絵で見る創意くふう事典  》 第8章 環境  》 @原材料のロスを減らす
 
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 環境‐0801 @原材料のロスを減らす  BACK NEXT
このページの掲載事例→               ●080101 ドラムのレジンを使い切る   
 ●080102 洗剤容器にスリキリをつける
 ●080103 研削液の飛散を防止する
 ●080104 ハンダのひっかかりをよくする
 ●080105 不要成型物ができないようにする
 ●080106 パインを皮をつけたまま保管する
 ●080107 豚モモ肉を切り出し部と平行にカットする
 ●080108 焼結工場のコークス使用量を減らす
 
【080101】ドラムのレジンを使い切る  
[改善前]
レジン(樹脂)は粘性が高いため、残量が少なくなると取り出すのに時間がかかり、一部を残したまま缶を業者に返却していた。

  [改善後]
取り出し口の下に平タガネで穴を開け、最後まで中身を取り出しやすくした。
     
 
【080102】洗剤容器にスリキリをつける  
[改善前]
製品を洗浄するとき洗浄剤をカップ一杯使用するが、カップに入れる量が人によってバラツキやムダがあった。

  [改善後]
容器にスリキリをつけて常に一定量を取り出せるようにした。

     
 
 【080103】研削液の飛散を防止する  
[改善前]
研削液ノズルはグラインダーカバーの外にあって、うまくかかりにくく、飛散が激しい。

   [改善後]
ノズルをカバーの内側に取りつけた。研削液が十分にかかり、飛散が少なく、ムダがなくなった

     
 
【080104】ハンダのひっかかりをよくする  
[改善前]
パイプの先を密封するためのハンダは多すぎると玉になって落ちてしまう。


  [改善後]
パイプの先を3カ所かしめ、ハンダののりをよくした。
     
【080105】不要成型物ができないようにする  
[改善前]
樹脂成型するとき注入口から製品までの通路にランナーと呼ぶ不要成型物ができる。


  [改善後]
金型内にヒーターを入れ、ランナーを常に溶融させておき製品だけ取り出す。


     
 
【080106】パインの皮をつけたまま保管する  
[改善前]
スーパーマーケットの食品売場で、カットフルーツのパインは、前日に打ち抜いて本体だけを氷蔵保管していた。しかし、翌日は鮮度が落ちが早く、変色したものはロスになっていた。


  [改善後]
前日に打ち抜くものの、皮も芯も捨てずに、打ち抜いたままの状態で氷蔵保管することにした。これにより鮮度を落とさずにカットフルーツに使用できるようになった。
     
 
 【080107】豚モモ肉を切り出し部と平行にカットする  
[改善前]
豚のモモ肉はラム部と中しきの境でカットしそれぞれ別々にスライスする。はじめに真っ直ぐにナイフを入れるとスライスしたときラム肉にロスが出る。

  [改善後]
ラム肉の凹みの部分で切り出し部と平行にカットするようナイフの入れ方を標準化した。

 
     
 
【080108】焼結工場でコークス使用量を減らす  
 
焼結工場では粉鉱石を焼き固める熱源としてコークスが使われている。
焼結工場の最初の工程では粉鉱石とコークスを混ぜた原料がパレット台車に投入され、次いで点火炉でコークスの表面に火がつけられる。台車の底面は格子状になっており、台車の行程に沿ってダクトが通り、ダクトの先は煙突につながっているから、それによってエアが引きこまれ、コークスは下に燃え広がって粉鉱石を溶解させる。工程の最後まで達すると、台車は床下に回り込み、焼きあがった焼結鉱が滑り落ちて、粉砕機で砕かれ、直径5〜50mmのものが高炉に送られ、5mm未満のものは最初の工程に戻って再び焼き固められる。
この焼結工場のコークス使用量を低減するために次のような改善を行なった。
  
 
[改善1]
粉鉱石とコークスを混ぜた原料の中で表面の火が下まで燃え移っていくとき、下へ行くほど熱が蓄積されていくから、コークスの量が少なくて済む。原料の厚みはパレット台車の構造上600mmが上限だが、その範囲なら厚ければ厚いほどコークス量は少なくて済む。そこで、原料鉱石を偏析整流させ、通気性を改善し、それによって原料の厚みを高くしてコークス使用量を削減した。
粉鉱石とコークスを混ぜた原料は0.01〜10mmくらいの大きさのバラツキがある。これをパレット台車に入れる時、下の方に粗い原料を、上の方ほど細かい原料が来るようにした。それによって原料の厚みを高くし、コークスの使用量を最小限に抑えた。
 
   
[改善2]
高炉の集塵機で回収されたコークスのダスト、鋼板の熱延工程で表面から出るスケール、製鋼工程で発生するスラグなど、従来廃棄されていた各工程で発生する副生品には還元された鉄分が若干残っている。それを酸化せてその時の発生熱を熱源として再利用することにした。
そのために製鉄所内各所からダストやスケールやスラグを集め、ハンドリングしやすい形に揃えたり、粘着性のある副生品から水分を取り除いたり、成分のバラツキを安定させたり…という改善を積み上げ、それら副生品を原料に混ぜてコークスの使用量を減らした。
[改善3]
点火炉はCガス(コークス炉から発生する石炭乾留ガス)を使って原料に点火する。このときバーナーの中心部からCガスを噴出し、その周囲から空気を噴出させて混合して燃やしている。このバーナーを数個まとめて枠で覆い、枠の内側からエアカーテン状に2次空気を噴出させることで燃焼性を改善し、Cガスの使用量を低減した。
   
[改善4]
焼成工程の排熱温度は最も高いところで500〜600℃。これをベルトコンベアで高炉に送るために100℃まで冷却する。この間、大気中に逃がしていた熱を回収してボイラーで蒸気を作り、タービンを回して磁化は転電することにした。
これを実現するために最も高い温度を回収できるように、ヒートパターンを定量化したり、最も高い熱量を得るために適当なコークスの粒度の大きさを探ったりという改善が必要だった。
この排熱利用もまたコークス使用量の低減につながった。
  
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