改善の事典  》 第12章 組織  》 解説 人の力を結集するくふう
 
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組織‐1200 BACKNEXT
解説 人々の力を結集するくふう
 

人間は互いの力を結集することで文明を生み、産業を起こしてきました。企業家たちは、それぞれの目標に向かって人々の力を結集し、若者たちは学校を出て就職し、その力の結集に参加していきます。この章では、どのようにして人々の力を結集するのか。企業現場で行われているくふうをまとめます。

仕事を命じる
 会社に採用された1人ひとりにどんな仕事が期待されるかは、採用を決定した時点でおおよそのことは決まっていますが、個別具体的には毎朝の朝礼等で命令が伝えられます。命じられた仕事がリーダーの期待通りに行われているかどうか、それを確認するために報告・連絡・相談が大切になります。

目標を持たせる
 1人ひとりから継続的な働きを引き出すために、目標が必要です。1人ひとりが、どんな業務を、いつまでに、どれだけ分担するか、それらをそのつど具体的に伝え、1人ひとりがそれに責任を持つことで、目標達成に向けた会社の計画に組み込まれます。

能力を高める
 1人ひとりがもっと大きな仕事を分担できるようになるために能力開発が必要です。すべてのリーダーは部下1人ひとりを啓発し、教育機会をつくり、資格取得させるなど、部下の能力開発に様々な努力を重ねています。

改善を推進する
 仕事を進めていくと、様々な問題や課題に遭遇します。それらを改善しながら進むことで、仕事の成果も達成感も大きくなります。1970年代から始まったグループによる改善活動は、多くの職場で定着しています。

ビジョンを示す
 会社の究極の目標が社長1人のものなら、社員は目の前の目標に追われながら仕事をして賃金をもらうだけ。会社と社員の結びつきは一時的なものにすぎません。それを恒久的なものとし、社員に会社の将来を担ってもらえるようにするには、会社が、お客様や社会とどのように関わり、どのような役割を果たしていくか、ビジョンや経営理念を明確にし、みんなで共有する必要があります。

任せる
 リーダーが仕事の細部まで指示命令して自分の思う通りの仕事をさせようとするとき、管理できる部下の数は限られています。10人を超えるととても無理でしょう。事業が発展し組織が大きくなれば、リーダーは方針だけ示し、後は担当者を信頼して任せ、何かあったら、報告・連絡・相談させるというやり方に移行せざるを得なくなります。信頼して任せることで、部下はやりがいを感じ、自信を持ち、成長し、組織は大きく発展します。

よい人間関係をつくる
 人間は多くの場合、理屈よりも感情に支配されます。会社の中の複数の人々が共通の目標に向かって力を合わせるには、笑顔で挨拶する、感謝の気持ちを伝えるなど、よい人間関係を作ることが必要です。

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