絵で見る創意くふう事典  》 第13章 お客様  》 @関心を高める
 
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お客様‐1301 @関心を高める BACKNEXT


製品・サービスを売るためには、お客様に関心を持って貰わねばなりません。そのためのくふうを集めました。

 このページの掲載事例→                             ●130101 前進陳列する  
 ●130102 ハンガーを右からかける  
 ●130103 薄い色から濃い色へ順に並べる  
 ●130104 襟が見えるように並べる  
 ●130105 スパイクの底面を見せる  
 ●130106 陳列台にスケールをつける
 ●130107 試着室の壁に身長計をつける  
 ●130108 値引き品コーナーをつくる  
 ●130109 フロアにランダムに靴を並べる  
 ●130110 料理番組の献立に合わせて材料を並べる  
 ●130111 コタツ・座布団・土鍋をセットで販売する  
 ●130112 座ってゆっくり本を選べるようにする
 ●130113 食べごろマークを貼る
 ●130114 月曜日を「ミンチの日」にする
 ●130115 「お客様感謝デー」をつくる
 ●130116 スポーツ記録をポスターにする
 ●130117 日本食の知識を英語で表記する
 ●130118 千代紙細工で日本食の魅力を演出する
 ●130119 おいしいパンの食べ方を発信する
 ●130120 食品中のアレルギー物質を表示する
 ●130121 安心できる食品であることをアピールする
 ●130122 遺伝子組み換えでないことを表示する
 ●130123 広告商品に風船をつける
 ●130124 値引きPOPで窓を覆う
 ●130125 みんなでディスプレイを競う 
 ●130126 店員が作業している様子をみせる
 ●130127 調理している様子を見せる 
 ●130128 トークサロン開催で寒天茶房への来店を促す 
 
【130101】 前進陳列する  

商品を陳列するとき、陳列棚の一番前に整列して並べる。間があいたときは前に詰め、補充するときは一番後ろに補充して、先に仕入れたものが先に出ていくようにする。それを徹底することで、お客様にとっては商品が見やすくなり、先に仕入れたものがいつまでも売れ残るということがなくなる。

取材先 コープこうべ
取材 2000/01/08
掲載先 燃えよリーダー 2000/02
 
 
 
【130102】 ハンガーを右からかける   

ハンガーは必ず右手で持ち、向かって右側からかける。これが統一されていないと右手を左手に持ち替えなければならず、正面に向けるためにひっくり返さなければならなくなる。

取材先 ミズノ淀屋橋店
取材 1999/12/27
掲載先 燃えよリーダー 2000/02
 
 
 
【130103】 薄い色から濃い色へ順に並べる  
 
色違いのものは薄いものから濃いものまで順番に並べる。色の違いが分かり選びやすくなる。

取材先 ミズノ淀屋橋店
取材 1999/12/27
掲載先 燃えよリーダー 2000/02
 
 
 
【130104】 襟が見えるように並べる  

ポロシャツは種類別に分け、一番上だけ襟を手前に向ける。棚の陰に隠れることなく襟の形がわかりやすくなる。

取材先 ミズノ淀屋橋店
取材 1999/12/27
掲載先 燃えよリーダー 2000/02
 
 
 
【130105】 スパイクの底面を見せる   

スパイクシューズは底面の構造と形が特徴。そこで、側面と同時に底面が見えるように陳列する。

取材先 ミズノ淀屋橋店
取材 1999/12/27
掲載先 燃えよリーダー 2000/02
 
 
 
 【130106】 陳列台にスケールをつける  
[改善前]
家庭用品はサイズ表示のないものがあり、お客様に聞かれるたびに物差しを取りに行っていた。
 
 
[改善後]
陳列台の下面に図のようなスケールを取り付けた。




取材先 イズミ
取材 1988
掲載先 ThinkUp 1988/05
 
 
 
【130107】 試着室の壁に身長計をつける  

子供服を買うとき、子供の身長の見当がつかず、迷うお客様が多かった。そこで試着室の壁にサイズ別に色分けした身長計を貼った。




取材先 ジャスコ海南ココ店
取材 1981
掲載先 創意とくふう 1982/01
 
 
 
【130108】 値引き品コーナーをつくる   

スーパーの精肉売場で、値引きした商品があちこちにあると商品全体が古く見える。そこで、値引き品を値引き品コーナーに集め「今日は売り切って明日また新鮮な商品を並べますよ」というイメージを強調した。



取材先 ジャスコ垂水店
取材 1986/04/01
掲載先 ThinkUp 1996/06

 

 
 
【130109】 フロアにランダムに靴を並べる    

フロアにランダムに靴を並べた。これによってお客様は日常と同じ視線から靴を観察ことができ、気軽に履いてみることができる。




取材先 神戸レザークロス
取材 1986/12/24


 
 
【130110】 料理番組の献立に合わせて材料を並べる  

食料品売場で、毎日のテレビの料理番組の献立をポスターに書いて店頭に貼りだし、その下に献立通りの材料を陳列した。主婦に献立のヒントを提供することになり、好評を得た。




参考文献:
販売促進アイデア総集
日本実業出版社 1983

 

 
 
【130111】 コタツ・座布団・土鍋をセットで販売する   

ストーブやセントラルヒーティングが普及している北海道では、それまでコタツはあまり売れていなかったが、コタツを家族団らんのコミュニケーションの道具として訴求するため、畳の上で土鍋や座布団と一緒に展示し、生活スタイルそのものを提案して販売した。



参考文献:
販売促進アイデア総集
日本実業出版社 1983

 
 
 
【130112】 座ってゆっくり本を選べるようにする   

十分な売り場面積のあるある書店の事例。

@お客様にゆっくりと本をえらんでいただくために、本棚の周囲に椅子とテーブルを用意している。
 

 
A少しでも多くの本を直接手に取って選べるよう書棚はすべて縦型。平積み棚はない。お客様のニーズに基づいて選んでいただくためPOPは貼らない。 
 
B豊富な蔵書の中から目的の本を選びやすくするため、天井からは「社会科学」「人文科学」「新書」「選書」「語学」「洋書」「コンピュータ」などの大分類の項目を書いた垂れ幕が下がり、遠くからでも見える。 
 
C書棚の側面には「ビジネス新刊」「社会問題」「海外時事」など中分類の項目が表示される。また、店内の配置図が貼られていて自分の位置がわかる。 
 
D検索コーナーにはタッチパネル式のコンピュータが備えられ、目的の本の在庫があるかどうか、どの書棚にあるかを調べられる。 
 
E今月のベストセラー、今週のベストセラーをひとつのコーナーに集めている。そばには各新聞の書評の綴りがあり、その評判を確かめられる。



取材先 ジュンク堂大阪本店
取材 1999/12/14
掲載先 燃えよリーダー 2000/02
 

 
【130113】 食べごろマークを貼る   

季節の果物や野菜に「旬マーク」「たべごろマーク」を貼る。今が一番のたべごろであることを伝えることで、季節感とおいしさをアピールできる。



取材先 ニチイ
取材 1987
掲載先 ThinkUp 1987/08
  

 
 
【130114】 月曜日を「ミンチの日」にする  

日曜日をリッチに過ごした後の月曜日は節約メニュ―になる家庭が多い。そこで毎週月曜日を「ミンチの日」として子供向け節約メニューを訴えることにした。

@「月曜日はミンチの日」とPOPで表示する。
A「本日はミンチの日」とエンドレステープで連呼する。
Bコロッケ、ハンバーグ、オムレツ、ギョーザ、ロールキャベツなどの料理法を書いたショーカードを展示する。


取材先 ジャスコ垂水店
取材 1986/04/01
掲載先 ThinkUp 1986/06
 
 
 
【130115】 「お客様感謝デー」をつくる   

■郵便局が市街地から移転したため、客足が遠のき売上が低下した。

■そこで毎月1回、近くの日切地蔵の縁日を「お客様感謝デー」として、お地蔵様へのお参りのついでに郵便局に立ち寄ってもらうようにPRすることにした。

@お客様感謝デーには看板を立ててオシボリを出す。

Aお客様感謝デーに貯金していただいたお客様には粗品を進呈する。

B月2回お客様の家庭を回り、チラシを配布して「お客様感謝デー」をPRする。




取材先 東海郵政局金谷郵便局
取材 1992/03/12
掲載先 燃えよリーダー 1992/05
 
 
 
【130116】 スポーツ記録をポスターにする   

■スポーツ用品店で、興味深いスポーツの記録をポスターにして店内に貼っている。
「最多本塁打記録」「最多盗塁記録」「最多併殺記録」「各球場の1試合当たりのホームラン数」「チーム別の試合時間数と延べ投手起用人数」など…。

■お客様に話題を提供し、コミュニケーションのきっかけづくりにしている。



取材先 ミズノ淀屋橋店
取材 1999/12/27
掲載先 燃えよリーダー 2000/02

 
 
 
【130117】 日本食の知識を英語で表示する   

■和食寿司店で外国人のお客様が来られても戸惑わないよう、次のような取り組みを行なった。

@英語版メニューと日本食の素材や食べ方を英語で表記した説明書を作成した。

A接客会話マニュアル(注文編、クレーム編、会計編など)を作成し、アイドルタイムや着替え時間などを利用して英会話のロールプレイングを行なった。




取材先 がんこフードサービス銀座4丁目店
取材 1998/05/28
掲載先 燃えよリーダー 1998/08

 

 
 
【130118】 千代紙細工で日本食の魅力を演出する   

■和食店のQCサークルによるくふう。次のような手づくりの千代紙細工で季節感を演出し、日本食の魅力をアピールした。

@歳時記お箸袋
季節の風情をあしらったお箸袋を手づくりし、懐石料理のお客様にお出しした。 
 

 
A箸置き
平金に千代紙を巻き、蝶結びにしたもの。懐石料理を注文いただいたお客様にお箸袋と一緒にお出しした。
 

B香り人形
千代紙で人形を作り、匂い袋をしびばせ、お子様にプレゼントした。
 

C爪楊枝入れ
千代紙で作った袋に爪楊枝を入れ、祝祭日や年中行事の日の食後にお好みのものをひとつずつお出しすることにした。



取材先 がんこフードサービス古川橋店
取材 1998/12/11
掲載先 課題達成型QCストーリー展開事例集
 

 
【130119】 おいしいパンの食べ方を発信する   

■パン屋の店先に「パンの豆知識」のカードを置いた。

■パンのおいしい食べ方をワンポイントで紹介しており、パン好きの人には興味深く、パンづくりのプロ
としての店のイメージも向上する



取材先 コープこうべ シーアベーカーズガーデン店
取材 1999
掲載先 燃えよリーダー1999/01
 

 
 
【130120】 食品中のアレルギー物質を表示する   

■アレルギー疾患のお客様には、食品の中に玉子や牛乳が入っているかどうかは重大な問題だが、加工食品の場合は外観だけではわからない。

■そこで、パンの種類ごとに、玉子、牛乳、油脂の有無を一覧表にして表示している。 



取材先 コープこうべ シーアベーカーズガーデン店
取材 1999

掲載先 燃えよリーダー 1999/01

 
 
 
【130121】 安心できる食品であることをアピールする    

■毎日食べる食品は安心できるものであってほしい。そこで、コープこうべは全国の生産者と提携して独自のガイドラインによる減農薬、無農薬、有機栽培の農産品や、自然に近い環境で飼育し抗生物質・防カビ剤・成長促進ホルモン剤などを含まない飼料で育てた水産品・畜産品を「フードプラン」の名称で組合員に提供している。

■「フードプラン」商品にはフードプランマークを貼り、ショーカードには生産者の顔写真や連絡先とともに、農薬の使用状況のデータが公表されている。毎日食べる食品は安心できる者であってほしい。そこで、全国の生産者と提携して独自のガイドラインによる減農薬、無農薬、有機栽培の農産品や、自然に近い環境で飼育し抗生物質・防カビ剤・成長促進ホルモン剤などを含まない飼料で育てた水産品・畜産品を「フードプラン」の名称で組合員に提供している。

■「フードプラン」商品にはフードプランマークを貼り、ショーカードには生産者の顔写真や連絡先とともに、農薬の使用状況のデータが公表されている。




取材先 コープこうべ
取材 2000/01/08
掲載先 燃えよリーダー 2000/02
 

 
 
【130122】 遺伝子組み換えでないことを表示する    

■豆腐、揚げ、納豆などの大豆製品に遺伝子組み換え大豆を使用していないことを、個々の製品と売り場に表示して、食品の安全を訴えている。



取材先 コープこうべ
取材 2000/01/08
掲載先 燃えよリーダー 2000/02
  
 
 
【130123】 広告の商品に風船をつける    

■チラシ広告の商品の陳列台に風船をつける。広告商品の位地がすぐにわかり、売り場が楽しくなる。
 



取材先 ニチイ

取材 1987
掲載先 ThinkUp 1987/08
 

 
 
【130124】 値引POPでウィンドウを覆う   

■割引POPで窓をふさぐくらいに覆う。割引セールが行なわれていることがすぐわかり、中を覗き込んでみたい気持ちになる。
 



参考文献:
POPアイデア演出百科

 

 
 
【130125】 みんなでディスプレイを競う   

九州のスーパー、ハローデイの系列店では毎年ディスプレイコンテストを実施している。社員もパートも一緒になってお客様を引き付けるディスプレイに工夫を凝らす。

■天井近くまで盛り上がるように赤・黄・緑の果物のカラーバリエーション、天井から下がったおびただしい数のPOP、果物や野菜は、鮮度や熟れ具合を見せるために半分に切った見本が置かれている。「さあ、私たちが用意した素晴らしい商品を見てください。そして、よかったらどうぞ買っていってください」従業員たちのそんな訴えが伝わってくる。




取材先 ハローデイ
取材 2013/10/21
掲載先 リーダーシップ 2014/01

探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki152.html 

 




 
【130126】 店員が作業している様子をみせる   

店員のいない無人の店に、お客様はほとんど関心を払わない。しかし、店員が店の前に立っていて、珍しいものはないかと店を覗き込んだお客様に、すぐさま「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」と近づくと、ほとんどのお客さまが覗くのをやめて立ち去ってしまう。

■その声かけが、買うか買わないか決めかねているお客様に決断を急がせているように響くからだ。

■気に入るものがあるかどうか、探しているお客様には、その人が「よし、これを買おう」と心を決めるまで、それを遮らないように自由に探してもらうことだ。

■商品を畳んだり、値札を取り付けたり、窓を拭いたり、ひたすらお客さまと関係のない作業をする。それでいて、お客様から説明を求められた時は、すぐに対応できるようにする。

■馬淵哲・南條恵著の「入りやすい店売れる店」(日経ビジネス人文庫)では、そうしたお客様と関係のない作業を「客寄せ踊り」、店の前に立ちはだかって「いらっしゃいませ」と連呼する声を「客追い音頭」と呼んでいる。




参考文献:馬淵哲+南條恵著「入りやすい店、売れる店」(日経ビジネス人文庫、2006)
 
 
 
【130127】 調理している様子を見せる   

■料理を注文してからそれが出来上がってテーブルに運ばれるまで、しばらく時間がかかる。大人たちはその間ゆっくりお茶を飲みながら、おしゃべりして待つが、子供たちはなかなかそれを待ちきれず、「まだかな?」と厨房の方を見る。

■あるインド料理店では、店内から厨房の窓ガラス越しにインド人のシェフがナンをこねて焼いている姿がみわたせる。そのキビキビした動きが興味深く、子供たちは窓ガラスに額を押し当てそれに見入り、料理への期待感を高めていく。

■子どもたちのその様子が周りの大人たちの期待も高めることになる



取材先:川西インディゴ
取材:2013/03/17
 
 
 
 【130128】 トークサロン開催で寒天茶房への来店客を増やす   


■精神障害者の働く場の開拓をめざすNPO法人「多摩くさむらの会」が多摩市内に開店した寒天茶房「遊夢」では、来店客を眼に増やすために毎月1回、店内でトークサロンを開催。あんみつ1杯500円でそれに参加できるようにしている。

■例えば、2000年の三宅島の噴火で島から避難した人とそれを支援している大学教授を招いて「三宅島の人々のいま」というテーマで話してもらったり、「かぐや姫、その悲しい瞳に残されたもの」というテーマで話してもらったり…。

■このトークサロンのことが新聞で取り上げられ、「遊夢」の名前は広く知られるようになり、来店客も増え、障害者の店の出店に難色を示していた商店街の人々からも感謝されるようになった。



取材先 多摩くさむらの会

取材 2018/11/19
掲載先 リーダーシップ 2019/01
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki211.html


 


寒天茶房「遊夢」の外観(上)と店内
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