絵で見る創意くふう事典  》 第14章 社会  》 解説
 
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組織‐1400 解説 BACKNEXT
解説     「社会」とは 
 

■戦後、私たちが目にした風景は、今よりもずっとゆたかな緑に覆われていました。周りはほとんどが畑や田んぼで、蝶やトンボが飛んでいたし、牛や馬が働く姿もあった。時間がゆっくり流れていました。当時、第1次産業の人口は約50%、現在はおよそ5%だから、10分の1にまで減ってしまいました。工業化と情報化がそれだけ進んだということになります。

■当時の人々は、家族や集落という単位で協力し合いながら生活していました。人々の協力の範囲が集落から地方へ、地方から国全体へ、さらに世界全体にまで広がって、1人ひとりは、全国に向けて、あるいは世界に向けて繰り広げられるビジネスの一部分を分担することで収入を得るようになりました。経済は高度成長し、生活は豊かになりました。その一方で、ほとんどの人が組織の1員として生きる道を選んだことで、集落や家族の結び付きが薄れ、人々はバラバラになりました。貧富の格差が、チャンスに恵まれた者と恵まれなかった者、地域間、世代間にひろがり、さらにグローバルで展開されるビジネスが、地球の環境を痛め続けてきたために、温暖化や異常気象を招いています。

■第一次産業が中心だった時代、人々は自然とうまく付き合っていくことに一生懸命だったのに対して、現代人のほとんどは経済性、ビジネスの収益性を高めることに一生懸命です。しかし、収益の追求だけで、すべての人々を幸福にできるわけではないことが、ここ数十年で次第に明らかになってきています。ビジネスを継続するために収益は不可欠だけれども、ビジネスは本来、収益の確保を前提にしながら、収益の向こうに人々の幸福追求に向かって進むべきではないか。

■そんな考え方から、多くの人たちがビジネスに新たな創意くふうを傾注しています。組織を挙げて地域の美化に取り組んだり、社会の課題解決に向けてビジネス努力を傾注したり、就労困難な人たちに働く場を提供したり、過疎のまちに向けて新しい人の流れを作り出したり…、この章ではそうした創意工夫事例を集めました。