた。

■発注者は重厚長大の大手企業で,当初は見積額からいくらか値引きすることが慣例だったが、言い値で買ってもらえるようにするために、自社でしかできない技術の確立を目指した。

■毎回特殊なバネづくりに取り組む中で、自社なりにつくり上げた独自の技術がたくさんあった。それをより高めるために、1970年代にコンピュータの活用を決め、過去の受注データ(設計図面と製作過程でどんな問題があり、それをどう解決したか)をすべてデータベース化した。これにより、過去に受注した仕事をすぐに確認し、その上に新しい工夫を付け加えることが容易になった。

■熱い、重い…という3K仕事の大変さを軽減するために自動化も推進。さらに、受注から出荷までの営業・生産・技術の仕事の流れを一元化し、画面上で見えるようにし、納期厳守も徹底している。

取材先 東海バネ工業
取材 2017/09/25
掲載 リーダーシップ2017/11
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki197.html 

 
↑コイリングマシン(左)とコイルバネの焼き入れ
 
 【130613】 貸付先の事業運営状況を正確に把握する  


■三井高利(1622元和8年〜1694元禄7年)が伊勢松坂で「越後屋」の看板を掲げて金融業を営んでいた頃のことである。

■高利の主な融資先は郷村の農民たちだった。羽佐田直道著「小説・三井高利」によると、高利のやり方はただ金を貸して利息を取るだけではなかった。母、殊宝がそうしていたのと同じように、常に貸付先の事業運営状況を正確に把握した。

■貸し付けた資金の回収に不安を覚えるような事態があれば、必要に応じて追加融資したり、秋祭りや正月の祝の出費を抑えるように求めたり、冬物野菜を栽培させて、それを他地域で販売して現金化することを支援するなど、返済方法にきめ細かく介入し、指導した。

■ただ、相手が大名や武士の場合はそうはいかなかった。身分が異なるために先方のお家の事情にまで立ち入ることができなかったからである。

取材先 羽佐田直道氏(愛知県東海市)
取材 2020/04/13
掲載先 リーダーシップ2020/06
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki228.html

 ←三井高利夫妻像(写真提供 公益財団法人三井文庫)
 
 【130614】 お客様と一緒に家をつくる   


■大手ハウスメーカーの規格化された家づくり、お客様と折衝するのは営業担当だけという仕事の進め方に、違和感を感じた谷口弘和さんは、お客様と一緒に進める家づくりを目指して谷口工務店を立ち上げた。

■営業担当は置かず、大工も設計士も含めてみんなでお客様に向き合い、日頃から優れた建築を研究吸収して感性を高め、お客様の要望を聞き、提案し、設計し、みんなが施工過程を理解しながら、お客様に喜んでもらえる家づくりを推進。目を見張る業績を上げている。

取材先 谷口工務店
取材 2020/12/07
掲載 リーダーシップ2021/02
探訪記
http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki236.html

 
↑おもてなしの場としての「家」を体感できるMOV-SQUEA
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