絵で見る創意くふう事典  》 第12章 組織  》 解説 「組織」とは
 
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組織‐1200 BACKNEXT
 解説 「組織」とは
 

人間は互いに協力し合いながら生きています。狩猟・採集経済の時代の協力の規模は、せいぜい数人か数十人のレベルでしたが、人間の歴史とともにその規模は大きくなりました。農耕が始まり、工業化が進み、さらに情報化が進んで、現代では世界中の何億人、何十億人の人間が、直接的、間接的に何らかのかかわりを持ちながら、世の中を作り上げています。

その協力の単位となっているのが株式会社や公共機関、非営利組織などの数人から千人くらいまでの組織で、個人はそれら組織との間で、雇用、派遣、業務委託…などの形で労働力を提供し、報酬を得て、自分たちの生活を成り立たせています。

組織の中で個人に対する指揮命令権は事業者(経営者)ないし事業者から委任された管理者にゆだねられています。事業者ないし管理者が個人個人からどのような働きを、どれだけ引き出すかによって、会社の業績は大きく左右されます。

「人」「物」「金」を経営の3要素、さらに「情報」を加えて経営の4要素といいます。これだけ揃っていれば事業を起こすことができ、継続していけるという意味です。このうち「人」は他の要素とは違った意味を持つと言われます。「物」も「金」も「情報」も、それを使いこなすのは「人」だからです。

ただし、事業者が事業を始めた当初、事業の目的はその事業者自身の中にあります。彼は自分の目的を実現するために人を雇い、その人に命じて、自分の計画通りに働かせようとします。そのときの「人」は「物」「金」「情報」と同じく、コストをかけて手に入れたひとつの要素にすぎません。

しかし、事業を取り巻く状況は刻々と変化します。その変化に追随できなければ、事業は行き詰まります。逆にその変化をいち早くとらえて、的確に対応すれば、事業はさらに発展します。そして、その変化を最初に感じとる立場にいるのは現場を預かる従業員であり、その変化にどう対応すべきかのアイデアも彼が持っていることが少なくありません。だが、事業者が「人」を、手段でありコストであり、いつでも取替えがきく存在とみなしている限り、従業員は変化に注意を払わないし、変化に気づいても報告しないでしょう。その対策アイデアを提案、進言することはありません。

現場を預かる従業員が市場の変化をどこまで敏感に感じ取り、その変化に対応するアイデアをどこまで具体的に構想し、提案、進言してくれるかは、彼がその企業の目的をどこまで理解し、自分のものと意識しているかにかかっています。そして、彼にそのように考えさせ意識させることができるかどうかは、経営者が従業員を、手段でありコストであることを越えて、同じ目的を共有するパートナーと位置付けることができるかどうかにかかっています。

また、企業はお客様に支えられており、お客様からみた企業のイメージは、お客様と直接接する現場の従業員から伝わります。従業員がもしも企業から大切に扱われていなければ、企業への好印象を生み出すことは困難です。お客様の支持を確かなものにするためにも、「人」を大切にし、「人」をいかす組織体制をつくらねばなりません。この章ではそうした組織体制をつくるための事例を集めました。

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