改善の事典  》 第3章  品質  》 間違ったら先へ進めなくする
 
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i品質-0304 間違ったら先へ進めなくする  
うっかりして間違ったときに、次の手順に進めなくするような機構を「ポカヨケ」といいます。あらかじめポカヨケを組み込んでおけば、ミス防止の効果は確実です。ここではそんな事例を紹介します。
このページの掲載事例→                         ●030401 円盤の裏置きを防止する   
 ●030402 ガイドピンで組み立てミスを防止する
 ●030403 プレスの位置ズレを防止する
 ●030404 所定寸法まで削ったら自動的に止まるようにする
 ●030405 モーターレグの異品混入を防止する
 ●030406 エアカプラーの接続ミスを防止する
 ●030407 シャーシー部品の逆取り付けを防止する
 ●034308 閉鎖弁の逆取り付けを防止する
 ●030409 スイッチの逆付けを防止する
 ●030410 ポンプカバーを間違いなく組み立てる
 ●030411 ブレーキアッシーの組み付けミスを防止する
 
【030401】円盤の裏置きを防止する
[改善前]
円盤状の部品をかしめるとき、円盤の裏と表を間違えると不良になった。
 
[改善後]
円盤を表と裏に置いたときの高さの違いを検知して裏向きに置いたときはかしめ機が作動しないようにした。



取材先 千代田紙工業
取材 1988
掲載先 ThinkUp 1988/12
 
 
 
【030402】ガイドピンで組立ミスを防止する  

組立順序を間違えないために部品の穴を利用してガイドピンを作成した。最初に@の部品をはめ込む。すると3本のピンが残る。それにAをはめる。最後にBを重ねる。これによって組立ミスが起こらなくなった。
  
 
 
 【030403】プレスの位置ズレを防止する  

ワークを正しくセットすればタッチスイッチによってセットが確認され起動スイッチが入るが、位置ズレがあればボタンを押しても起動しない。 



取材先 トヨタ自動車工業
取材 1978
掲載先 自己啓発 1978/03
  
 
【030404】所定寸法まで削ったら自動的に止まるようにする  
[改善前]
平面研削盤でワーク(切刃)を所定寸法まで切削するとき、砥石が摩耗していると切削不足になり再加工が必要になる。
 
[改善後]
所定寸法の高さに検出ピンをセットし、砥石が触れると近接スイッチが働いて砥石の自動降下が停止する装置を作った。



取材先 トヨタ自動車本社工場
取材 1989
掲載先 ThinkUp 1989/12
 
 
【030405】モーターレグの異品混入を防止する  
[改善前]
モーターレグは機種によって様々な形のものがあるが、間違えてコンベヤーに投入するとどの機種のものでも通ってしまった。

 
[改善後]
レグの形に合わせた「門番」を作り、そこを通らせることにした。門番の形に合った機種しか通らないから、間違ったものを取り付ける心配がなくなった。



取材先 フジコーポレーション
取材 1999/05/25
掲載先 プレス技術 1999/09
 
 
 
【030406】エアカプラーの接続ミスを防止する  
[改善前]
プレス機のエアシリンダーにエアを供給するエアホースは何本もあって、カプラーが同じ形をしているため、もし接続を間違えると全く違うところが動いてしまい、不良の原因になり、また危険でもあった。


[改善後]
右図のようにホースごとに色を変え、同時に雄型、雌型を交互に逆にして間違えると接続できないようにした。



取材先 フジコーポレーション
取材 1999/05/25
掲載先 プレス技術 1999/09
 
 
 
 【030407】シャーシー部品の逆付けを防止する  
[改善前]
シャーシーの部品を溶接するとき、治具基準ピンに差し込んで位置決めしてから溶接するが、治具は右用と左用のどちらでも組み付けることができ、左右を間違って溶接することがあった。
 
[改善後]
治具に図のようなポカヨケの突起を取り付けた。これにより左右間違って組み付ける心配がなくなった。




取材先 セイレイ工業
取材 1997
掲載先 燃えよリーダー 1997/05
 
 
 
 【030408】閉鎖弁の逆取り付けを防止する  
[改善前]
閉鎖弁を取付金具に取り付けるとき間違って逆方向に取り付けることがあった。

 
[改善後]
ナット部が「当たり」に当たって逆取り付けできないように図のような治具を作った。治具にはA>Bの切り込みをつけ、取付金具を逆にはめ込めないようにした。



取材先 ダイキン工業堺製造所
取材 1988
掲載 ThinkUp1988/12
 
 
 【030409】スイッチの逆付けを防止する  

[改善前]
周波数切り替えスイッチを左右逆に取り付けるとラベルの表示と一致しなくなる。
 

 
[改善後]
スイッチの取付脚の一部にカキ取りを作り、ボードのスイッチ取付位置にジャマ当たりダボを付けた。これにより左右逆に取り付けようとするとジャマ当たりダボに乗り上げて取り付けられない。




取材先 朝日ナショナル照明
取材 1988/05/16
掲載先 ThinkUp 1988/07
 
 
 
 【030410】ポンプカバーを間違いなく組み付ける  
[改善前]
ポンプカバーを組み立てるとき前後左右の側板の形が似ているので組み付け位置を間違えやすかった。また、カバーを手で支えながらネジを締めるので作業がしずらかった。
 
[改善後]
図のような治具を製作した。
@位置決めピンでカバーの位置決めをやりやすくした。
Aストッパー金具で位置決めしたカバーが倒れないようにした。
Bポカヨケ金具で前後左右の側板を間違えて取り付けられないようにした。
C治具を回転作業台の上に載せて回しながら組み立てられるようにした。



取材先 テラルキョクトウ
取材 1988
掲載先 ThinkUp 1988/09
 
 
 
【030411】ブレーキアッシーの組み付けミスを防止する  
[改善前]
図のような部品からなるブレーキアッシーに組み付けミスが発生するおそれがあった。

 
 [改善後]
図のような組み付け忘れ防止装置を作った。スピンドルを一旦アッシー台にセットすると次の操作で5つのランプをすべて点灯させない限りスピンドルは外れないようになる。
@バックプレートアッシーを組み付けるとリミットスイッチが働いて@のランプが点灯する。
Aブレーキドラムを組み付けPL(プリロード)測定を行うとAのランプが点灯する。
Bエアー封入を行うとBのランプが点灯する。
Cロックナットをかしめると Cのランプが点灯する。
Dハブキャップ打ち込みのために打込具を取り上げるとDのランプが点灯する。




取材先 マツダ
取材 1982/08/26
掲載先 創意とくふう 1982/11

 
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