絵で見る創意くふう事典  》 第15章 地域  》 地域密着の事業を起こす…B観光振興
 
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地域‐1507 地域密着型事業を起こす…B観光振興 BACK


 このページの掲載事例→                    ●150701 おいでなして体験工房  
 ●150702 ご当地検定をj受託 
 ●150703 観光ガイド事業―1
 ●150704 観光ガイド事業―2
 ●150705 観光ガイド事業―3 
 ●150706 観光ガイド事業―4
 ●150707 お遍路をお接待する
 ●150708 都会から過疎地へ人の流れをつくる
 
【150701】 おいでなして体験工房  


■上野市
シルバー人材センター(三重県)は、緊急地域雇用創出特別基金事業として、2003年、近鉄上野市駅前の「おいでなして体験工房」を開設。市民や観光客に対して観光案内や湯茶の接待をするほか、押絵づくりを指導している。

■土日祝日に女性会員3人が出て指導に当たっており、押絵の図案は、2004年に生誕360年を迎える俳聖、松尾芭蕉と伊賀の忍者のイメージキャラクターをセンター会員で押絵作家の中瀬博道さんがデザインし、女性会員3人は中瀬さんの指導を受け、この仕事に就いている。

■押絵のほか、姫だるまやひょうたん、組み紐と五円玉を使ったキーホルダーなどの作り方も指導する。 

取材先 上野市シルバー人材センター(現伊賀市シルバー人材センター)
取材 2003/04/22
掲載 
月刊シルバー人材センター200309


↑「おいでなして体験工房」の外観と内部
 
【150702】 ご当地検定を受託  


■八幡市シルバー人材センター(京都府)は、石清水八幡宮の門前町、八幡市を広く市民に知ってもらい、観光資源として活用するために、2009年にご当地検討の実施を市役所に提案した。市役所はその提案を採択し、シルバーに検定委員会事務局業務が委任されることになった。
検定委員会は文化事業団、郷土史会、観光協会、社会福祉協議会など市関連の11団体の代表者で構成されている。これに事務局を聞きうけたシルバー人材センターから理事長、事務局長、理事1人、会員5人の計8人が加わり、年4回の会合を通じて検定問題案が作庭された。
事務局としてのシルバーは、全体のプランニングのほか、検定問題案を編集。監修して問題を作成。並行してポスター・チラシを作成して検定をPR、応募者を受け付け、検定会場を設営し、検定を実施。答案を採点して合否結果を通知。認定証、記念品などを用意して合格者認定式を執り行った。

■市役所の職員が行えば相当の人件費がかかるが、シルバーなら高齢者を社会参加させつつ半ばボランティアでこなせることになる。
シルバーでは、2011年には
検定合格者による小中学校での特別授業、公民館等での一般市民向け特別講義、歴史文化スポットを一緒に回って説明してもらう歴史散歩ウォーキングなどの企画を検討している。また過去2回の問題と解答と解説を冊子にまとめ、関連の写真や動画を編集したDVDを作成。セットで販売することを計画している。

取材先 八幡市シルバー人材センター
取材 2011/06/28
掲載 月刊シルバー人材センター201111
 

←検定試験会場
 
【150703】 観光ガイド事業ー1  


■姫路市シルバー人材センター(兵庫県)では1989年から姫路城のボランティアガイドを実施している。現在の就業会員は32人。観光客は1団体20人位で、多い日には1日に4回くらいガイドする。ガイドの会員は連日観光客を案内しながら、仲間とともに城の歴史研究に励んでいる。 

取材先 姫路市シルバー人材センター
取材 2009/12/17
掲載 
月刊シルバー人材センター201003

 ←観光客を案内する姫路城お城ガイド
 
【150704】 観光ガイド事業−2  


■広島県尾道市は坂のまち、寺のまち、文学のまち、映画のまちであり、まち全体が博物館と言われる。尾道市シルバー人材センターでは、1980年代から観光ガイド事業を展開。10人を超える会員がまちの歴史と見どころの研究を重ね、観光客の求めに応じてまちを案内している。

■毎年10月第3土曜日のシルバーの日には市公報で募集した希望者を対象に、ボランティアガイドを実施している。

取材先 尾道市シルバー人材センター
取材 2015/04/17、23
掲載 
月刊シルバー人材センター201507〜08

 
↑圓鍔勝三作「あけぼの像」を案内するシルバーガイド会員の高垣俊雄さん
 
【150705】 観光ガイド事業―3  
 

■霧島市シルバ人材センターは2013年から企画提案方式事業としてシルバーガイド事業を始めた。30人近いガイド志望の会員が集まり、郷土史家たちを講師に招いて特訓を重ねてきた。

■「鹿児島神宮とその周辺コース」「浜の市コース」「国分コース」の3コースを開拓。多くの観光客たちを案内してきている。

霧島市シルバー人材センター
取材 2015/07/27
掲載 
月刊シルバー人材センター201510


↑観光案内所を兼ねるシルバーショップ「ねんりん」の前で、シルバーガイド会員の林裕さん(中央)と池田正憲さん(右)
 
【150706】 観光ガイド事業―4  


■鹿児島市には観光コースごとにボランティアガイドの会があり、ボランティアガイドは総勢で200人くらいになるが、ガイドは決まったコースの範囲内でしかガイドできない。

■ガイドの一部は鹿児島市シルバー人材センターの会員となり、シルバーガイドとして観光客の求めに応じ、所定のコースの範囲を越えて、市内のどこでも案内している。料金は5000円と割高だが、10人以上でマイクロバスで行く場合は割安になる。シルバーガイドのメンバーは47人。

取材先 鹿児島市シルバー人材センター
取材 2017/11/16〜17
掲載 
月刊シルバー人材センター201802、03 


↑西郷洞窟の前で案内するシルバー観光ガイドの会会長、砂永良昭さん
 
【150707】 お遍路をお接待する  


新しい観光資源を掘り起こすという高松市の観光振興政策に沿って、高松市シルバー人材センターは歩いて四国遍路をする人たちのために、要所要所でお茶とお菓子で接待し、観光案内することにした。

■空き店舗を利用してシルバー会員たちがお茶とお菓子で接待するほか、地元の小中学生にも参加を呼びかけ、遍路文化に触れさせている。


■遍路の中には「ホッと一休みでき嬉しかった」「(中学生たちに)しっかり勉強して知性美を兼ね備えた人になりなさい」と声をかけていく人があったという。


取材先 高松市シルバー人材センター
取材 2012/08/24
掲載 
月刊シルバー人材センター2012/11
 

  ←お遍路を接待する中学生とシルバー会員
 
【150708】 都会からの過疎地へ人の流れをつくる   


■養父市シルバー人材センターは2016年からは、地域就業機械創出拡大事業として、「勇気をもって有機栽培」「学びのある田舎ぐらし」「福祉の受け手から地域の担い手へ」「Uターン・孫ターン・結う会いターン」の4つの事業を展開。都会から過疎地へ人の流れを作ろうとしている。

■勇気をもって有機栽培:: 2万6000uの耕作放棄地を借り上げ、無農薬で独自ブランドの「温石米」を栽培して阪神間のシルバーに販売したり、収獲体験への参加を呼びかけてきた。

■学びのある田舎ぐらし: 2015年、築150年の養蚕農家の民家を「みやがき結の里」として再生。阪神間のシルバーを招いた交流事業、ミニ田舎暮らし体験、四季自然体感などの事業を展開した。

■福祉の受け手から地域の担い手へ: 東京都健康長寿医療センターが開発した「フレイル予防プログラム」に基づいてシルバー女性会員の「笑いと健康お届け隊」が地域の高齢者に運動を習慣づけ、食生活を改善し、交流を図る活動を展開。さらに2015年には大阪大学の企画により日英の大学院生を「みやがき結の里」に招き、この活動を中心に養父市の高齢者の元気の秘密を紹介した。

Uターン、孫ターン、結う会いターン事業: 養父市から都市へ移った子供世代や孫世代のUターンを促すため、「孫ターン事業」として川遊び・魚のつかみ取り体験の会や雪遊び体験の会を実施、「結う会いターン事業」として、養父市内の男性と市外の女性との出会いをつくり、ジャガイモ掘り、流しソーメン、西瓜割りなどで打ち解けた後、フリートークしてもらう企画を実施した。 

取材先 養父市シルバー人材センター
取材 2016/11/28
掲載 
月刊シルバー人材センター201702 

 
↑写真左から、みやがき結の里、有機農業体験事業、結う会いターン事業
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