改善の事典 》 第3章 品質 》 バラバラのやり方を標準化する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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i品質-0303 バラバラのやり方を標準化する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
やり方がバラバラだと結果もバラバラになります。最もよいやり方を見つけて、いつでもみんながその方法でやることにすれば、間違いのない結果を生み出すことができます。これを「標準化」といいます。 |
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このページの掲載事例→ | ●030301 重要な数字から順に並べる | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030302 計算の順に数字を並べる | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030303 現品の順に合わせて台帳をつくる | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030304 社内作成文書の必須記載項目を決める | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030305 伝言メモ用紙をつくる | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030306 のし承り表をつくる | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030307 行事案内の様式を統一する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030308 社内報校正方法を統一する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030309 運賃見積方法を標準化する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030310 溶接電圧を標準化する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030311 道順案内方法を標準化する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030312 お茶の入れ方を標準化する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030313 接遇マニュアルをつくる | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030314 業務引継ノートをつくる | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030315 数量・品質・価格・納期をあらかじめ設定して農業生産する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●030316 工作機械のモジュール化を推進する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【030301】重要な数字から順に並べる | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[改善前] 部門別予算書は各店の数字が詰まっていて、各事業部ごとの計が見にくかった。 |
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[改善後] 部門計と事業部計を一番上に持ってきて、各店の事業部の境目に点線を入れることにした。 取材先 平和堂 取材 1983/09/30 掲載先 創意とくふう 1983/12 |
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【030302】計算の順に数字を並べる | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[改善前] 欠勤換算日数を出すとき「欠席日数」と「遅刻早退回数を3で割った数字」を足していた。 |
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[改善後] 計算の過程をわかりやすくするため、計算の順に数字を並べることにした。 |
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【030303】現品の順に合わせて台帳を作る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
商品台帳と店頭の棚に並んでいる商品の順番が違っていると注文する商品名を探すのに時間がかかる。そこで台帳の記載順を店頭の商品順に合わせた。 取材先 トヨタ生活協同組合 取材 1987 掲載先 ThinkUp 1987/05 |
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【030304】社内作製文書の必須記載項目を決める | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[改善前] 社内文書に日付のないものや作成者名のないものがあり、内容を確認するとき不便だった。 [改善後] 宛先、件名、発行年月日、原紙保存部署、保存期間、作成者の所属・氏名、配布先の6項目を必ず記載することをルール化した。 出典 神戸製鋼所「事務ルール事例集」 |
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【030305】伝言メモ用紙を作る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[改善前] 離席時に電話がかかってきたり来訪者があったとき、用件をメモしていたが、しばしば聞き漏らしがあった。 [改善後] 右のような伝言メモを作り、それにチェックすればよいようにした。 取材先 富士オート 取材 1983/11/25 掲載 創意とくふう1984/02 |
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【030306】のし承り票を作る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
スーパーマーケットのサービス係が進物用の包装を承るとき、右のようなのし承り票を作り、お客様に確認しながら必要な項目を○で囲むようにした。 取材先 イズミ安古市店 取材 1987 掲載先 ThinkUp 1987/08 |
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【030307】行事案内の様式を統一する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[改善前] 社内団体から印刷を依頼される行事案内はサイズも様式もバラバラだった。 [改善後] サイズはA5とし、様式を右のように統一した。これにより印刷物作成の工数が削減できた。 取材先 トヨタ自動車 掲載 事務サービス改善提案ハンドブック(1983) |
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【030308】社内報校正方法を標準化する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
社内報の校正ミスをなくすために校正方法の標準を次のように決めた。 [改善1] 照らし合わせによるミスをなくすために、見ている行に蛍光ペンで印をつける。 |
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[改善2] 原稿の見間違いによるゲラミスをなくすために、原稿の挿入部分は書き直す。 |
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[改善3] 鍵カッコの一方を落とさないように、カッコの初めと終わりに同じ色で印を付ける。 |
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[改善4] 漢字のミスをなくすために、漢字を形で見る。(漢字を分解して違う読み方を考えてみる) |
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[改善5] 数値ミスをなくすために、数値に印をつけ、その部分のみ改めて声を出して読み合わせする。 |
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[改善6] 表の数値ミスをなくすために、見終わったら蛍光ペンで印をつける。 |
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[改善7] 促音ミスをなくすために、1つの独立した音として声に出して読む。 |
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[改善8] 色ゲラの抜けミスをなくすために、色ゲラは透明フィルムにコピーし、スミゲラの上に重ねてチェックする。 |
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[改善9] 打ち直し箇所は青で囲み、段落の終わりまで読む。 |
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[改善10] レイアウトを変更したときは変更部分を赤で囲む。 取材先 伊藤喜工作所 取材 1988 掲載先 ThinkUp 1989/09 |
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【030309】運賃見積り方法を標準化する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[改善前] 製品の配送運賃はあらかじめ算出した額に基づいてユーザーに請求するが、その都度計算するので時間がかかっていた。また、運送ルートを十分理解していないため、計算する人によって実際の運賃との間に誤差を生じた。 [改善後] 各仕向地までの運送ルート、運行距離、離島の場合はフェリー代、乗船待機料を調べて運賃を算出し、地域別運賃表を作成した。 取材先 九州不二サッシ |
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【030310】溶接電圧を標準化する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[改善前] アルミ板を点付け溶接するとき板厚によって溶接機の電圧を変えるが、電圧設定値が個人によってまちまちで品質にバラツキがあった。 |
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[改善後] 個人差をなくすために実験を重ねて板厚別電圧設定表を作成した。その結果安定した品質が保たれるようになった。 取材先 九州不二サッシ 掲載 燃えよリーダー1997/05 |
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【030311】道順案内方法を標準化する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[改善前] 工場までの道順を電話で問い合わせられたとき、説明が難しく、人によって説明の仕方がまちまちだった。 [改善後] 案内方法を下のように標準化し、コピーを受付と守衛室に置くことにした。 取材先 大日本インキ吹田工場 取材 1984 掲載先 創意とくふう 1984/12 |
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【0030312】お茶の入れ方を標準化する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
銀行のQCサークルによる事例。来客へのおいしいお茶の入れ方を研究してポスターにまとめ、全社に配布。周知徹底を図った。 取材先 三和銀行田辺支店 取材 1980 掲載先 自己啓発 1981/01 |
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【030313】接遇マニュアルを作る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[改善前] 来客への接遇方法は各人がバラバラのやり方で行なっていたが、どうしたらよいか迷うことが少なくなく、来客にもバラバラの印象を与えていた。 [改善後] 女性サークルが話し合って下のような自分たちの接遇マニュアルを作成した。 取材先 京都機械工具 |
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【030314】業務引継ノートを作る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[改善前] 事務職の前任者の退職時に後任が仕事を引き継ぐとき、引継ぎに時間がかかったり、抜け落ちがあったり、仕事のコツや便利情報まで引き継ぐことができず、後任者はそれをマスターするのに多くの時間や労力が必要だった。 [改善後] 各人が在任中に次のような方法で引継ぎノートを作成しておき、退任時には後任者に引き継ぐことをルール化した。 @業務を月単位の仕事、毎日の仕事に分類。それぞれについて事務の流れを明らかにし、ノートにまとめる。 A後任者は先輩のノートをもとにその後の変動を反映させて現状にマッチさせる。 取材先 千代田紙工業 取材 1988 掲載先 ThinkUp 1988/12 |
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【030315】品質・数量¥・価格・納期・をあらかじめ設定して農業生産する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■そのために、決まった量の野菜を、決まった価格で、決まった日に納入してくれるよう農家に頼んだが、応じてくれる農家は1軒もなかった。野菜の収穫量は天候次第であり、市場でセリにかけられ、その時々の相場で値段が決まる。そんな約束はできるはずがない…といわれた。 ■しかし、その時にならないと決まらないというのでは計画は立たず、それではビジネスは成り立たない。 ■そこで、島崎さんはトップリバーという会社を立ち上げ、自ら野菜づくりを始めた。カット野菜の加工業者との間にあらかじめ品質・数量・価格・納期を設定した契約を結び、その契約に基づいて生産計画を立て、その実現のために、あらゆる工夫・努力を傾注した。具体的には… @天候がどうであれ、少なくともこれ位は収穫できるという量がある。平均的な収穫量の半分、或いは3分の2…、作り方のノウハウを蓄積し、最も効果的な方法を標準化し、この標準のレベルを少しずつ引き上げていくことをめざした。 Aそのためにすべての農作業と結果を記録し、データベース化し、収穫の安定化に向けた改善を重ね、マニュアル化した。 B価格は種を蒔く前に決める。外食産業や中食産業にとっては、安定供給自体がメリットだから、価格は平均的な相場価格よりも高く設定できる。供給量が予めきまっているから、トラックは常に満杯で走らせることができる。 C天候不順で約束の量を確保できない時には、高騰した市場相場で購入してでも不足分を補い、必ず約束を守る。 D近隣農家に収穫量の一部について、数量・価格・納期を予め取り決めてトップリバーに回してもらえるように依頼した。ただし、契約農家には必ず決まった日に種を撒き、決まった日に定植してもらうことが条件である。それに協力して貰える農家が少しずつ増えていった。 ■農業を計画的なビジネスに変えてきたトップリバーには、教えを乞う若者たちが次々やってくる。島崎さんは彼らを研修生として受け入れ、3〜6年をかけてノウハウを教え、そこを卒業した人たちが各地で組織農業を展開し始めている。 取材先 トップリバー |
レタスの収獲作業(上)と研修生たち |
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【030316】工作機械のモジュール化を推進jする | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■モジュール化は自動車や家電の業界では当たり前のように行われてきたが、ロケット・船舶・発電プラントなどの分野では、モジュール化は行われず、ユーザーの要望に応じて一品ずつ一から設計されていた。そんな中で、三菱重工業・工作機械事業部は2006年からの「ものづくり革新」の一環としてモジュール化に取り組んだ。 ■たとえば、大型工作機械は門のような構造をしている。門の中心のテーブルにワークを置き、主軸の切削工具を回転させてそれを加工する。その基本的な構造はどれも同じだが、従来はユーザーの注文に応じて一品一品設計していた。門の高さや幅、ワークを載せるテーブルの大きさは、ワークの大きさによって50mm刻みくらいでバリエーションがあった。 ■だが、ユーザー側のニーズを分析してみると、門の高さは一定であっても差し支えなく、門の幅とテーブルの長さのバリエーションは1m単位で十分であることがわかった。また、主軸の形式や取り付ける切削工具の数、切削工具の回転数や切削油の圧力など、いくつかの限られたバリエーションがあれば、ほとんどのユーザーの要望に応えられることがわかった。また、主軸の形式や取り付ける切削工具の数、切削工具の回転数や切削油の圧力なども、いくつかの限られたバリエーションがあれば、ほとんどのユーザーの要望に応えられることも分かった。 ■そこで、固定する部分と変わる部分を分けてことにし、門の幅、テーブルの大きさ、主軸の形式など、それぞれ数種類のバリエーションをつくり、後はそれらを組み合わせていった。 ■これにより、一品一品描いていた設計図面は、バリエーションごとの部品の図面を予めつくっておき、それを組み合わせればよくなり、設計工数は大幅に短縮された。また、部品を標準化したことで一括発注できるようになり、調達コストが下がった。組み立て方法、メンテナンス方法も標準化が進み、熟練が進み、品質が安定した。これにより、大型工作機は27%のコストダウンを実現。10カ月かかっていた納期は5カ月に短縮された。1台1億円もする高価な機械だが、モジュール化完成後の4年間で、560億円という画期的な売り上げになった。 取材先 三菱重工業工作機械事業部 |
大型工作機の組み立て作業 |
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