改善の事典  》 第2章  安全  》 安全意識を高める
 
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i安全-0211 安全意識を高める  
安全を確保するために、装置のすべてを自動化したり、ポカヨケの工夫を施すことは不可能です。ほとんどの場合は人間の注意力に頼らざるをえず、1人ひとりが危険に対して常に謙虚になり、注意力、危険予知力に磨きをかけることが必要です。ここでは1人ひとりの安全意識を高める工夫を集めました。
このページの掲載事例→                                  ●021101 指差喚呼を徹底する   
 ●021102 災害事例を周知する
 ●021103 無災害目標を立てる
 ●021104 安全を呼びかける
 ●021105 安全確認5指運動
 ●021106 安全の正しい作法を身につける
 ●021107 安全マニュアルを紙芝居にする
 ●021108 安全パトロールを実施する
 ●021109 作業着を明るい色に変える
 ●021110 目を見て声をかけ注意する
 ●021111 鏡に全身を映してから作業室に入る
 ●021112 「安全よし」と唱和してから作業に入る
 ●021113 事故を起こした人に安全講習会
 ●021114 シルバー事務局による安全OJT
 ●021115 ヒヤリハット提案を募集
 ●021116 交通安全教室を開く―1
 ●021117 交通安全教室を開く―2
 
【021101】指差喚呼を徹底する

クレーンの吊荷は、確実に取り付けられていることを目で確認し、「吊荷によし!」と声に出し、指で吊り荷を指してから吊り上げる。そのことの徹底を促すカンバンを作り、竿チェーンに取りつけた。


取材先 神戸製鋼所神戸製鉄所
取材 1982/04/19
掲載先 
創意とくふう 1982/07
 
 
【021102】災害事例を周知する  


同じ災害を2度と繰り返さないために、過去の災害をみんなで共有し、どうしたら発生を防止できるかを意識させることが大切である。そのために過去の災害がどのように発生したかをポスター化して注意を呼びかけた。

取材先 松下住設機器石油機事業部
取材 1979
掲載先 
自己啓発 1979/05


 
 
 
 【021103】無災害目標を立てる  


緑十字の内側がカレンダーになっていて、無災害に終った日は緑色のマグネット板を貼りつける。1カ月無災害が続けば緑十字が完成する。


取材先 松下住設機器石油機事業部
取材 1979
掲載先 
自己啓発 1979/05

 
 
【021104】安全を呼びかける  
[事例1]
狭いところで方向転換するためトラック後方がブロックに接触し壁を破損する事故が起こった。そこで、各グループで安全を呼びかける看板を作成し、防護ネットに張り付けて掲示した。


取材先 愛知機械工業
取材 1983
掲載先 
創意とくふう 1983/07
 
[事例2]
等身大人形に音声合成装置と動きセンサーを組み込み廊下に置いた。その前を通ればセンサーが働いて人形が「お父さん、気をつけてね」と呼びかける。


取材先 日新製鋼呉製鉄所
掲載 面白雑学辞典
 
【021105】安全確認5指運動  

仕事にかかる前、みんなで指を1本1本折りながら次の「指の教え」を唱和する。全部終わったらグッと握って「さあ無事故でいこう」と作業を開始する。



参考文献 「安全衛生教育のすすめ方 」
 
 
【021106】安全の正しい作法を身につける  

みんなの危険回避ノウハウを結集して正しい作法を集大成し、全員がそれを身につけようと「安全の正しい作法づくり」に取り組んだ。

@多くの人がかかわり、ムリムダムラが多く、ヒヤリハットの多い操作を選定する。
A操作名、単位操作、要素操作を書き出す。
B1人ずつ順番にやってみて、ビデオに収録する。
Cビデオを見て、自然に危険を回避している動作はないか、ムダな動きはないか、ムリな姿勢・動作はないか、など気づいた問題点をメモし、順番に発表する。
D現場の設備や環境を観察し、見えにくい計器や表示はないか、操作点と確認点が離れすぎていないか、な ど気づいた問題点をメモし、順番に発表する。
Eそれらを集約し仮の作法をまとめる。
F仮の作法について気づいた点を加味して改善案をまとめ、安全面、効率面からの評価して、正しい作法を決める。
G代表者が正しい作法を演じ、それをビデオに撮る。
H模範ビデオを見て全員で習熟訓練を行う。
  



取材先 出光興産兵庫製油所
取材 1998/09/28
掲載先 
TPMによる利益を生み出す体質づくり(1999)
 
 
 
 【021107】安全マニュアルを紙芝居にする  

請負作業員用の安全マニュアルを紙芝居風にイラスト化した。工事開始時の安全推進会議で請負作業者にこれで説明する。絵の裏側には解説と過去の災害事例が書かれている。


取材先 関西電力岸和田電力所
取材 1979
掲載先 自己啓発 
1979/05
 
 
 
 021108】安全パトロールを実施する  
 
安全が守られているかどうか、作業している当人は気がついていない場合がある。そこで各職場から安全委員を選任して定期的に安全パトロールを行い、安全をチェックして、問題点は職場にフィードバックすることにした。



参考文献 清水良章著「マンガ安全管理」(同文館出版、1992)
 
 
  021109】作業着を明るい色に替える  
 [改善前]
従来のユニフォームは紺色で地味で汚れが目立たなかった
 
  [改善後]
黄色を基調とした明るい色のものに変えた。汚れが目立ちやすくなり、 作業着を汚すような無理な動作を避け、汚れたらすぐに着替える安全衛生意識が向上した。




取材先 KVK
取材 1996/03/13
掲載先 燃えよリーダー
 1996/05
 
 
 
  021110】目を見て声をかけ注意する  

■大東市
シルバー人材センターの安全就業推進員は、就業現場に会員1人ひとりを訪ね、「元気で働いていますか?」「調子の悪いところはありませんか?」と声をかけている。

■あるいは「床面が濡れているから歩くときは注意してください」とか「ヘルメットは必ずつけてくださいよ」とか「ここには自転車で通われるのですね。車と接触しないよう気をつけてください」と注意を促す。

仲間から注意されると反発する会員は少なくないが、そんな調子で言われるとみんな素直に聞く。

■1人が大勢に呼びかけ、あるいは印刷物で呼びかけるだけでなく、現場に足を運び、1人ひとりの目を見て語りかけられる安全への注意喚起は働く1人ひとりの中に確実に浸透する。




取材先 大東市シルバー人材センター
取材 2007/05/08
掲載先 
月刊シルバー人材センター 2007/07
 
 
 021111鏡に全身映してから作業室に入る  

作業室の入口に鏡を設置。これに全身が映し、自分自身で身だしなみをチェックするとともに、心の中で「今日も頑張ろう」と思って入室することをルール化した。その日、自分が取り組む仕事のイメージをはっきりと思い描くことで、仕事に対して前向きになり、安全意識も高まる。



取材先 キヤノン電子 
取材 2008/08/20
掲載先 
ポジティブ 08/10

探訪記   http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki071.html
 
 
 
  021112「安全よし」と唱和してから作業に入る  

西条市シルバー人材センターの就業現場では、毎日作業前ミーティングを行っている。みんなで仕事の手順を確認し、例えば除草作業域の中に古井戸があるなど、危険個所を全員で指差称呼し、作業着・ヘルメット・脚立・草刈機、作業手順をみんなで点検確認。「安全よし!」と唱和してから作業に入る。


取材先 西条市シルバー人材センター
取材 2017/04/20
掲載先 
月刊シルバー人材センター 2017/07
 
 
 
 021113事故を起こした人に安全講習会  


西条市シルバー人材センターでは、シルバー保険適用の事故を起こした会員を対象に、次のような安全講習会を実施している。所容時間は約1時間。

@前年度の事故発生状況の確認
A安全就業の心得(安全の大切さをわかっているだけでは事故は防げない。仕事や就業途上の条件の変化を見逃さず、異常を発見したら、それに対応して1人ひとりが自らの安全を確保しなければならない)
Bシルバー保険について(シルバー保険は就業中のすべての事故をカバーするものではない。例えばセンターが提供した仕事以外の仕事については適用されない…など)
C健康診断受診について(自分の健康状態や身体能力を知るために年1回は健康診断を受診すること)
D事故事例発表(最後に事故を発生させた会員に何がいけなかったのかの反省と今後の対応を発表させる。また、それを聞いていた他の参加者にも意見を求める)

取材先 西条市シルバー人材センター
取材 2017/04/20
掲載先 
月刊シルバー人材センター 2017/07

 
 安全パトロール
 
 021114シルバー事務局による安全OJT  

多賀町シルバー人材センター(滋賀県)では事務局担当者が、剪定や除草などの現場を就業前に回り、仕事の段取りを確認、服装や保護具、機械器具を点検、安全への注意を促している。また、災害発生時には有線放送網のFAX同報機能を活用して、会員宅に災害速報を流して注意を呼びかけている。

取材先 多賀町シルバー人材センター
取材 2013/04/15
掲載先 
月刊シルバー人材センター 2013/07
  

 
 021115ヒヤリハット提案を募集  

安城市シルバー人材センター(愛知県)では会員が「これは危なかった」と思ったヒヤリハット提案(いつ、どこで、どんな時、どうなったか、考えられる原因、起こりうる事故、対策)を2年に1回募集して改善に役立てている。1回に1415件の提案が出てくる。例えば、次のようなものがある。

@スーパーのカート整理作業のヒヤリハット提案
・どんなときに→カートの移動中に
・どうなったか→横の通路から走ってきた子供とぶつかりそうになった。
・考えられる事故→カートと人の衝突事故

・対策→通路の端を通らない/カートはすぐに止まれる速度で運ぶ
Aリサイクルプラザ・ベッド解体作業でのヒヤリハット提案
・どんなときに→ベッド解体中に
・どうなったか→ズボンの裾が台車に引っかかって転倒
・考えられる事故→打撲、怪我
・対策→作業台の周りは一作業ごとに整理整頓し、万が一転んでも怪我がないように体の逃げ場をつくっておく。

取材先 安城市シルバー人材センター
取材 2016/04/18
掲載先 
月刊シルバー人材センター 2016/07
  

 
  021116交通安全教室を開く―1  

広島市シルバー人材センターでは2014年に交通死亡事故が発生。以来、毎年1回、市内4カ所の会場で「交通安全教室」を開催している。動体視力・夜間視力検査、わたりジョーズ君、クイックキャッチ・クイックアーム…などによって、ゲーム感覚で参加しながら自身の認知能力や運動能力を確認し体験に基づいた交通安全意識を高める。写真は2018年1月の「交通安全教室」で行なわれたクイックアーム。光ったボタンをすばやく正確に押す検査。

取材先 広島市シルバー人材センター
取材 2018/02/20
掲載先 
月刊シルバー人材センター 2018/05

 
クイックアーム
 
  021117交通安全教室を開く―2  

香川県シルバー人材センター連合会では昨年8月、県内14センターの安全就業推進員や安全就業委員らが集まって「交通安全教室」を開催している。自転車のシュミレーターを数人が試乗体験し、その様子をみんなで見て、その後のグループ討議で、正しい交通安全意識を持って自転車に乗ることの大切さをみんなで意見交換。その結果を「慣れた道、かえって危ない、その油断」など、安全標語にまとめている。写真は自転車のシュミレーターを数人が試乗体験の様子。

取材先 香川県シルバー人材センター連合会
取材 2018/02/26
掲載先 
月刊シルバー人材センター 201805

 
自転車のシュミレーター試乗
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