絵で見る創意くふう事典  》 第13章 お客様  》 Cお客様を待たせない
 
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お客様‐1304 Cお客様を待たせない BACKNEXT

お客様は商品やサービスを求めてお店にやってきます。しかし、商品やサービスがすぐに手に入れられなければ、期待は不満に変わり、ついには2度と来店してもらえなくなります。ここではお客様の待ち時間を短くする工夫を集めました。

 このページの掲載事例→                 ●130401 造花を立てて応援を求める  
 ●130402 待っている患者さんに声をかける
 ●130403 お客様をレジで待たせない  
 ●130404 お客様に目配りできる位置に立つ  
 ●130405 60分以内にコピー機を修理する 
 ●130406 最短時間で靴下を納品するシステム 
 ●130407 7分以内に料理を提供する 
 ●130408 野菜苗を安定供給する
 
【130401】 造花を立てて応援を求める  

ATMや受付番号札のシステムがまだなかった時代のことである。銀行窓口業務で、通帳への記帳の仕事が溜まってきたとき手の空いている人に応援を求めた。このとき通帳入れの籠に造花を立てることにしていた。お客様に気づかれることなく、それとなく応援の依頼ができる。

取材先 三和銀行
取材 1982
掲載 創意とくふう1982/10 
 
 
【130402】 待っている患者さんに声をかける   
[改善前]
病院の外来患者の診療時間は予約制になっていたが、緊急の患者が入ってきたり、診療が長引くと予約患者の診療時刻がしばしば遅れた。予約時刻を過ぎると患者はいつまで待ったらいいかわからず、自分の番号が表示されるのをじっと待っていて、トイレに立つこともできなかった。
  [改善後]
待っている患者さんに次のようにきめ細かく目配りと気配りをすることにした。
@30分ごとに「何かお困りに方はおられませんか」「長時間お待ちの方はおおられませんか」と声をかける。
Aあとどれくらい待てばよいかを説明する
B特に新患の患者さんに目配りする。
     
取材先 日本鋼管福山病院
取材 1999/05/26
掲載 課題達成型QCストーリー展開事例集 
 
【130403】 お客様をレジで待たせない  
 
■スーパーマーケットでレジを集中化し、レジが4台から3台に減った。
そのためにお客様を待たせることがないよう、1台のレジで日曜日には1日150万円以上、平日は130万円以上打ち、かつお客様を待たせないという目標を立て、次のような方法で担当者がレジから離れずいつも打てるようにした。
 
 
@レジ台に必要なものを調べて一定量を在庫し、計画的に補充した。

包装紙類…………紙袋、包装紙、のし
レジ集計用品……ジャーナル、ホッチキス、受取証
ギフト包装用品…箱、リボン、筆ペン
配達お届け用品…配達伝票、お届け伝票
清掃用品…………箒、チリトリ
クレジット用品…クレジットカード売上票

A担当者がレジから離れずに済むように次の仕事はSP(スイーパー)が引き受けることにした。
事前の両替/返金の対応/返金の対応/取り消しの対応/質問への対応/値段のわからないときの対応/包装/ひも掛け/クレジットの対応/備品の補充ギフトの対応/お届け・配達伝票の記入、など

Bレジ、サッカー、SP(スイーパー)の1週間のローテーションを次のように決めた。
  
 
Cお客様の多い日曜日には売場要員全員の時間ごとの配置を確かめ、お客様を待たせない応援体制がとれるようにした。 

取材先 ユニー長良店
取材 1988
掲載 Think Up 1988/03
 
【130404】 お客様に目配りできる位置に立つ  
[改善前]
和食レストランで、接客係はサービスカウンターの前に並んでいたが、すべてのお客様に目配りができず、対応が遅れることがあった。
  [改善後]
担当エリアをABCの3つに分け、立ち位置を図のように改めた。これによりフロア全体に目配りができるようになり、お客様の要望にすぐ対応できるようになった
     
取材先 がんこフードサービス十三本店
取材 1998/05/26
掲載 燃えよリーダー 1998/08 
 
【130405】 60分以内にコピー機を修理する  

■福井キャノン事務機では「コピー機がダウンしたから直してほしい」という依頼がお客様から入ると、60分以内に修理するという目標を立てた。

■当時はポケベルの時代。ポケベルが鳴っても通常の業務連絡かトラブルなのかわからない。そこでトラブルのときは“999”それ以外は“777”と表示することにし、トラブル対応を優先させた。

■携帯電話に変わってからはメールで連絡を入れ、開封されたかどうか分かるようにし、開封されるまで自動的に再送を繰返すようにした。

■どんなトラブルにどう対応したらよいか。朝礼で発表し全員で共有化。また各人の業務日報をデータベース化し、情報システムを通じて誰でも見られるようにした。

■トラブル情報をチーム全員に発信。1人の担当者にトラブルが重なった時は他のメンバーが応援できるようにした。

これにより故障連絡から修理までの時間は半年間で平均83分から60分にまで低下した。

取材先 福井キヤノン事務機(tanbouki 002
取材 2005/11/18
掲載 ポジティブ2006/01
本文 fukuicanon.pdf へのリンク 

 
 
【130406】 最短時間で靴下を納品するシステム  

■大阪の靴下卸売業、ダンの創業者、越智直正さんは、創業当初、週1回販売店を訪問し、靴下の各品番、各色の在庫を確認して売れた数を補充していた。

■その後、販売店に電話して在庫を確認するようになった。本部と販売店が各品番と各色が一覧表になった商品リストを持ち、その順番に従って、在庫数を読み上げて貰って在庫と売れた数を確認した。

■次に、靴下に品番とカラーを書いたカードを入れて置き、販売店で売れる度にカードを抜き取り、1週間に1度それをまとめて本部に送り返してもらうようにした。

■近年は、バーコードを使ったPOSシステムで、ネット通信で販売状況を把握している。

■さらに、本部のコンピュータと工場のコンピュータをオンラインで結び、各品番、各色の売上数に基づく本部からの注文がそのまま工場の生産計画に直結。これにより、売れた分はすぐに補充され、品切れ期間は最短化された。

取材先 ダン(tanbouki 003
取材 2005/12/05
掲載 ポジティブ2006/02
本文 dan.pdf へのリンク 

 
 
【130407】 7分以内に料理を提供する  
 
がんこフードサービス難波本店では、近くのショッピング街閉鎖に加えて大型パチンコ店の出店があり、お昼の来店客が急増。それ対応できず料理遅れが発生していた。そこで、調理係1人、接客係3人でQCサークルを編成。注文を受けてから料理を出すまで7分以上かかっている277件/月を3カ月後にゼロにするという目標を立て、次のような改善を行なった。

@時間帯ごとに天婦羅の揚げおき定数を決め、必要量の90%を揚げておき、30分経過すれば廃棄することとし、注文があればすぐに出せるようにした。

A調理場の仕事の配分を見直し、昼間の揚げ場要員を3人体制にした。

Bホールの18テーブルを3エリアに分け、3人の接客係が担当エリアのお客様に目配りすることにした。

C3人の接客係が同じ接客ができるように接客の基本動作を再教育した。

D料理長による料理説明会を実施。早い料理、遅い料理を知り、料理ごとの調理時間を表にまとめた。また、遅い料理の注文を受けたときは「この料理はちょっとお時間をいただきます」と声掛けするようにした。

Eホールから調理場に「まだですか?」とインターフォンするとき、かけ間違いが多かった。そこで、インターフォンの早見表を作った。

F食材の基準在庫量を決め、何時までに誰が何を準備しておかねばならないかを決めた。また、配膳マニュアルを作成。冷めないものは先に置き、揚げ物は最後に置くなど、お膳の組み方の順番を決めた。

G丼ものは配膳係がご飯を盛り、それを寿司カウンターに回してネギトロやイクラを乗せ、再び配膳係に戻してからセットしてホールに出していたが、配膳係がネギトロやイクラを乗せる工程も担当することとして寿司カウンターに回す工程を省いた。

Hすき焼き定食は固形燃料で炊いていたので、お客様が召し上がるまで20分かかっていた。そこで、調理場で鍋を炊いて出すことにしたが、炊き上がったものを出すと見た目が悪い。そこで、温めた熱いダシを小鍋に張り、客席で固形燃料で炊き上げる方法に変えた。これにより召し上がっていただけるまでの時間が5分に短縮された。

Iうまくて、早くて、お値打ち感のある膳ものをサークルで提案した。熊野牛のハリハリ鍋、さんまの棒寿司、海老の棒寿司、穴子の棒寿司をセットにしたもので「豊楽膳」と名付け限定販売した。注文を受けてから2分で出すことができ、好評で売上に貢献した。

■これらにより、3カ月後に7分以上かかったケースは64件にまで減少した。   

取材先 がんこフードサービス(tanbouki 011)
取材 2006/5/1
掲載 ポジティブ2006/08
本文 ganko.pdf へのリンク
 
 
【130408】 野菜苗を安定供給する  


■野菜苗の育苗専門会社、ベルグアースの山口一彦社長が、種苗流通会社の仕入担当者の訪問を受けたときのことである。当時の山口社長は苗の生産、研究開発、販売まで1人で指揮していり、多忙を極め、訪問者を何時間も待たせることになってしまった。

■汗をぬぐいながらようやく対応した山口社長に、訪問者はこう言ったという。「大変ですね。しかし、その様子では当社がお宅と取引するのは難しいですね。ウチはお客様に安定的に商品を提供しなければならないが、あなたの様子を見ていると、1人で手いっぱいだ。あなたが倒れたら、お宅の製品はたちまちストップし、ウチはお客様への供給責任を果たせなくなる」

■以来、山口さんの頭から「供給責任」という言葉が離れなくなった。野菜の種は保存がきくが、苗は保存がきかない。それだけに、苗は農家の収獲時期、それに合わせた植え付け時期に合わせて計画生産されなければならない。山口さんは。この時以来、組織一丸となって生産管理、品質管理、在庫管理により、野菜苗の計画生産体制確立に力を注ぐようになったという。 

取材先 ベルグアース
取材  2011/05/17
掲載  リーダーシップ2011/08
本文  
bergearth.pdf へのリンク

 
↑野菜の育苗ハウス(左)とスイカの苗(右)
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