絵で見る創意くふう事典  》 第12章 組織  》 解説 「組織」とは
 
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組織‐1200 BACKNEXT
 解説   「組織」とは
 

人間は互いに協力し合うことで生きています。協力の最少単位は、かつては家族であり、その集合体としての地域、村落共同体でした。農業、漁業など第1次産業の時代のことです。しかし100150年前に、第2次産業が起こって、多くの人が耕していた土地を離れ、企業という組織に雇われ、その中に組み込まれ、そこで得た報酬によって生活していくようになりました。最近では工場の省力化がすすみ、多くの人々がモノを作る第2次産業から、モノを売る第3次産業に移っていますが、組織の一員として仕事するという形は同じです。
企業は個人と労働契約を結びます。その結果、個人は企業の求めに応じて、時間の拘束を受け、勤務地が指定され、ときに単身赴任を求められることもあります。企業が効率を追求すればするほど、水が高いところから低い所へ流れるように、都市への人口集中が進み、人々は田舎を離れ、ときには家族とも離れて、自分を雇ってくれる企業との関わりを中心に生きています。
共同体の中では1人ひとりが共同体の構成員として他の構成員とともに目的や利害を共有していました。これに対して、企業はもともと目的を持った組織であり、目的達成の手段として人を雇用します。「人」「物」「金」を経営の3要素、さらに「情報」を加えて経営の4要素といいます。これだけ揃っていれば事業が始められる、継続していけるという意味です。
このうち「人」は他の要素とは違った意味を持つと言われます。「物」も「金」も「情報」も、それを使いこなすのは「人」だからです。ただ、事業者が事業を始めた当初、企業の目的はその事業者自身の中にあります。彼は自分の目的を実現するために人を雇い、その人に命じて、自分の計画通りに働かせようとします。そのときの「人」は「物」「金」「情報」と同じく、コストをかけて手に入れたひとつの要素にすぎません。

しかし、事業を取り巻く状況は刻々と変化します。その変化に追随できなければ、事業は計画通りに進まず、頓挫します。逆にその変化をいち早くとらえて対応すれば、事業はさらに発展します。そして、その変化を最初に感じとる立場にいるのは現場を預かる従業員であり、その変化にどう対応すべきかのアイデアも彼が持っている場合が少なくないのです。だが、事業者が「人」を、手段でありコストであり、いつでも取替えがきく存在とみなしている限り、従業員は変化に注意を払わないでしょうし、変化に気づいても報告しないでしょう。ましてやその対策アイデアを提案、進言することはありません。
現場を預かる従業員が変化をどこまで敏感に感じ取り、その変化に対応するアイデアをどこまで具体的に構想し、提案、進言してくれるかは、彼がその企業の目的をどこまで理解し、自分のものと意識しているかにかかっています。そして、彼にそのように考えさせ意識させることができるかどうかは、経営者が従業員を、手段でありコストであることを越えて、同じ目的を共有するパートナーと位置付けることができるかどうかにかかっています。
また、企業はお客様に支えられており、お客様からみた企業のイメージは、お客様と直接接する現場の従業員から伝わります。従業員がもしも企業から大切に扱われていなければ、企業への好印象を生み出すことは困難です。お客様の支持を確かなものにするためにも、「人」を大切にし、「人」をいかす組織体制をつくらねばなりません。この章ではそうした組織体制をつくるための事例を集めました。

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